見出し画像

二十歳の未来風景(詩)


 さびれた中古の車で

 今は浜辺

 歩きにくい岩が

 たくさんあるところ

 カニと同じに歩く

 ドアの鍵もかけないで

 海に近づこうと

 必死の君は

 白のシャツのすそを

 なびかせた

 背中のまま

 カニと同じに歩く

 私のことなんか気にもせず

 海に近づこうと

 している君は

 誰より早く

 その波に触れて遊ぶ


 そんな君だから好きです


 不意に

 私の名を呼んだ

 今日は二人で

 魚になる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?