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五平餅の棒がどこで作られているか知った日、雨が少し好きになりました。

とあるお仕事で、豊田原木流通センターにお邪魔しました。ここはいわば、材木の市場。小雨降る中、切りたての木々がどんどん運ばれていました。

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棒にされ山に積まれた木々と、電線後ろに生え茂る木々と同じものに見えないなぁなんて考えていました。流通センターの傍に材木加工場があります、立ち寄ってみると森林組合の方たちが、楽しそうに平たい木の棒をたくさん作ってました。まさに、これが五平餅の棒とのこと。

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豊田市といえば、昔ながらの喫茶店でもお土産屋さんでも食べられる五平餅。大きな小判型で、くるみ味噌や生姜の効いた甘辛味噌が美味しくて大好物です。五平餅のこだわりはどれだけでも書けるのですが、それはまた別の機会に。

五平餅の棒、杉の木を切り出して薄くスライスし、ささくれや節のないきれいな部分を束ねていきます。ロットが少ないため、すべて手作業。木を切っていたおじさんが「口に入れるものだから、木の香りとか柔らかさとか温もりを感じてほしい。全然、儲からない仕事だけどね。」と苦笑してました。その笑顔が本当に素敵で。

五平餅の棒が木でできていることは知っていました。でも、部品となった木が、森から来て、人が丁寧に加工して私の手元に来ていることを考えると、甘辛い部分も棒も合わせてご馳走に思えてきます。自然の中で育ったものを頂いて、大切に人の手をかけて届けられている、その手のみに価値を支払いたいと思う今日でした。五平餅の棒となる杉が、スクスク育ちますように。雨に日は好きじゃないですが、木のことを思うと雨も大切。優しい小雨の日が愛おしく感じました。



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