知愚之庵

ロマンティック愛好家

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最近の記事

    • あじさい

      雨の中のあじさいが最も活き生きしている様子を見ました。 あじさいのお陰様で、今日の雨は全然悪くない、有難い、うれしい雨です。 涼しくて、じめじめとはしていません。 この家の前のあじさいも、少し濃い水色をしていて、 これが雨に濡れて、大変涼やかです。葉の緑も美しく雲間の日を透かしました。遠くの雨がざーと言い、近くの雨がぱちぱちと、全てを洗っているような雨です。

          飯田橋の辺り

          飯田橋の辺り

          あなたが大切で尊い理由

          己れを造り生かしてくれている大きな存在が、自分と同じように造り生かしている他のものは、自分と同じように有難く尊く疎かにはできぬ。お母さんの作ってくれたお道具入れのバッグとか、ぬいぐるみの服の刺しゅうとか、大切だったのと同じく、全ては、全宇宙を包んでくれるお母さんのような、有難い存在が同じく造ってくれたものだ。みんな同じく、みんな大切で、かけがえなく、尊く、有難いのだ。私のこの体も。あなたのなにもかも全ても。

          あなたが大切で尊い理由

          塞下の曲――李白の詩の詩

          塞下の曲 白馬がいる。黄金の塞がある。 雲のごとく舞い上がった砂けむりに 夢のような想像を繞らせている。 (こうして美しい想像を繞らせてみないで) どうして堪える事ができようか、 こんなに苦しい愁いの季節を。 遠く辺境の地に暮らす我が子を憶えば、 蛍の光は秋の窓辺へ飛んで満ちあふれ、 月が霜のかかる寝屋の上を ゆっくりと進んでいるのも感じられてくる。 (だが夜が明けてみると、) 梧桐の葉は破れ散っていて、 沙棠の枝が、物寂しい音をさせて 風に吹かれていた。 私はいつでも独り

          塞下の曲――李白の詩の詩

          秋、宣城のまちの謝朓が築いた北楼に登って――李白の詩の詩

          秋、宣城のまちの謝朓が築いた北楼に登って 川辺のまちはまるで、画に描かれた風景のようである。 山は夕暮れ、晴れた空を望んでいる。 二すじの川は、この地を挟んで澄明な鏡のように流れ、 二つの橋は、向こう岸へ架け落とされた虹のように並んでいる。 人家から立ちのぼる煙に、蜜柑は寒々と、 秋の色も深まり、梧桐の木が老いてゆく。 誰か、(謝朓の築いた)この北楼の上で、 (今の私と同じように)思ってくれる人がいるだろうか、 風に臨んで、 (風のように生きた詩人)謝朓先生の存在を感じつつ

          秋、宣城のまちの謝朓が築いた北楼に登って――李白の詩の詩

          友を送る――李白の詩の詩

          友を送る 青い山並は、北に外郭(外側の城郭)の如く横たわり、 白く光る水は、東に内郭(内側の城郭)の如くめぐっている。 この地で、ひとたび別れてしまえば、 君は一本の、風に飛ばされた蓬草のように、 万里の道をゆくだろう。 浮き雲は、旅人(君)に似て、 沈む夕日は、見送る友(私、李白)の心を表してくれている。 手をふって、君はここから去ってゆく。 さびしい風に吹かれて、別れの馬は、嘶いた。 友人を送る 青山 北郭に横たわり 白水 東城に遶る 此の地 一たび別れを為せば 孤

          友を送る――李白の詩の詩

          江夏で宋之悌に別れて――李白の詩の詩

          江夏で宋悌之に別れて 楚の国を流れる長江の水は清く透き徹って、 さながらそこには何もないかのようであるが、 この流れは、遥かに遠く、青くて深い海へと通じている。 同様に、人の流れも、千里の遥かな道の先で、 それぞれが広い世界に分れてゆくものであるが、 (この茫漠とした大海原を眺めて 別れを悲しんでばかりいては、 人生の意味と価値とを見逃してしまいかねない。 然れば、) 生きる楽しみは、今、己れが手に持つ、 この一つの盃の中にこそ在る。 (まずはこの一盃の輝きをよく見つめるの

          江夏で宋之悌に別れて――李白の詩の詩

          秋の思い――李白の詩の詩

          秋の思い 燕支の山は、黄葉の落ちる季節になりました。 わたしはここから、 (かつて我が匈奴の民の王・単于が颯爽と戦った) 白登山の高台を望んでいます。 今では、湖の上に、清々しかった青雲も消え、 王の単于はいつかの若き勇猛の影を失って、 匈奴の地には、冬枯れへと向かう 寂しい秋の気配が漂いはじめています。 貴方たち、我が胡の民の兵士たちが 砂漠の塞に集結したのを嗅ぎ付けて、 漢の国の知らせの使いは、(国境の要塞)玉門関から 王朝へと急ぎ戻ってゆきました。 (もうじき、漢の軍

          秋の思い――李白の詩の詩

          南の僻地 夜郎に流されて妻に寄せる――李白の詩の詩

          南の僻地 夜郎に流されて妻に寄せる 夜郎という最果ての地から 君と暮らしていた日々のことを 遥かに遠く、憶い望んでいる。 まるで、月の澄みきった閑かな夜、 君は楼閣の中に居て 戸口を閉ざしたかのように 僕には連絡を、殆んどくれなくなった。 雁は、未だ春の季節にある北の地へと帰り去り、 みるみるうちに、あちらへ消えてゆく。 その姿をただ南から見送っている僕は、 こちらに来て欲しいものを得られないでいる、 君の住む、豫章からの手紙を。 南のかた 夜郎に流されて内に寄す 夜

          南の僻地 夜郎に流されて妻に寄せる――李白の詩の詩