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酒徒の履歴書②稲妻の水餃(水餃子)

自己紹介代わりの「酒徒の履歴書」、高校生~大学生篇。初めての中国で、本場の中華料理と衝撃的な出会いを果たします。

黎明篇3(高校生)

中三で埼玉へ戻り、高校(男子校…)へ進学。日常生活から馬刺しや新鮮な魚介が消えた。一度与えられたものがなくなると、最初からなかったのに比べて、失望はより大きくなる。ここ以外のどこかに住みたいという気持ちは、この頃から次第に大きくなった。

当時所属していた吹奏楽部では演奏会の打ち上げで酒盛りをする不埒な文化があった。ビールも日本酒も焼酎もウイスキーも味に抵抗はなく(もちろん背伸びして飲んでいた部分はあったが)、酔い潰れる友人を見て、自分は飲める方の人間だと知った。

打ち上げの酒盛りが学校にバレて、高三の先輩たちが推薦を取り消される不幸な事件もあったが、翌年はヨソにバレないよう飲食店を営む同級生の親御さんが会場を提供してくれた。今思えば、牧歌的な時代であった。

人生初の酔っ払っての寝過ごしも、高一か高二の頃である。寝過ごした先は、家から車で一時間はかかる山の中。暗い街灯の下、駅前の公園で野犬にからまれつつブランコを漕いでいた。比較的近所に住む叔父が迎えに来てくれて、その車のヘッドライトがやけに眩しかったことを今も覚えている。

高校時代には、中国史への興味は三国時代を飛び出し、春秋・戦国、唐、清と広がっていた。酔いどれ詩人・李白や白居易が好きになったのもこの頃である。そして、よせばいいのに東洋史学科への進学を志すようになった。

その流れで、中華圏の映画や音楽にも興味を持つようになった。男たちの挽歌、ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ、恋する惑星、覇王別姫あたりがハマる切っ掛けだったのだが、今思うと、名作が立て続けに公開された時期だったんだなあ。とりあえず、男たちの挽歌のチョウ・ユンファを真似て、ゲーセンのバーチャコップで二丁拳銃を撃っていた過去は消し去りたい(笑)。

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