見出し画像

ケアマネ実習指導での気付き③ ケアマネ育成には手間とコストがかかりすぎる

おはようございます、ちはるです。

少し間が空いてしまいましたが、以前書いた記事の続きです。

①で記事にしたように、ケアマネの試験に合格すると、実務研修という15日間(87時間)の研修を受け、さらに実務研修実習を受け、ようやくケアマネの資格者証がもらえることになっています

こう書くと「研修多いな」という印象を受けますが、正直なところ、すぐに実務に就くとなると全然足りないと感じています(実習指導している皆さん、そうですよね?)。
ケアマネとして必要な基本的な部分の理解や実際の実務は、この日数では全く身につきません。

新人のケアマネは実務に就いてから3ヶ月〜半年かけてようやく半人前、一通り仕事ができるようになるかなと思います。

では1人前になるまでどうやって指導、教育するのか。

元の職種にもよりますが、1〜2ヶ月間は先輩ケアマネがみっちり同行訪問して指導しつつ実務を教えるのがいちばん早いかと思います。
でもこれだと、新人は直接ケースを担当できないので、事業所の収入にはつながらないのですよね。(あるいは先輩ケアマネが自分の分のケースを担当した上で、新人分のケースもチェックしたり同行訪問する必要があるのでかなりハード。)
居宅介護支援事業は元々ケアマネ1人当たり35人担当しないと収支ギリギリの事業なのに、まわりのケアマネが新人ケアマネ分のケースも担当しないと、事業所として赤字です。

しかも、まわりのケアマネはここまでハードに身を削って指導に時間を割いても、自分の収入は増えないから、頑張り損というか、負担が大きすぎると思います(残業手当くらいは出るかもしれませんが、それもあまり出すと事業所として赤字になりますからね)。
そうすると、どこまで新人ケアマネのために丁寧に時間を割いて指導できるか、ここでも福祉の奉仕の精神が試されてしまうような気がします。
そして指導が不十分だと新人ケアマネがきちんと育たなかったり、仕事のきつさに離脱してしまったりと、悪循環。

つまり、ケアマネが1人前になるには、合格後の実習では全く不足しており、その育成を居宅介護支援事業所で引き受けるというのはその事業所の負担が大きすぎるということなのです。

ケアマネの求人を見ていても「未経験歓迎」とは書かず「経験者優遇」というところが多いですし、そのように書いている事業所の方がまともだと思います。
私が所属している事業所、法人もそうです。実習生の様子を見て、管理者ともよく話しますが、まるっきり未経験の人を採用するには労力がかかりすぎるからです。新人が育つまでの間、まわりのケアマネが引き受ける負担が大きすぎるのです。

求人の中には「未経験歓迎」と書かれている求人もあるとは思いますが、そういうところは「未経験の人でも採用しないと人手不足」という実態の事業所が多いです。本当に未経験の方がそこに就職した場合、1人前になれるのかどうか。きちんと指導やフォローしてもらえるかどうかは疑問です。 1ヶ月で同行訪問だけして、翌月からは1人で仕事をしなければいけないのではないでしょうか(経験者ならそれで十分ですが、新人には無理です)。

ケアマネは人手不足なので、ケアマネの資格をとり、ケアマネの仕事をしたいと思ってくれる貴重な人を大事にしていかないといけません。

私個人の意見としては、未経験のケアマネを採用した場合、その事業所に新人ケアマネの3ヶ月〜半年分くらいの給料を別途給付してもらいたいと思います。
そうすれば、新人ケアマネ分の給料は確保できるわけですから、まわりのケアマネに過度な負担をかけて多くのケースを担当させなくていいですし、育成が不十分なまま新人ケアマネが無理にケースを担当しなくてもいいと思います。
まわりのケアマネが指導に時間を費やした分、時間内に仕事が終わらなければ手当を出せばいいですし、まわりのケアマネも少し件数をセーブして指導に時間を割くということも可能になると思います。

あるいは、新人ケアマネに対して1年くらいの期間での伴走支援の制度を作るか(新人ケアマネの状況に合わせてスーパービジョンを提供したり、つまづいているところの質問を受けたりするイメージ)。ただ、外部のケアマネが指導するとなると個人情報の取り扱いや同行訪問ができない等がありますから、指導できる範囲にも限界がありますね。

ケアマネの実習指導をしていて感じた、新人の育成について書いてみました。
私の考え、どう思われますか?ご意見いただけたら嬉しいです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。


アメブロ│ケアマネ✕副業│経験0から本業&副業でゆとりのある働き方と暮らしを叶える

スタエフ│ケアマネが経験0から本業&副業でゆとりのある働き方と暮らしを叶える

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?