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昆虫は承認欲求を満たさない。

庭のワイルドストロベリーがよく咲いた。
これならいちごもだいぶ生るんじゃないかと思う。去年はわずかないちごをみんな子どもたちに食われてしまったが、今年は見つかる前に一粒だけ食べた。甘さは控えめでその分酸味が効いたいかにも野生種といった味わいだった。
 

ワイルドストロベリーと子カマキリ。Sony A7IV + SIGMA 105mm Macro ART F8


孵化したオオカマキリの子どもたちを放してやる。
昆虫の考えていることはまるでわからない。あまりにもわからないからそれが気兼ねなくてよい。養老先生が以前言っていた。昆虫を前にして承認欲求など無意味である。昆虫はあなたを一切認めてくれない。だから昆虫と向き合っていれば承認欲求など忘れてしまうものであるとか。ああ、養老先生に会いたいなあ。
 

するどい目つきになった。Sony A7IV + SIGMA 105mm Macro ART F8


数日前に孵化したカマキリがいた。
もはや生まれたての可愛さはどこにもなく、精悍な体つきとするどい目つきに変わっていた。こいつはこれから一流のプレデターになるべく狩って狩って狩りまくるのだ。生まれたてのカマキリたちもこいつに襲われたらひとたまりもないだろう。共食い上等。
 

Sony A7IV + SIGMA 105mm Macro ART F8


越冬したアゲハのサナギが3つあったが羽化したのは一つだけだった。カマキリの卵も三分の一くらいがカマキリタマゴカツオブシムシにやられてしまった。冬を越すというのは昆虫にとって実に厳しいものだ。それだけに春になって新しい命の誕生を目にできる喜びはひとしおである。しかし喜んでいるのんきな人間をよそに昆虫たちは今日も自由だ。


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