【全サラリーマン共通】休業手当と雇用調整助成金②

前回、「休業=企業が休業手当を払う義務ではない」というお話をしてきました。今回はその休業手当に対する助成金「雇用調整助成金」について話をしていきます。

▼「9割補償、10割補償」の誤解
これ、多くの方が勘違いしていますが、政府が発表している9割とか10割とかって企業が支払った休業手当に対する補償の割合であって、あなたの給与の9割とか10割って話ではないですよ!

「ウチの会社は政府から9割もらってるはずなのに、自分たちには6割しか支払わないなんてヒドイ!」とか言ってる方もいますが、残念ながら完全に勘違いです。まぁ、政府の発表の仕方やメディアの責任も大きいですが。

▼企業が休業手当を払わない(払えない)理由
どちらにしても、助成金があるなら企業は休業手当をちゃんと払えばいいじゃないかと思う方がいますが、これも大いなる誤解があります。
この雇用調整助成金、最大の欠点は「もらった助成金から休業手当を支払うのではなく、休業手当を先に支払ってから申請を行う」ということです。

つまり、手元に現金がなければ机上の空論で払えるはずもありません。仮に支払えたとしても、申請していつ入金されるかわからない(数か月単位)ので助成金をもらう前に倒産してしまう危険性があります。
この制度を当てにしたために倒産って本末転倒ですよね。。。

▼そもそも申請が通らない!?
これは既にニュースにもなってますが、この雇用調整助成金の申請が本当に通るのかが不透明な状況です。
数千件の申請に対し数十件しか受理されていなかったり、実際に社労士の先生と一緒に申請しに行ったのに却下された、などの事例も出ており、企業側としては「そもそもこの助成金が当てになるのかすらわからない」という状況です。

資金繰りの面で問題がある仕組みなのに、申請が通るかどうかすら不明とかもう企業側としてはただのギャンブルです。

▼個人向けの休業補償の制度が創設?
5/15にようやく個人申請の休業補償制度を創る、と発表されました。
こちらについては詳細が発表され次第、解説していきたいと思います。

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