凛と、きつねと、夏の思い出。2
家を飛び出してから、ずいぶん時間が経った。昼間は町の図書館で過ごして、閉まっちゃったからまた歩いて… とうとう行き場をなくした。丁度たどり着いた公園で、持っていたスケッチブックを膝に置いてベンチに疲れた身体を沈ませた。
(ゆーうやけこやけで ひがくれてー
やーまのおてらの かねがなるー)
5時のチャイムが、辺りに鳴り響く。
顔を上げて周りをみてみる。低学年の子たちが、かけっこしながら、もう少し大人の子は、お友達と歌いながら、みんなお歌のとおりに、おててをつないで、それぞれの