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双極性障害との出会い

みなさん、こんにちは。コロナ疲れしていませんか?今は何をせずとも、ただじっと耐え忍んでいるだけで素晴らしいです。生きているだけでえらいね。


さて、前回意外と反応をもらったので嬉しかったです。この調子で書いていっちゃうぞ〜。


▽前回の記事を読んでいない方、もしよければ、事前にこちらもご覧いただけるとうれしいです。

今回は、私が双極性障害と出会った頃について書きたいと思います。(急にですます調になっているのは、そっちの方が心がまるくなれるからです)


はじめて診断されたのはいつ?

社会人1年目の。眠れない日が続くようになります。もともと、中学生の頃から夜行性で、不眠症に悩まされていました。特に、暑さに弱いのか、昔から夏が苦手なのも不安の種でした。

社会人という新しい環境で、ストレスが積もったのでしょう。落ち着いていた不眠症の症状が再び現れ、眠れない日々を過ごすようになります。

不眠症とは長い付き合いだし、大丈夫だろう。と、軽く考えていました。朝の早い生活、覚えることの多い新社会人。十分に眠れていないせいか、疲労は溜まる一方。それでも乗り切れていたのは、若さゆえの気力と体力。そして、新しい生活のワクワク感。

しかし、不調は急に悪化しました。

ある日、いつもと同じようにパソコンに向かい、作業をしていました。さっき来たメール、返しておこうっと。


あれ? あれれ??   
文字が、読めない???


そう。文字が読めなくなったのです。視界がぼやけるとか、目の前が霞むとか、そういうことではなく、文字通り文字が読めないのです。

例えば、韓国語を勉強したことがない人は、ハングル文字が読めませんよね。アラビア語を知らない人は、アラビア語が読めない。それと同じように、慣れ親しんだはずの日本語が全く読めないのです。見えるけど、理解できない。そんな状況。

突然起こったことに頭がついていけず、少しだけパニックになりました。ちょっと疲れてるだけ、大丈夫。と目を閉じる。ゆっくり開ける。目の前がぼやけていることに気づき、ようやく自分が泣いているのだと認識しました。

ひたすら涙が溢れていく。不思議な感じ。どこかで誰かが勝手に涙腺をコントロールしているような、ただただ涙が溢れる。

限界が来たなと思い、これをきっかけに心療内科に通うようになりました。


しかし、そこで診断された結果は「うつ病

とにかく休むように。と、3か月の休養を言い渡され、余儀なく休職となりました。入社してわずか、4か月目のことです。


そこからは、ひたすら自宅にて休養する日々。ただ「休むこと」だけに専念するよう、お医者さまから強く言われました。

そして迎えた復帰日。自宅療養のおかげか、今までの不眠や不調が嘘のように飛んでいき、身体から力が漲ります。

お休みをいただけたことに感謝し、これからは今よりもっともっと頑張って、もっともっと成果を出していこう!会社に貢献するんだ!憧れの業界で働けているんだし!がんばるぞー!おー!


それから1年後。社会人2年目になったのこと。私はまた、倒れてしまいました。前回の症状とは違い、今度は寝ても寝ても眠いのです。不眠症とは明らかに違う気だるさ。日中、会議をしていても、お昼ご飯を食べていても、帰宅後シャワーを浴びていても、1日中ずっと眠い。というか、食べながら寝ていることもしばしば。

当時お付き合いをしていた彼とデートの約束があった週末。時間になっても現れない私に、何度も何度も電話をくれるということがありました。その時私は、立ち寄った駅のトイレでいつの間にか2時間ほど寝てしまっていたようです。

そんなこともあり、シャワーや運転中に寝ては危ないとのことで、再び心療内科を受診。お医者さまから出された病名は「双極性障害」でした。


はて?なんで?


はてなを頭上いっぱい浮かべる私に、去年からずっと診て下さっていたお医者さまから、こんなことを言われました。


「あなたが去年、職場復帰した時『何か心配なことはないか』と訊いたけど、あなたは『何もありません。すっかり健康になって、むしろ頑張れます!』と張り切っていましたね。そのことが、私は心配でした。

普通、長い休みから明けて職場に戻る時、誰でも不安は残るものです。また倒れたらどうしよう。気分が塞いだらどうしよう、と。そこをあなたは『もっともっと頑張ります』と張り切っていた。その張り切りよう、もしかしたら躁状態なのでは?と注意して見ていました。

初めて会社を休職してから、ちょうど一年経ちましたね。これまでの面談の中でも、あなたは昔から夏に弱いと言っていました。恐らく、夏に気分が深く沈んでしまう周期なのでしょう。

何をやっても落ち込む時期、何をやっても楽しくてしょうがない時期。誰でもあるようなことですが、双極性障害の人は、それが極端なほどハッキリしています。そして、それを自分でコントロールすることができない

でも大丈夫。今までずっと悩んできた夏の不調や、不眠。逆に、張り切り過ぎてキャパオーバーしてしまうことも、薬の力でコントロールできます。上手に付き合っていけば、自分の力を最大限に発揮できる一面もあります」


お医者さまにこう言われ、そっかあ、中学生の頃からずっと悩んでいた「夏が嫌いすぎる病」は、これが原因だったのか。夏休み、ベッドの上から動くことができないわけだ。ふむふむ、納得。確かに、張り切る時は、とんでもないスピード感で突っ走るもんな…。

こうして、私は双極性障害と診断され、自分の身に起きる数々の不調の理由も解明できました。

薬さえあれば気分の波をコントロールでき、上手に付き合えば自分の武器(主にアウトプットにおいて)をフル発揮できます。

企画書をガンガン書いて、寝ないで書いて、ひたすら書いても楽しくてしょうがない時期もあったし、なんでも出来る気分になって色んな交流を広げていた時期もありました。今思うと、躁状態の周期に当たっています。


ただ、これを「双極性障害だから」と知らない状況では、すごく不安になるんです。なんでこんなに気分屋なんだろう…。思いついた時は張り切ってたのに、実行すると思うと、どうしてこんなに無力になるんだろう…。どうして春になると気分が塞ぐんだろう…。張り切り過ぎて疲れたな…。などなど、理由がわからないまま「自分のせい」にしてしまいます。

心療内科や精神科にマイナスなイメージを抱いている人ほど、この病気に気づけないでいると思います。

もちろん、誰もが双極性障害に該当するとは思いません。本当に気分屋な人もいるし、本当に頑張り屋さんな人もいます。

私が伝えたいのは、それが自分の意思でそうなっているのかどうかが、大切だということです。

自分のことが嫌いだ。そう思う頻度が多い人は、今までの自分を見つめ直して、調子が良い悪いに周期があるか。それが制御不能な振り幅か。振り返ってみるのも良いかもしれないです。


少し長くなってしまいましたが、私が双極性障害だと診断されたお話でした。最初はうつ病だと診断され、私自身そう思っていました。繰り返し通院し、数年後に双極性の診断が下りた人もいると思います。

ああ、自分もしかしたらうつ病かもな。と心当たりがある人は、双極性障害の可能性も少しだけ、頭の隅に置いていただけたら。そしたら、長年悩んでいることに対して、スッキリするかもしれません。

ではまた。

多くの人が日々、穏やかに過ごせますよう。



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