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阪神淡路大震災から29年目をむかえるにあたって

阪神淡路大震災から29年目をむかえるにあたって、図工専科時代に描いた1.17の視聴覚教材、
「じしんがおきた日」について振り返ります。

2008年に前任校の子どもたちに読み聞かせたいと描きあげた「じしんがおきた日」は15年間独り歩きをしました。

まるで絵そのものが意思を持ったように、必要としている人達のもとへと進んでいきました。

共同通信社、神戸新聞、讀賣新聞、産経新聞、京都新聞…

全国の新聞社が取り上げてくださった記事は刑務所の中にいる方にも届きました。

服役中の男性の人生に何があったのかは分かりません。手紙には、震災で大切なものを失った一人だということ、震災で亡くした娘さんのことがずっと記されており、紙芝居を新聞で知ってとても癒されたと書かれていました。

その時、自分が予想もしていなかった場所へ、人へと届いていく絵の持つ力を知りました。

ここ数年、学校からの紙芝居講演のお話はなくなり

「この作品はもう充分にお役目を果たしたのだ。」

と悟りました。

テーマとしては、あの震災を経験した人たちが知ることを色と形で代弁するもので「教訓」のメッセージが強い作品でした。

が、震災を全く知らない世代にとっては、手にとるに重すぎる内容であり全体的に暗い感じで描かれていました。

「もっと小さな子どもたちが手にとれる震災の作品を描きたい。暗闇に光が差すような色合いで描きたい。」

そんなビジョンを与えてくれたのは保育士さんたちの声でした。

焦点は私の妹に当てられました。
震災当時、5歳だった妹の目線で描いた「みいたんとぽーちゃん」。(最後に添付している画像)

昨年、無事に西宮市教育委員会から発行され
現在独り歩きを始めたところです。

市内全域の学校教職員からの感想が寄せられ、
担任の先生が防災の教材として授業で使用するという報告をいただきました。

「じしんがおきた日」はしばらく戸棚で眠っていたのですが、また独り歩きを始めようとしています。

描いた自分自身は子の旅路を送り出すような気持ちで、紙芝居がひとり進んでいくのをそっと見守ろうと思います。

                 米光智恵

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