🤡🎈ハロウィンボイス再販2019感想【ハロウィンケーキ・１ホール】：0032

ワンホールのケーキを食べた記憶って、人生のうち一体何回あるものなのでしょうか。
おそらく誕生日やらクリスマス、小学生の何年間かを家族に祝ってもらっていました。中学生になると好きなケーキをそれぞれ選んで買って食べるようになったから、もしかしたら自分の誕生日に大きなケーキを家族と囲んだのは、小学生の頃のたった数回かもしれません。

蝋燭の灯のような儚くおぼろげな記憶ですが、そんな事を思い出しながら今回のジョー・力一さんのハロウィンボイス2019感想をお届けします。

今回の感想は、【ハロウィンが誕生日の子の為のバースデーケーキ、1ホール】です。

初めての方へ：この記事は、ジョー・力一というピエロさんの作るシチュエーションボイスの感想を食べ物で表しながら書いてます。シチュエーションボイスとは、購入した人が力ちゃんに「あなた」と近しい相手として呼びかけられながら物語を楽しめるボイスドラマの一種です。

【バースデーケーキ、ワンホール】

核家族の世帯が多くなっていくご時世ですが、やはりワンホールサイズのケーキというのは見るだけで子供心に浮き浮きします。

世界観がこれまでになく独特で、見た目がギョッとするところはハロウィンイベントのケーキらしくびっくりしました。
けれどもストーリーはシンプルで味わいやすく、散りばめられたファンタジックな設定も、視聴者が自由に空想できます。聞けば聞くだけ楽しめますね。

ゴーストの飾りや血の池のゼリー、チョコペンで描かれた蜘蛛の巣など装飾が派手な一方で、中身はかぼちゃの黄色くてほんわか甘いクリームやカリカリのアーモンドペースト、子どもの体に優しい素材と甘さ。
物語のボリュームがワンホールくらいあって、いくらでも考察がはかどる。こう、何回か切り分けて食べるとまた違った味わいがするように、その後の二人の物語など妄想したりできるのが楽しかったです。

【あらすじと一押しの話】

今回は力ちゃん…でなく、新キャラ『リキチャンシュタイン博士』！
頭にネジをぶっ刺し、ツギハギな皮膚に白衣。高笑いしながら怪しい研究に没頭し、とうとう完成させた人造人間の『最高傑作』ちゃんを引き連れ、ハロウィンで賑やかな街へ繰り出していく。

………いや、誰ですか？

このボイス、実は僕の初購入ボイスだったのですが、一か月近く追いかけて購入したらまさかの別キャラだったということに衝撃を受けました。
アンパンマンを観るつもりが、全編バイキンマンのスピンオフだったくらいの驚きですよ。そんな事あるんだ…。

とはいえ、ジョー・力一というピエロを追いかけていく上での洗礼みたいなものかなとも思いました。

なにせこのピエロ、その身一つで沢山の人格を演じ分けるのです。キャラクターが別のキャラを演じる事もできるというのがVtuber一つの特色かと思われますが、力一さんはその中でもかなり多彩かと思います。

ある時は『可愛い声以外全てが虚無の美少女ライバー・りきちゃ』。

またある時は『人の心の闇に棲まうと言いつつ、実家暮らし且つ猫を飼っている幻惑の道化師JOE』。

そして『にじさんじオーディションをこのキャラクターで受けたという伝説の令嬢、鹿鳴館キリコ様』。

…などなど、書くだけでお腹いっぱいになる個性的なキャラクターを、声と演技で演じ分ける。
ファンの間では『別人格』と呼ばれるキャラが、今回このボイスでも新たに誕生したという事でした。

（上段左からりきちゃ、鹿鳴館キリコ様、JOE様、下段左からミュウツー、プレーンなジョー・力一、りきハムちゃんと後見人明太子。）

リキチャンシュタイン博士もまた、とにかくアクが強い。

天才的な頭脳で人工生命を作ってしまう一方で、自信家でやや子供っぽかったり、変に悪ぶってみたり、でも身内にはとことん甘い………あれ？やっぱりこの人バイキンマン？？？
（すみません、僕がバイキンマン好きすぎてチラついてしまいました…。）

