![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104909045/rectangle_large_type_2_2bc30ace3be75b43c18303108871b48d.jpg?width=1200)
Mozartfest Augsburg 06.05.23 アウクスブルク・モーツァルトフェスト、コンサートの記録:ユロフスキ指揮ベルリン放送響(5月6日、アウクスブルク、コングレス・アム・パーク)
アウクスブルク・モーツァルトフェストが始まりました(5月5日〜5月21日)。
アウクスブルクはドイツ・バイエルン州の町、ロマンティック街道の中心地として有名です。見どころがたくさんあります。
その歴史は紀元15年に遡り、その名前もローマ皇帝アウグストゥスに因んでいます。
歴史的に軍事的・経済的に重要な町でした。
例えばイタリアのメディチ家と並ぶ中世の大富豪フッガー家の本拠でした。
フッガー家はヨーロッパの北と南を結ぶアウクスブルクで金融の担い手でした。1540年には証券取引所が作られています。
フッガー家は戦費調達はもちろん、ローマ法王にも大きな影響を及ぼしました。
一方で、1519年、貧民のための世界初の福祉施設住宅も建設し、現在も使われています(Fuggerei フッゲライ)。
さて、アウクスブルク出身として有名な文化人にはベルトルト・ブレヒトとモーツァルトの父レオポルト・モーツァルトがいます。
ヴォルフガング・モーツァルトはオーストリアのザルツブルクに生まれ、ウィーンで亡くなりました。しかし、本人は「僕はドイツ人」と書いています。そのヴォルフガングのルーツでもあるアウクスブルクではモーツァルトの名前を冠した音楽祭『モーツァルトフェスト・アウクスブルク』を毎年開催しています。
2日目の5月6日にはベルリン放送響が首席指揮者ウラディミール・ユロフスキの指揮で登場しました。
ベルリン放送響は今年創立100年を迎えます。
またユロフスキはバイエルン州立オペラの音楽総監督も務めます。
ミュンヘンのバイエルン州立オペラは現在他に並ぶもののない『最優秀オペラハウス』で、今年創立500年になります。
コンサート会場のコングレス・アム・パーク。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104909065/picture_pc_3f005cc0cd1f9b1f05e7d46029f3a3bb.png?width=1200)
フォワイエ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104909063/picture_pc_d6aacaa030ae61899faa487f079f03d7.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104909066/picture_pc_79afa4029c167407a48082f8d927e207.jpg?width=1200)
モーツァルトフェスト全体のプログラム。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104909070/picture_pc_ce1c1bdc24a25b58b18eaf48557a90ff.jpg?width=1200)
この夜のプログラム。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104909073/picture_pc_3cc304a57f6784356e8036db9200b952.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104909078/picture_pc_9e38c7599bce5c233f68a499ee797656.jpg?width=1200)
まずモーツァルトのオペラ《ドン・ジョヴァンニ》序曲ですが、この選曲には当然、モーツァルトの父レオポルトが背景にあると思いました。
ヴォルフガングは終生、父との関係に苦しみました。《ドン・ジョヴァンニ》にはそれが色濃く反映しているという解釈があります。
ミロシュ・フォアマンの映画《アマデウス》でもフォアマンはその解釈に立脚しています。この映画の中で、モーツァルトに《レクイエム》作曲を依頼する謎の人物(仮面とマントの人物)が現れる時には《ドン・ジョヴァンニ》序曲の冒頭のニ短調トニカが鳴り響きます。
モーツァルトでは調性が大きな意味を持ちます。まず短調が非常に少ない。もっともこれはこの時代の傾向でもありました。
しかしモーツァルトにおいては短調の使い方が際立っているのです。
特にニ短調、これは人間界を超えたデモーニッシュな出来事や存在の象徴となっています。
《ドン・ジョヴァンニ》序曲はニ短調トニカの後に、騎士長(=レオポルト)の死が描かれます。
しかし一方でモーツァルトは『私小説的作曲家』ではありません。
そんなことを考えながら、デモーニッシュな音楽に耳を傾けました。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104909083/picture_pc_30fc3561877430f5662e9a943fab9e8c.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/104909085/picture_pc_81221f4ea0235a68088124e9c8dfc945.jpg?width=1200)
FOTO:©️Kishi
♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪
カルチャー・コンサルティングについてのお尋ね、ご連絡は以下までどうぞ。
Kishi Culture & Media Consulting Companie UG
代表:来住 千保美(Chihomi Kishi)
info@kcmc-music.com
ご興味のある方は以下の投稿をご覧ください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?