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オペラの記録:バイロイト・バロック・フェスティヴァル、ヘンデル作曲《フラーヴィオ、ロンバルディアの王》プレミエ(9月7日、バイロイト辺境伯歌劇場)

バイロイト・バロック・フェスティヴァルが始まりました(9月7〜17日)。
9月7日、ヘンデル作曲《フラーヴィオ》の新制作初日を観ました。

昨年の公演と辺境伯歌劇場については以下の投稿をご覧ください。→

辺境伯歌劇場の前に人々が集まっています。

歌劇場内部。

プログラム。

《フラーヴィオ》の世界初演は1723年、ロンドンでした。ヘンデル作品の中でも上演が珍しい作品です。
この作品の背後には長年にわたって続くトーリー党とホイッグ党の争いがあります。つまり旧教と新教の闘争でもあります。
当時の観客はこの作品の登場人物の誰が、実在の人物のカリカチュアであったか、みんなピンときた風刺劇でした。
ですから、かなり際どい作品とも言えます。

さらに、当時の歌手たちのほとんどがイタリア出身、つまりカトリックだったことも上演を難しくしました。
ですが、当時の大ソプラノ、フランチェスカ・クッツォーニを起用しています。

1723年の世界初演以降早くも人気レパートリーから消え、20世紀後半になって、やっと小さな劇場で採り上げるようになっています。

作品は横恋慕、策略、嫉妬をコミカルに描く中に、ロターリオ(フラーヴィオ王の顧問官)が自分の娘(エミーリア)の恋人グイドに殺されるという残酷な出来事が核になっており、その点においてモーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》を少し彷彿とさせました。

FOTO: ©️Kishi


以下はフェスティヴァル提供の写真。

© Bayreuth Baroque / Falk von Traubenberg
© Bayreuth Baroque / Falk von Traubenberg
© Bayreuth Baroque / Falk von Traubenberg
© Bayreuth Baroque / Clemens Manser
© Bayreuth Baroque / Clemens Manser


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代表:来住 千保美(Chihomi Kishi)
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ご興味のある方は以下の投稿をご覧ください。


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