博士「…お前に一つ教えておこう。この世に生を受けたからには、誰だって目一杯楽しむ権利がある」

そう美学を持つ博士は、見るもの感じるもの全てが生まれて初めての最高傑作ちゃんが楽しむ為にあれこれ手を尽くしてくれる。

一見すると家族愛のように聞けますが、ただ、最高傑作ちゃんが造られた理由などを考察する要素や言葉のトーンが結構甘いんですよね。
子どもに対する愛情なのか、あるいは誰かの面影を重ねているのか…。

ともあれ全体の味わいとしては、愛する子の誕生を祝う為に作られたバースデーケーキとして感じられました。

以下、ネタバレありの各track感想になります。

各track感想

track1
自己紹介。高笑いが堂に入っている。高笑いで有名なキリコ様とタメ張れるのではないですか？

track2
Trick or Treat！魔法の呪文みたいでしたね。

track3
track1から思ってたけど、キャラの圧が強い。
初見だったしまだ勝手が分からなかったから、「これが…力一さんのボイス…いや、だれだこの人？」とか一回目はちょっと引いちゃいました。博士ごめん。

最高傑作ちゃんの目覚めに喜び、人生を楽しむことを教える為、ハロウィンに参加する。

生まれてすぐに博士の言葉を理解したり、お洋服を着る物と認識したり、既に最高傑作ちゃんの中には一般常識がインプットされているようですね。考察が捗ります。

track4

子どもにお菓子をあげたりもらおうとしたり、二人で街を練り歩く。
お菓子をもらうよう言ったり歩調に気を遣ったりするところを見ると、最高傑作ちゃんは子どものような容姿だと窺えます。

博士が街の人と話す場面で、マッドサイエンティスト特有の傲慢だったり難しい用語を使ったり…。このひと、コミュ障を自覚してないコミュ障だなぁ、とやや気恥ずかしかったです。きっとこれが共感性羞恥なのでしょう。ここに気恥ずかしさを感じるということは僕も気をつけねばなと思いました。食べ物の話ばかりじゃなく、たまには流行りのものだったり、知的な内容の…………ちてきな………う～ん。

track5

お菓子たくさんのパーティー会場。
みんなに振る舞われるはずの特大ケーキを、しかし二人で先に食べてしまう。
なぜ二人占めしようとしたのか、ここの博士の思考回路はマジで分かんないですね。
最高傑作ちゃんにお友達がたくさんできるよう（たくさんお友達を作ってもらいたい？）願う一方でコミュニケーションが穴の空いたバケツか、ってくらいぶっ壊れてたり、今までどんな生き方をしたらそうなるのか…。

しかし聞いてると、博士は本当幸せそうなんだよなぁ。

track6

帰り道。
ここのtrackは物語の展開としては静かですが、博士の思いが伝わってきます。

マッドサイエンティストではあるけれども、今までの自分に沸かなかった情緒に困惑したり。でもその感情を切り捨てずに戸惑いながらも向き合う辺り、単なる悪役や科学者キャラで収まらない深みがあります。

キャラクター性が記号化されたキャラってよくいますが、博士は生き方の美学が明確で、中身もちゃんとあるんですよね。リキチャンシュタイン博士単体のファンアートや考察も結構あって、このボイス一回きりの出演にも関わらず愛されるキャラとして定着したのはね、やっぱりすごいと思いますよ。

個人的にもし機会があれば、最高傑作ちゃんと博士の成長物語みたいな、そういう感じの二次創作も書いてみたいなぁとか思ってます。

（2020年10月7日～10月14日まで期間限定の再販です。）

【再販】ハロウィンボイス2019 - グループB（にじさんじハロウィン2019）