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デザイン力のブレイクスルーを実感した2つのきっかけ

わたしが新米デザイナーだったころ。
本当にたくさんたくさん悩みました。どうしたらもっとよいデザインができるか、どうしたら一人前のデザイナーになれるか、どこがよいデザインと違うのか。

どうやってそこから抜け出したのかというと、もちろん日々の積み重ねもありますが、ここで書くのはもっと「衝撃的」な経験です。みなさんも、「ブレイクスルー」を感じるような経験はあるでしょうか?わたしは少なくても2回、そんな経験をしました。

デザイナー1〜2年目くらいの時に、デザイン力が確実に上がったなと実感するきっかけになった経験をご紹介したいと思います。



1)参考サイトをひたすら評価したら、良し悪しが分かるようになった

まず初めに試した方法は、参考サイトを見まくることです。わたしはWEBのデザインをしていたので「WEBサイト」を見まくっていましたが、他のデザインでも同じです。自分が作りたいデザインの参考になりそうなものを探します。

多くの方がすでにチャレンジしている方法かもしれませんが、これは本当に効果的でした。
(今思えばやって当たり前のステップです!よいインプットがなければ、よいアウトプットもできません!)

ポイントは1つや2つのデザインをなんとなく見るのではなく、「どこがよいか?」「なぜよいか?」「もし直すとしたらどうするか?」という3つに絞ってひたすら「出来るだけたくさん評価する」です。

わたしの場合は毎朝15分間、1度に10〜15サイトくらいを評価しまくるという作業を半年くらい続けたと思います。この時点ではインプットする量が大事だと思っていたので、細かい分析はせずにとにかく数を見るようにしていました。

しばらく続けていると「”なんとなく”よい」が、「”○○だから”よい」とはっきりと分かるようになり、「”なぜ”よくないか」が見えるようになりました。結果的に自分のデザインがイマイチな時も、自分で分析して修正することができるようになったので、だいぶデザイン作業が楽になったと思います。

例えば他にも、それまでは先輩デザイナーにダメ出しをされた時に「なぜそう言われているのか」分からなかったようなことが、理解できるようになりました。

初めは、インプットが少ないからもっと量を増やしてみよう、くらいの気持ちでしたが、確実にデザイン力が上がったと思います。

まとめ
● 毎日時間を決めて、たくさん参考デザインを見まくる
● 3つのポイントで評価する「どこがよいか?」「なぜよいか?」「もし直すとしたらどうするか?」
● 自分のアウトプットを評価できるようになる


2)クライアントと直接話したら、どんなデザインを求められているかクリアになった

次にブレイクスルーしたなと実感したきっかけは、クライアントと直接やりとりするようになってからです。

それまではディレクターから「デザインのイメージ」を共有されていましたが、それはクライアントから聞いた内容を解釈してデザイナーに伝言ゲームしていたわけですから、自分で直接聞いた方がその場でイメージをすり合わせられるので認識のズレも少なくなります。

でも、それ以上にデザイン力を上げることができた理由は他にあります。

直接話すと、会社の雰囲気やブランドのイメージ、担当者さんの熱量、大事にしていること、実はそんなに必要ないこと、さらにはどんな方が関わっているか・・など、今まで見えていなかった些細なヒントがたんさん散らばっていたんです。

その些細なヒントが、実はデザインにはとっても重要でした。

そのヒントを寄せ集めると、ぼんやりしていた事業(もしくはブランドやサービス)の輪郭がどんどん浮かび上がってきます。すると、クライアントが何を考え、どういったゴールを見据えているか、より具体的に、より深いところまで理解することができるようになります。

結果として何を伝え、どう表現するべきか、どんなアウトプットが求められているのか、よりクリアに考えることができるようになりました。クライアントと同じような目線に立って考えることが重要だったんです。

これに気づくことができた時、「デザインは目的ではなく手段だ」ということがスッと理解できました。

「デザインの本質を知る」ことで、デザイン力がぐーーんと伸びたことを実感した経験です。

まとめ
● クライアントと直接話すと、今まで見えなかったヒントが散らばっている
● デザインは、その根本にある事業やサービスを理解することから始まる
● デザインは、目的ではなく手段である


おまけ)背後から社長の声「影の付け方がまだ甘いな・・」でハッとした経験

もう、それなりにデザイナーとして仕事をしていた頃です。
知名度の高いインポートブランドのアプリデザインをしていたわたしは、「ブランドイメージに合ったいいデザインができそうだ」と、意気揚々とデザイン作業を進めていました。

社内をうろうろーとしていた社長が、わたしの背後で一言「影の付け方がまだ甘いな・・」とつぶやいて去って行きました。

わたしの会社の創業者でもある社長は、もともと画家という経歴を持ち、今でも現役バリバリでプロジェクトに関わるような人物です。

普段はあまり作業者の横からデザインに意見するようなタイプではないので、わたしはハッとしました。慌てて、自分のデザインをよく見直して、さらには参考になりそうなデザインを探しまくって、いろいろと試行錯誤の上に「何が甘かったのか」を見つけ出して修正した記憶があります。

結果的に、初めのデザインと修正後のデザインを比較すると、断然よくなっていました。社長の一言によって、クオリティが一気にあがったことになります。

「衝撃的」なブレイクスルーのきっかけほどではないけれど、わたしにとって印象的な出来ごとでした。

誰かに意見を聞いてみることも、知らなかった自分の癖とか、新しい視点の発見などたくさんヒントがあるので、スキルアップの助けになるかもしれません。


まとめ

今回はわたしが新米デザイナーの頃に経験した実体験を書きました。他にもデザイン力の向上につながる方法はたくさんあると思いますが、ひとつの事例としてデザインのヒントとなれば幸いです。


最後までお読みいただきありがとうございます。

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