感受性が豊かすぎる
興味本位で、中華街の占い師に
手相を見てもらったことがある。
「あなたは感性が豊か過ぎますね。
いろんなところにアンテナが向いて、
いろんなことを感じ取ることができる。
自分に関係ないことまで反応するから
疲れやすいですよね。」
図星すぎて、
当時泣きそうになったことを覚えている。
細かいことが気になってしまうし、
人の些細な言動を気にしながら生きていたときも
あった。
感受性が豊かで人に寄り添えることが
いいことだと思っていたけれど、
自分にとって必要ないことも一緒に
受け取ろうとすることが、
私を苦しめていたらしい。
すると占い師はこう言った。
「そのエネルギーを発散させる必要がありますね。
例えば、絵を描いてみたり、
芸術に手を伸ばしてみるといいかもしれませんね。」
なるほど。
いろんなことを感じ取れることを、
どこかに昇華させればいいのか。
当時の私はよくわからず、
「絵なんて最後に描いたのいつだよ!
バカヤロウ!」
なんて思っていたけれど。
最近、暇つぶしで再開した
ピアノを弾いていてどういうことかわかってきた。
ピアノを弾くことって、
ただ音符を正しく演奏することが全てではなくて
強弱とか、音色とか、呼吸とか、
全身で音を表現することなのだ。
この曲はどういう曲なのか、
この音は何の役割を果たしているのか、
なぜこの強弱がつけられているのか、
それを理解して言語化して、
音に乗せることで美しい音楽が生まれるのだ。
他界された世界的有名指揮者、小澤征爾さんも
指揮者育成プログラムを実施した際に
1音1音、何の意味があるのか答えられなければ
指揮者失格と厳しく言ったほどだ。
おお。これだこれだ。
私にとってぴったりの昇華法が見つかった。
音楽が大好きで、表現も好き。
私は私が感じた世界観を体現することが好き。
ピアノを習っていた13年間、
何で続いてたかって
1年に1回の発表会で、
その場にいる人が全員私に視線を向けている中、
壇上でピアノを思い切り弾くことが
たまらなく快感だったからだ。
今まではただ、
ぶつける場所を間違えていただけだった。
俗にいう、感受性が豊な人、
「繊細さん」とか「HSP気質」な人は
何かしらのセンスが秀ている人が
多いように感じる。
うまくいかなかったら、
適当なところで見切りをつければいいから
自分にとって心が躍るものを
ぜひ探してみてほしい。
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