カカシ
田んぼ に ひとり
いるんだ
番をしているんだ
でも
ぼくには 向いていない
かわいい鳥たち
何を話しているのか
わからないけれど
ケンカしてるときも
あるかもしれないけれど
なんだか楽しそうなんだ
少しだけかな 食べればいいよ
少しだけかな 食べてはいけないよ
両方なんだ
どうせ ぼくは
動けやしない
季節が終われば また
納屋(なや)の中
でもね
いったい ぼくは
いくつになった
おじいさん と おばあさん は
年をとり
今は孫世代が
大きな機械を動かしている
いつまで ぼくは
ここに いれるの
何度も 着替えさせてもらって
笠も新しくなったけれど
また季節がきたら
会いたいよ
みんなに
会いたいよ
それまで
納屋の すき間から見ているよ
少しの願いを こめて
ぼくが いる間は
いや
ぼくの 次
そのまた次の かかし達も
ずっと
見れますようにと
この
美しい日本の四季が
見れますように
つづきますように と
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