山中千尋(ろひちかなまや)

ピアニストです。文章もときどき書いています。

山中千尋(ろひちかなまや)

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最近の記事

自分を探して

英語が話せるってすごくいい だって英語で話す時の自分はまるで別人格 自信たっぷり、主張はっきり、すっごくポジティブ かつて起こったトラウマだって 英語で話す時には上書きされていく あれはポルトガル語の自分に起こった 可哀想な出来事だって🤣🤣🤣 ポルトガル人のコメディアンが インスタ投稿から語りかけてきた話☝️ すごく笑った ほんとうに事実 英語人格に変わるとなぜか 母国語で話す自分にマウントを取り始める 他の言語で話す時とは別の 強い味方がつくような錯覚が…… そんな状

    • これから

      能登半島大地震の被災された皆さまの大変お辛い現状が少しずつ分かってきて、こんなに寒い日々を助けも水も食べものもなく、どう過ごされていらっしゃるのか、気がかりでありません。救助がいきわたりますよう、少しでも早い復興が進みますよう、自分のできることを最大限ご協力していきます。皆さまがどうかご無事でありますよう、心よりお祈り申し上げます。 どう生きたいか、どう表現したいか、何を大切にするか、何に命をかけるか、ということに、今まで以上に真剣に向き合い、自分の可能性を伸ばすべく、必死

      • 2024年

        たくさんのファンの皆さま、友人に恵まれて2024年を迎えることができました。いつも多大な応援を賜りまして誠に有難うございます。のびのびになっていたYouTubeチャンネルを先日開設させていただきました。今年は有言実行でいきたいと思います。(政治家の文言みたいですが……) https://youtu.be/op6So_vlZBk?si=U259iqdnO7HS1nyR 本日元旦は一粒万倍日と天赦日と天恩日が重なる最高な幸運日。お参りにはバーチャルで構わないそうです。外国にいる

        • 近況です

          12/27の未明から高熱の風邪で声がまったくでなくなってしまいました。39.2℃ほどあり、コロナ、インフルエンザの検査を受けました。ともに陰性でしたので本当に良かったです。強い解熱剤(アメリカ製)のおかげで38.7℃まで下がってきました。今年の猛暑を乗り切った身体はこのくらいの熱、なんでもないです。。。と言いつつ文章を書いていたらめまいがしてきたのでここで終わりにします。 上記の理由により、今週のいつだってT-Timeは過去からの再放送となります。大変申し訳ございません。ご

          おだちんぼ

          インスタライブ、ご視聴誠にありがとうございました。わたしの壊れている部分がだんだん滲み出てきていて、こんなにさらけ出していいのかと、猛省しております。見苦しいものを申し訳ありません。 親戚の集まったときに歌って踊りまくっていたら「ちひろちゃんは、おだちんぼだからねぇ。大きくなったらどないさ(どんな人間に)なるんだろう」といつも案じられていました。不吉な予感が見事的中してしまったインスタライブでした。 皆さま、これからもよろしくお願いします。

          それいゆ

          中原昌也、中原中也、そしてもう一人 世界3大中原の一人である 中原淳一、その展覧会に行ってきました。 (敬称略) 中原淳一の….と展覧会の話を 書こうとしましたが、 急に「中原昌也も中原淳一も 芸術的才能、絵、文章も哲学もすごいのに それに比べて、中也は今ひとつだなぁ、 中也は絵の一つも描かんのか! 斎藤秀雄、 あ、じゃなくて 小林秀雄と揉めたくらいしかしとらんのか!」 と検索したら、この詩が出てきました。 トタンがセンベイ食べて 春の日の夕暮は穏かです アンダースローさ

          赤い靴

          倉敷ジャズストリート、倉敷アヴェニュウにお越し賜りましたお客さま、誠にありがとうございました。皆さまに演奏をお聴きいただけて、感謝の気持ちでいっぱいです。 アヴェニュウのリハーサルの後に、急に曲が頭の中に降りてきました。音楽がふと浮かぶことは頻繁にありますが「本当に書きたい曲ならば、また思い出すし」とたいてい何もせずに放置します。そして、記憶がよみがえってきた時に書きとめます。 でもアヴェニュウの演奏前に降りてきた曲は 「Écoute, écoute, ce moment

          死んだ男の残したものは

          戦禍が続いています。 殺人は最も重い罪なのに 国が命を奪うことは正しいとされる 争いは恨みしか残さない そしてまた戦争が始まる 正義の名のもとに続く殺戮を 黙って見ているしかないもどかしさ わたしもきっと戦争に加担している一人 毎日を生きていくのに精いっぱいと言い訳して ごめんなさい 本当にごめんなさい どうか生きのびてください 平和のためとうそぶいて 戦争させる愚かしさから どうか逃げきってください 生きて不甲斐ないわたしを どうぞ激しくなじってください わたしは今日も

