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フィルム写真は自分の為に

 近年、フィルムカメラや写真が再熱していると聞きます。私自身も祖母や父から受け継いだフィルムカメラを数台保有していますし、時折使用しています。最近は特に使用頻度が高くなっていて、仕事以外ではもっぱらフィルムで取ることが多くなっているのです。
 ところで、なぜフィルムが再熱しているのか。デジタルへの飽きだと分析している記事もありましたし、個人的にはSNSで特有の色合いが目立つからとかもあるのかなと思いました。
 さて、今回はそんなフィルムカメラ、および写真について考えていることを語らせていただきます。あくまで個人的意見であることをご理解の上、お付き合いいただけると幸いです。


フィルムの嘘

 まず、最初に考えている本音を言うとSNSで見るフィルム写真ってスキャナーでスキャンしているのでデジタルじゃない?と考えています。デジタル世代の私達が思う色や粒状感ってスキャナーのそれでしょ!あるいはトイカメラとかオールドレンズのそれでしょ!って思うのです。私はモノクロもカラーも暗室経験がありますが印画紙でないと出せない特有の風合いがありました。
 参考までにスキャナーのデータと暗室プリントの複写を掲載することにしました。照明などで色合いに差が出てしまっていますが粒状感とか階調については若干見れるかと思います。

スキャナー
プリントを複写したもの

それでもフィルムを名乗るために(Myルール)

 そこで私はSNSでフィルム写真をあげるときに自分でルールを決めました。それは基本的に写真屋さんでもらったデータそのままで出す。いじるのも角度だけ。それを超えたらフィルムとは言わない。そうしたタグなどをつけない。
 このルールを私は自身に科しています。もちろん押し付ける気はありませんが考える参考になれば幸いです。

私がフィルムで撮るわけ

 そんな縛りを設けてまでなぜフィルムで撮るのか。そこにも幾つかの理由があります。
 1つ目は撮影している実感を得やすいことです。重みとでも言うのでしょうか。フィルムカメラのシャッターを切る時、肉体的にも精神的にも重みを感じられるのです。経験者にしか伝わりにくいあの感じが好きで使っているというのが1つ目の理由です。
 2つ目は1枚の重みです。フィルムは基本的な物だと1本で36枚撮影できます。そんな1本で現在1500~4000円ぐらいでした。最低でも1枚40円以上。そこに現像代なども加わると一枚100円程度になりそうです。そんな金銭的重みや一回交換するまでに撮れる枚数という制限。撮り終わって現像するまで中身が見れないということなどから一枚にかける集中力が段違いになります。
 3つ目は訓練としての側面です。デジタルでしがちな枚数に頼った雑な撮影を矯正するのにとても役立ちます。一枚が重いため、一枚一枚に集中する力を育てるのにもってこいなのです。さらに写真の基礎が詰まっているため理屈を体で覚えるのに役立ちます。暗室も色の原理の基礎を覚えるのにとても役立ちました。これらの訓練で覚えたことはデジタルでも大いに活躍したのです。

 結論、私は自分のためにフィルムで撮影しています。特に最近、スランプで写真を撮っていなかったので再訓練の為に握っている側面もあります。
 フィルム写真について色々と意見はあると思いますがあなた自身が考えるフィルム写真を撮って頂きたいと思いました。それを考える上で参考になれば幸いです。

余談

 今、CONTAX T3にPORTRA800を装填しているのですがISO800って扱いが難しいですね・・・ しかもお値段が高かった。
 その場のノリでフィルムを入れないことをお勧めします。フィルム選びは目的に合わせて慎重に。

作例など

少し前に発表したフィルムで自販機をとったシリーズ(参考にして頂けるよう、フィルムを追加記載しました。)

そしてそのシリーズを撮った経緯についての記事です。

ぜひご覧ください。

CONTAX T3
フジカラー SUPERIA PREMIUM 400
Nikon FM  
AF-N 28-70/3.5-4.5 D
富士フイルム 業務用100
kodak製RCペーパー
FUJIFILM X-T4にXF60mm Macro で複写したもの
CONTAX T3
Kodak 400TX

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