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オリジナルボトルでブランディング ~規格外・オリジナルデザイン瓶の作り方~

私たちは長らく洗瓶や瓶販売の仕事をしていました。瓶の需要減少で苦境に立たされた際、「自分たちでオリジナルデザインの瓶をつくろう!」というアイデアがきっかけで、現在のデザイン会社へと変貌を遂げました。(詳しくは 自己紹介記事 をご覧ください。)

そんな会社を救った、オリジナルデザインの瓶。今では飲料・食品メーカー様向けに、企画・デザイン・販売を手掛けています。「ウィスキーなどの高級酒のブランディングに」「オリジナルデザインで統一感をもたせたい」。オリジナルボトルの製造を検討されている方に向けて、規格外の瓶の製造について日本一詳しくまとめました。

「オリジナル瓶」とは

ジュースやお酒、調味料などで使われているガラスびん。変わった形状や様々な色のびんがありますよね。業界では、「一般びん」と「オリジナルびん」2種類に大別されます。「一般びん」とは、びんメーカーが自社で企画し、どのお客様でも使用できる汎用びん(=既製品)です。

一方、「オリジナルびん」は、カタログには掲載されておらず、特定のお客様専用に製造するびんのことをいいます。たとえば、コカ・コーラのびんをイメージすると分かりやすいと思います。ロゴが入っていたり、コカ・コーラならではの形状が特徴的です。市場に出ているびんの多くは「一般びん」ですが、よく見ると「オリジナルびん」も流通しています。

オリジナル瓶をつくるメリット・デメリット

● オリジナル瓶製造のメリット

一番のメリットは、既製品にはない独自のデザインで作れる点です。形状にこだわれば、パッと一目見ただけで違いがわかる。凹凸などの意匠をつければ、触感や中身の見え方も変わってきます。

第一印象だけでなく、商品に触れる度にブランドイメージを醸成する効果が。このように店頭での「映え」だけでなく、長期的にブランドを体験していただくアイテムになるのです。

● オリジナル瓶製造のデメリット

オリジナル瓶製造にあたっての懸念点は、予算・時間・ロットの3点です。これらを詳しく解説するために、オリジナル瓶の作り方をご紹介します。

【 オリジナル瓶の作り方 】
  ⒈ 瓶のデザインを決める
  ⒉ デザインをCGで用意し図面を作成
  ⒊ 図面に沿って金型を作る
  ⒋ 金型を使い少量の試作品を作成
  ⒌ 問題なければ本生産
  ⒍ 瓶を冷やし固める
  ⒎ 検品して、完成!

これらの工程を経て、瓶が完成するまで半年~1年ほどかかります。またオリジナルデザインに沿って金型を作るため、初期費用として金型代が発生します。容量や形状によって金型代は変動しますが、数百万円かかります。本製造の際には、工場の1ラインを押さえるため、1回の製造ロットは万単位となります。

オリジナル瓶製造は大きな試みになるため、費用対効果やメリットを十分に検討することが重要です。次の項目では、商品の売上アップに繋がった例をご紹介します。

オリジナル瓶を「作って良かった!」事例を紹介

⒈ ご当地商品「富士山サイダー」|木村飲料さま(静岡県)

木村飲料様は、静岡県にある飲料メーカーです。元々一般びんで販売されていましたが、地サイダーであることをより効果的に伝えるためにオリジナル瓶への切り替えを決められました。

富士山型のカットが入れ、自社のロゴを施したデザインに。サービスエリアでの取り扱いが増えました。また「ご当地サイダー」としてメディアで度々取り上げられるようになり、売上アップに繋がりました。

⒉ 高級ボトルティー「玉兎」|京都茶業組合さま(京都府)

京都茶業組合様が3年かけて開発された「玉兎(たまうさぎ)」。玉露の美味しさを手軽に楽しんで頂けるようにと誕生した商品です。日本料理とのペアリングで、お酒のように楽しんでいただけるように。そんなコンセプトで企画されています。取り扱い先は、高級ホテルや料亭。ビールや日本酒のように、ボトルとグラスで提供されます。

そんな利用シーンを想定して作られたオリジナルボトル。スマートな形状と、鮮度を保つ黒い遮光瓶にゴールドの塗装が卓上で映えるデザインです。「本場の玉露」というこだわりと高級感のあるデザインで、全国に販路が拡がっています。

⒊ 美容ドリンク「優光泉シリーズ」|エリカ健康道場さま(佐賀県)

通販で酵素ドリンクを販売をされているエリカ健康道場様。小容量の550mlは透明の瓶で、大容量の1200mlは茶色い瓶で販売されていました。その理由は、大容量は茶瓶しか流通していなかったため。大容量の商品は、リピーター様向け。迷わず購入いただくには、初めに購入する小容量の商品との統一感が重要です。

そこで肩部分にカットラインを入れたオリジナルデザインのびんを製造。商品ラインナップに統一感が生まれ、ブランドイメージも向上。売上も右肩上がりに伸び続けています。

こんな方にはオリジナル瓶がオススメ

そのため、「年間数万本単位の販売実績がある」「全商品のデザインを統一したい」「商品自体が高単価で流通する」といったケースで、製造することが多いです。

また、大きな予算はかけられないし、数もいらない。商品化までの時間を短縮したいという方には、一般びん(既製品)への塗装・印刷の加工がオススメです。

▼ 塗装加工した瓶のデザイン実績

▼ 印刷加工した瓶のデザイン実績


【 デザイン × 瓶 】というテーマで様々な商品事例をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。弊社では「瓶だけ」に留まらず、様々なパッケージデザイン、商品ブランディングを手掛けております。「商品に統一感をもたせたい」「ブランド力を高めたい」そのようなニーズがありましたら、ぜひお気軽にお声掛けいただけると嬉しいです!