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ハッピー・バレー 復讐の町

Happy Valley(イギリス/2014~)

これまたふわっとした邦題が付いていますが、決して復讐劇ではないので、邦題はスルーしましょう(笑)
うっかり深夜に配信の視聴をスタートしてしまったら最後、徹夜ルート突入の沼ドラマです。
続きが気になって、やめられないとまらない。

主人公は元刑事の警官、キャサリン。
序盤はのどかな田舎町のささいな事件からはじまります。
うっかり油断していると、急転直下、突然足元に出現した真っ暗な穴に落ちるように、物語に引きずり込まれていきます。

ドラマがよくできていればいるほど、物語を通じて視聴者は自らの過去に思いをはせたり、いつのまにかドラマの登場人物に自身を投影し、自分だったらどうするだろう、どうすればよかったのだろう、と考えはじめます。

ひとつずつ、少しずつ、こつこつと刻むように、登場人物達の心情が描かれていきます。

彼のいきさつ。彼女の背景。闇に陥っていく過程。
リアルに、つぶさに見せられるので、白か、黒か、と単純に答えを出せない迷宮にはまっていきます。

家族であっても、友人であっても、恋人であっても、どんなに良い関係を築きたい、と互いに願っていたとしても、かみあわず、すれ違い、ぶつかり、傷ついていく描写も見事です。

ひたひたと侵食してくるような、狂気の描き方も秀逸過ぎて、息を呑んで物語の進行を見つめるばかりです。

見ていて、決して心沸き立つドラマではなく、重いのに、つらいのに、目が離せない。

練り上げられた物語に加えて、現実の社会問題や時事問題もがっちりとからめて、たたみかけるようにぐいぐいと視聴者の心に食い込んできます。

登場するすべての俳優の演技も素晴らしく、ただただ魅入られて、はまりこみ、時の経つのを忘れ、自宅にいながら、ハッピー・バレーでキャサリンとひとときを過ごしたような心地を味わうことになります。

派手な演出やCGを使わなくても、これほどまでに、人の心を鷲掴みにし、夢中にさせるドラマを作ることができる、と証明した傑作です。

この作品で、サラ・ランカシャーさんのファンになりました!

ライアン役の子役、リース・コナーも素晴らしい演技を見せています。


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