《ものおもい日記》0714*いいじゃん、大人ぶらせてよ。
日記書こうとしたけど、時間が経ちすぎてしまった。今は土曜日の深夜。そろそろ日曜日になる。
今日は動画収録。明日は地元の可愛い友人と会う。昨日は楽しいインターン。その前の日は…夢が叶った。
2022年の最初、手帳の1ページ目、ウィッシュリスト100の1番目に書いたもの。
「新宿のmoon coffee salonに行く」
たったこれだけに思えるが、1年間ずっと行きたいと願って行けなかったお店に行くことは、もうもはや憧れの領域だった。
大学1年の時、オフィスに向かう銀座線で見かけた綺麗なお姉さんが持っていたカービングトライブスに憧れを抱いたのと同じ感じ。
憧れになってしまうと目標は明確なのに、いざ行動しようとすると「本当にこれでいい?」「見合う私になれてる?」と意気込んでしまうのは何故なんだろうか。
あまりに意気込みすぎて、行くまでに1年半かかったけど、ようやく夢が叶った。
moon coffee salonは、新宿にあるとは言えど、新宿御苑の方にあるので、新宿駅からは徒歩20分ほどかかる。
そして何よりも不定期営業かつ、おひとり様を推奨しているお店である。
たまたま新宿で、ヒカリテラスの子と会う予定がある日に、moon coffee salonがやっている!ついでに言うと、その日は山羊座の満月!
山羊座生まれの私は、そのチャンスを運命だと思うしか無かった。
ザーザーの雨の日。こんなに雨が降るなんて知らない私は、小さなミント色の折り畳み傘をさしてお店に向かった。
6cmヒールでガツガツと、Googleマップを10秒おきに見ながら、歩いていく。
迷った。本来16:10に着くはずが、到着したのは16:40。お店は既に満席だった。
店主の方は「ごめんなさい、今満席で…。少し待ってもらってもいいですか?」と言った。
まぁそうだよなぁ…と思いながら頷き、雨音と車が走る音、漏れ出す店内のBGMを聞きながら、ぼぉうっとした。
すると「良かったらこれでも飲んで、待っててくださいね!」とハーブティーを手渡してくれた。
爽やかな甘い香り。梨っぽい瑞々しい感じ、お花も感じる。
フゥとひと息ついたら、お店に入れてくれた。
食器のカチャカチャの音、コーヒーマシンの厳かな音、そしてパリの一室のような可愛い店内。
これが憧れてたお店なんだ!とソワソワしてしまった。
注文したのは、ラムレーズンアイスクリームとコーヒーゼリーのパフェとブレンドコーヒー。
大人ぶりたかったのだ。
ブラックコーヒーもそんなに飲まないし、ラムレーズンなんて選ばない。
だけど、憧れてた場所だからか大人ぶってしまった。大人ぶった選択は正解だった。
コーヒーサロンと言うだけあって、ブラックでそのものの味を楽しめた。苦味ずっしり、コクがまろっと。好きなやつです。
ラムレーズンアイスクリームとコーヒーゼリーの組み合わせは、私にとって初体験。
ラムが鼻から抜けるってこういうことかと学び、
ラムレーズンの大人な甘酸っぱいと、バニラの柔らかい甘いが、とろんとほろ酔い気分にさせてくれる。
でもコーヒーゼリーは、コーヒーがまろっと奥深く、そして強くて、目を覚まさせてくれる。気持ちいい朝を迎えた感じ。
これは。。。美味しい。。。
正直、カフェに2300円なんて、大学生にはちょっと高い出費。
でも、この感動と非日常を味わうには、全く高くない。
せっかくなら、おひとり様2300円を味わい尽くそうではないか!と思い、新宿駅で本を買った。
無ければ無いで、文献でも読もうかと思っていたのだけど、パラパラと本を眺めて、綺麗な言葉が目に入ったので買った。
「きみはなぜ、まぶたを閉じて生きると決めたの」
『あとは切手を、一枚貼るだけ』という男女が送り合う14通の手紙で構成された書簡小説。
奇数回で小川さんが書かれている文章がとても澄み渡って綺麗で、偶数回で堀江さんが書かれている文章が知識と隠された思いが深くて。
儚くて、寂しくて、でも芯は温かくて、優しい。そんな感じ。(まだ全部読み切れてない。)
本の感想には「難解だ」「読み解くのが難しい」と書かれていた。実際難しい。
でもあとがきの対談を読んでみると、実は…ということがわかる。
本の中で手紙で繋がっている2人は、愛し合っているけど離ればなれで、美しい2人なのだが、
そこまで難解な想いが詰まってるのかと言われたから、そういうことでもないのかもしれない。
(ちなみに最後まで読み切れてない。)
何かを隠しているんじゃないか、裏に何かあるんじゃないかと思い、掘り起こすことは誰しも経験はあるだろう。
子どもの頃は、必ず発見があり、宝物があって、掘り起こしてよかったとなる。
でも大人になるにつれて、掘り起こしても掘り起こしても、なんにもないことだってある。
難しいことを考えたり、発見したりするのが大人だと思っていたけど、ぶっちゃけそんなことも無いのだと、大人初心者は学んだ。
難しい思考を回したフリをして、「あぁこの言葉心地好いな、ふふふ」と思うのが、大人なのかもしれない。
大人ぶりたいだけ。
夢が叶って、大人なんてこんなもんかと思って、でも大人ぶりたくて。そんな1日。
moon coffee salonを後にして、ぎゅうぎゅう詰めの埼京線に乗って帰る。
最寄り駅についても雨。
霧雨だから、濡れたら気持ちいいんじゃないかと思い、折り畳み傘をしまって、歩いた。
前髪から滴り落ちる雫が、まぶたをつたって、涙のようになった。なんか嫌だ。
でも、大きく息を吸って、吐いて、
『今日は大人を楽しめた!』
と満足気な口角。
それと比例するように、パンパンなふくらはぎ。
私は大人になったのだ。
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