          死んだ男の残したものは

          出るとこ

          最近は、カフェやレストランがある美術館が多い。美術館のカフェはおしゃれで、混みすぎていなくて、和やかな雰囲気。 女性客が大半。会話を楽しんでいる。 美意識が高く、おしゃれ人ばかり。 そんな空間にくっきりと聞こえてきたのは、 わたしの愛する西の言葉たち。 隣のテーブルで会話が弾んでいる。   A: 孫にお見合いの話が来たんよ B:あんたのお孫さん、シュッとしたイケメンで3高やからね。どんな人? A:もうびっくりよ。写真見たらめちゃくちゃべっぴんさんやねん。ま、写真は簡単に修正

          明暗

          巨匠となったモジリアーニのデッサンは はるばる大阪まで運ばれ、 美術館に飾られた。 立派な額に入ったデッサンの前で 2人の女性が立ち話を始める。 Aさん:これなんぼ? Bさん:知らんわ。ええ値段やろね。 Aさん:こんなんなら私もすぐに描けるわぁ。 子どもの時からずーっと絵の成績5で 高校は美術部。「女ピカソ」て呼ばれてたんて。 Bさん:あんたそれ「顔がピカソ」言われてたんと違う? Aさん:私がピカソなら、あんたは「ゲルニカ」やね Bさん:なんのしりとりにもなって

          洗濯

          家事の中では洗濯が好きだ。 洗濯機が全部やってくれる。 心が洗われる。気分も良い。 でも今日は衣類や心だけでなく Apple Watchも洗ってしまった。 洗剤にまみれ、しっかりと脱水されて すごくきれいになったはずなのに、Apple Watchはスイッチを押しても真っ黒な画面のままだった。 「洗濯すれば、きれいになると思うなよ」 Apple Watchはいつものように硬かった。 「柔軟剤入れても、関係ないから」 Apple Watchがポケットに入っていることを

          どこ見てるの?

          東京の美術館と大阪の美術館では、鑑賞するお客様の温度がまるで違う。 東京の展覧会は満員電車みたいに混んでいるのに、朝の通勤時みたいにしーんとしている。 時々ひそひそ声がする。虫が枯葉の上を這っているような音量だから、何を言っているのかわからない。面白いことは(たぶん)話していない気がする。 その点、大阪の展覧会は賑やかだ。元気な人多数。新世界みたい。ドヴォルザークの新世界じゃなくて、通天閣が見えるほう。ボケとツッコミが勝負している。関西DNAすごい。 モジリアーニ展では

          マエストロ飯守泰次郎先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます

          飯守泰次郎先生の指揮で「ラプソディ・イン・ブルー」を群馬交響楽団と演奏させていただいたことは、私にとってかけがえのない幸運でした。 泰次郎先生の指揮から生み出されていく途方もない情熱と高揚、荘厳、圧倒的な煌めき、柔らかな情感。先生の創造される音楽の深さの一部分にさせていただいた夢のような時間がずっと心に刻まれています。 「今度はリストをやろうよ!」終演後に先生がお声がけくださったことを急に思い出しました。先生からこぼれた温かくて大きな笑みは、私の音楽人生を照らす輝く星です

          マエストロ飯守泰次郎先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます

          こーぞーとちから

          本棚の奥に「構造と力」がはさまっていた。 「構造と力」はぎっしり詰め込まれた本のなかで、遭難していた。長い時間。「構造と力」の表紙はとても固く、貝のようにみっちりとその殻を閉じている。ぶつけられたら血が出そう。あの勁草書房の書籍ですから。本から出てくるオーラが違いすぎ。 「構造と力」を久しぶりに開くと、読んだ当時は記号みたいだった文章が、ちょっとスノッブな友だちの若かりし頃の日記みたいに感じられた。初めて読んだ当時は難しい外国語をカタカナにしたものがいっぱいのページに、学力

          古書店にて

          練馬区の商店街に古書店を見つけた。古書店の入り口のワゴンには新古書がちらほらとあったけれど、店の奥に入ると天井まである書架には古書店でしか手に入らないような書籍がぎっしりと詰まっていて、沈黙する森の中に迷い込んだ気分になった。レッド・ガーランド・トリオの演奏が流れていることに気づき、呼吸を整える。欲しい本を一冊だけ選ぶことは難しい。 時間を共にして初めて、自分に似合う本がわかる。買ったものの1割あれば上等。 好きだと思った本とは一緒に眠るし、風呂でも読む。朝表紙やページは褪

          音楽

          授業のあと、質問に来てくれた学生と二人で教室を出ると、紺色の立派な制服を着て、たくさんのきらきらした勲章を胸につけた方に話しかけられました。 「自衛隊の者です。今から自衛隊への就職の説明会があります。いらっしゃいませんか?」 とても礼儀正しい感じの良い方でした。学生はやんわりとお断りしていました。 私の学生時代にはこんな風に自衛隊の方からお誘い頂くことはありませんでした。それどころか昔の同級生の多くは就職もせず、先のことなんて何にもあてがない人も多かったかもしれません。私は