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Gärtnerplatztheater 28.05.23 ミュージカルの記録:ゲルトナープラッツテアター《トッツィー》(5月28日)

ミュンヘンのゲルトナープラッツテアターで5月28日、ミュージカル《トッツィー》を観ました。

この日のゲルトナープラッツ。

劇場の壁には《トッツィー》の大きなポスターが。

プログラム。

《トッツィー》は1980年代、ダスティン・ホフマンとジェシカ・ラングが主演した映画が大ヒットしました。監督はシドニー・ポラック。

このミュージカルはこの映画を下敷きに、2018年シカゴのキャデラック・パレス・シアターで世界初演されました。

ゲルトナープラッツテアターでのプレミエは2022年7月7日、これがヨーロッパ初演でした。
それ以降、チケット入手が難しく、5月28日にやっと観ることができました。
初演から13回目の上演でした。

プログラムの中にあらすじが英語でも出ています(3ページ)。

上記左ページにある写真はステージ上に出ていたポスター。大スターとなったドロシーが出演するミュージカルのポスターです。

ミュージカル《トッツィー》でも、信念を貫こうとするがために衝突ばかりする俳優、何をやっても上手くいかない女優の卵、傲慢な監督やエージェント、セクハラ、パワハラ、友情、恋・・・様々な要素をぎっしり詰め込み、ハイテンポで進んでいきます。休憩を挟んで約3時間があっという間です。

ミュージカルは映画と違い「生」なので、あれだけのセリフ、歌と演技、踊り(これも映画にはない)をこなすのは並大抵ではない。

その意味で、主役のマイケル/ドロシーを演じたアルミン・カールの功績は莫大です。
また、上演中全てをオーガナイズしなければならない指揮者アンドレアス・パルティッラにも大拍手です。


カーテンコール。赤いドレスがジュリー、彼女の向かって左側がマイケル役アルミン・カール。

ステージが暗転したと思ったら、マイケル役カールが早替わりでドロシーになって再登場。観客はやんやの喝采です。

《トッツィー》のテーマは、簡単にいうと、「男だとチャンスがなかったけれど、女になってみたら大成功した。しかし成功よりも愛が大事で男に戻る」のですが、実社会では女だと・・・チャンスが(少)ない、同じ仕事でも男より賃金が少ない、男と暮らしてみたら、子供を産んでみたら、女の方がはるかに負担が多い、やっと子育ても終わったかと思ったら、介護、孫の面倒を、しかもボランティアでやらされるのも多くの場合が女・・・

トッツィーはドラァグクイーンではなく、女性として成功するわけで、アイデンティティーの基本に二者択一の性別を所与の条件として疑っていません。だからコメディーとして成立しているとも言えるのですが、実社会とは大きく違います。

映画《トッツィー》の公開時、ダスティン・ホフマンがインタヴューでこう言っていたのを覚えています(ただ、40年も前のことなので表現は正確ではないと思いますが)。

「女性の格好をして街に出たら、男の格好をしていた時とは全く違うことを初めてたくさん感じ、経験した」というものです。

つまり、違う立場に、相手の立場になってみないとわからない。

映画が出た1982年から40年が経ち、世界は大きく変わりました。特にハリウッドのMeTooの影響はとても大きい。

そんなことをあれこれ思いながら観たミュージカル《トッツィー》でした。


以下、プログラム中の写真です。

FOTO:©️Kishi




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