![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/97485112/rectangle_large_type_2_15701edb36237d8ef3692feb6629bec9.jpeg?width=1200)
フレンチビストロを表現するシェルシュが、居酒屋をつくった理由
こんばんは。シェルシュの丸山です。
私たちシェルシュにはフレンチビストロとしての表現が基軸にありますが、一方で日本的な居酒屋である2つのブランドを持っています。
それが、代々木上原と池尻大橋の「LANTERNE」と、東北沢の「ごらく」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1675774981476-u5BikqWufB.jpg?width=1200)
ビストロと居酒屋が結びつかない人も多いようで、「どうしてシェルシュは居酒屋をつくったの?」と聞かれることもあります。
だから改めて、その背景にある想いをここにまとめておこうと思います。
最初に結論から言ってしまうと、日本的なアプローチで世界を魅了したいと考えたからなんです。
フランスで見たビストロは、実は居酒屋そのものだった
シェルシュを立ち上げた当時は、フランスへの強い憧れがありました。
フレンチビストロの料理、お酒、雰囲気を日本に持ってきて表現したいと思っていて、フランス料理への探究を、どのように完成度を高くお客様へ届けるかばかり考えていた気がします。
「MAISON CINQUANTECINQ」と「GRIS」(現在は閉店)を代々木上原に立ち上げた後、度々訪れていたフランスでの気付きや体験を通して、次第に日本で居酒屋的なお店を立ち上げたいと思い至るようになったのですが、そこには大きく2つのきっかけがありました。
ひとつは、フランスに訪れれば訪れるほど、フランスにおけるビストロの存在は、日本における居酒屋に近いのかもしれないと思うようになったこと。
少し背筋を伸ばし、落ち着いた雰囲気の中料理を味わうレストランとは違って、ビストロはカジュアルにフランス料理を味わえ、気軽に利用でき、ワイワイと楽しいムードでテーブルを囲むことができます。
美味しい料理とお酒があり、肩肘はらず、人の笑顔がある。
それこそがビストロであり、居酒屋なのではないかと思いました。
![](https://assets.st-note.com/img/1675774970127-lu4DTFI8Xt.jpg?width=1200)
振り返れば、料理人としてのキャリアの始まりは学生時代のアルバイト、チェーン居酒屋でした。
そのお店はフランチャイズという事もあり、決まったメニューだけじゃなくオリジナルのメニューもたくさん用意していて、丁寧に料理しているお店だった。そこで料理の楽しさを教わったんだ、ということも思い出したんです。
あぁ、自分って居酒屋がすごく好きだったんだな。
そんな気持ちに、まさかフランスで気付かされるとは思ってもいませんでした。
大切だったのは、日本人にしかできない料理での表現
そしてもうひとつ、居酒屋という日本的な表現に立ち返るきっかけとなった体験があります。
それは、現代フランス料理界を代表する料理人と言われるパスカル・バルボ氏のレストラン、「L'Astrance」をパリで訪ねた時のこと。
フレンチ界のエポックメイキング的な存在と言われるこのお店で感動した料理に、和の要素が取り入れられていました。
厨房を見学させてもらうと、そこには日本酒やみりん、醤油など日本の調味料が並ぶコーナーが。
バルボ氏は、日本が好きで、日本からもインスピレーションを受けていると話してくれました。尊敬している人からのそんな言葉が日本人としてとても誇らしかった。
それまでの自分は、和の要素を使わずに、フランス料理をそのまま作りたいと思っていました。それがイケてるんだとぐらい思っていた。
でも大切なのは模倣ではなくて、技術としてのフレンチに、自分のアイデンティティ=日本人であることを掛け合わせた料理だったんです。
バルボ氏との会話が、忘れてはいけないことに気付かせてくれました。
日本の文化に根付いたお店をやるんだ。
フランスに憧れて同じものをつくるんじゃなくて、自分発信でつくり出そう。
海外で活躍する料理仲間が日本に来てくれた時に学びや感動を得られるような、誰かが真似したいと思えるぐらいのお店をつくろう。
スイッチが入り、フランスから帰る飛行機ではひたすらアイデアを練りました。
その末に辿り着いた答えが、居酒屋でした。
そこから、シェルシュらしい居酒屋ってなんだろう?と探究が始まったのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1675775025021-Ju0JPDg3Jn.jpg?width=1200)
そして生まれた、2つのブランドを年月をかけて育てていく
ビストロだろうと居酒屋だろうと、見せ方が違うだけでシェルシュとしての軸は全くブレていません。
料理の基礎をきちんと追求した質の高い料理を、心地よい空間を、カジュアルに提供すること。
居酒屋としての兄弟のようでもある2つのブランドについても、根っこにあるものは同じです。
「LANTERNE」は、唐揚げとハイボールが名物の大衆酒場です。
「パリで居酒屋をやるなら」をイメージしてできたこのお店。唐揚げとハイボールという居酒屋的なものに、いかに私たちのエッセンスを加えられるかを追求しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1675856223226-SYPUCRRz1B.png?width=1200)
「MAISON CINQUANTECINQ」と「GRIS」を代々木上原に立ち上げた後、元々知っていたこの物件の空きを知り、すぐに借りることに決めました。
以前から、同じ代々木上原エリアに別のお店を出すのも良いかもと思っていたためです。
![](https://assets.st-note.com/img/1675774687339-Lav93IcFAd.jpg?width=1200)
それは、フランスのニル通りにある「Frenchie」というお店が印象に残っていたから。
きっかけはまた、フランスにありました。
「Frenchie」は同じ通りにレストランやワインバー、ブーランジェリーやグローサリーストアなど複数の系列店を出していて、どのお店も日常的に親しまれているのはもちろん、点でなく面となってエリアを盛り上げているのがとてもいいなと思っていました。
「ごらく」は、しゃぶしゃぶと厳選したお酒を楽しむことのできる落ち着いた居酒屋です。
元々は老舗おでん屋「おかめ」があった歴史ある場所にオープンしました。
コロナ禍で不安定な時期ではありましたが閉店の張り紙を見て、この場所が刻んできた歴史や責任も含めて引き継ぐことにしました。
![](https://assets.st-note.com/img/1675774631689-vp11NB5jTB.jpg?width=1200)
自分たちのフィルターを通したしゃぶしゃぶは特別なはず。
信頼できる農家さんやお肉屋さんの素材そのものを味わえて、日本の旬も伝えていける良さが、しゃぶしゃぶにはあると思っています。
それはきっと、海外の方にも喜んでもらえる日本らしいお店であるはず。
コロナ禍に始まったこの店は、飲食店の在り方を改めて考えさせてくれた、私たちにとっても希望のような存在です。
「LANTERNE」と「ごらく」については、また別の機会にnoteで書きたいなと思っています。
どちらもまだまだ始まったばかり。これから20年先を見越して、大切に大切に育てていきます。
長くなりましたが、以上がシェルシュが居酒屋をつくった理由です。
【RECRUIT】
■LANTERNE 代々木上原店/池尻大橋店
■ごらく
私達は居酒屋文化という日本特有のカテゴリーに敬意を持っています。
このお店をもっと多くの人に発信し、そして世界をも魅了する、シェルシュらしい居酒屋をつくっていく仲間を探しています。
キッチンスタッフ、サービススタッフどちらも募集中。
ご質問等は下記までお気軽にお問合せ下さい。
採用担当/足澤 tarusawa@chercheinc.jp
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?