プロがプロたる所以は何か?(2024年2月11日X投稿分)

「調香師」は国家資格ではありません。
故に、学びの程度や実績の有無に関わらず「調香師」を名乗ることもできます。
ですから、この肩書きだけでは知識や技術の高さの裏付けとはなりません。

私自身も香料についての専門教育を受けていますが、それのみでは実践において知識や技術が圧倒的に足りないことを、当時は身を持って実感したものです。
私の場合は、専門教育を受けた後、一般企業に在籍して、知識や技術を磨き、実績を積んだ後、独立してフレグランスブランドを立ち上げました。

香水とは、香料を混ぜて芳しい香りができれば良いのではなく、原料、アコードやパフォーマンスを含む調香技術、安全性(規制)、歴史など複合的な知識や技術が必要な製品です。
香水の中身(香料)だけでも上記のような知識が必要です。

特に最近ではリードディフューザーやルームミスト、ファブリックミストといった雑貨品への規制も厳しくなっており、幅広い分野に渡る情報のアップデートも求められます。

香り同士を混ぜ合わせる作業が比較的簡単に見えるのだと思いますが、香水は様々なことを念頭に置いて作る、知識や技術が詰め込まれた製品です。

専門職であればあるほど、企業での従事経験がある人間の方がアクセスしやすいリアルな知識や技術というのは何処の業界でもあるもので、実際に商用として市場に流通させた経験があるからこそ、困難や留意点も身に沁みて分かるのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?