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子どもの絵の見方と評価についての記事

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#最近の学び

「描きたい!」という気持ちを大切にしたい。パンパステルで古典模写!10歳の女の子が描いた女性像にであって…

「描きたい!」という気持ちを大切にしたい。パンパステルで古典模写!10歳の女の子が描いた女性像にであって…

『ルネサンス3代巨匠の鑑賞から古典模写』
 月に一度のアトリエ講師レポートです。当初は中高生から大人向けに考えていた題材でしたが、参加してくれたのは小学校4年生の女の子でした。レッスンの申し込み表で女の子の年齢を確認しました。その瞬間、私自身の題材へのこだわりはなるべく切り捨てようと考え直しました。当日のKちゃんの様子、また作品を鑑賞した後の発見や、対話から紡ぎだされる言葉に活動を委ねようと思った

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心でみて描く空〜アトリエの色・形・イメージ〜

心でみて描く空〜アトリエの色・形・イメージ〜

アトリエの子ども達とお母様と『空』を描きました。空を見上げる余裕もなく過ぎていく忙しい日々の中、絵筆をもちホッと一息。穏やかな時間が流れます。何も考えず、想い想いに真っ白なキャンバスに色を置き重ねていく過程。描くことは、レジャーとしての暇ではなく、日間(心に日の差す間)であることに気づかせてくれます。『空』は心の風景でもあるのです。今日はアトリエに集われたお一人おひとりの心の空を紹介します。

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心の可視化

心の可視化

児童発達支援センターにて
 心の可視化は容易いことではい。と思っているのは大人だけなのかもしれません。
小児期の逆境体験やその子の現在置かれている環境や立場をまずは受け入れることが支援の第一歩だと思っています。
それを受け入れた上でのセラピーワーク。

 2年半で子ども達の色や形やイメージがこんなにも広がったこと。また閉ざしていたものを明け渡してくれたことに感謝しかありません。

今日の気

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図工のミカタ〜評価のミカタ〜

図工のミカタ〜評価のミカタ〜

第4回 図工のミカタ〜評価のミカタ〜
●日時 2020.2.11(火・祝)
 13:00-17:00
●会場 スペースアルファ三宮
 兵庫県神戸市中央区三宮町1-9-1
三宮センタープラザ東館6F

先日スペースアルファ三宮にて図工のミカタが開催され、3名の先生方がご登壇されました。
ゲストは林 耕史先生(群馬大学 教授)と
西村 徳行先生(東京学芸大学 准教授)、
聞き手は山田芳明先生(

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一人ひとりの特性(個性)とともに子ども達の表現を見つめて

一人ひとりの特性(個性)とともに子ども達の表現を見つめて

「ママ、障害ってなあに?」

「生きづらさ、という人もいるよ。」

「じゃあ、僕にも生きづらさはあるの?」

「うん、あるよ。みんなある。ママにもあるよ?ただ、見えやすいか見えにくいか。それだけのこと。」

「どうしたら生きづらさはなくなるの?」

「誰でも困っていることがあるでしょ。困ってしんどいなと感じたら、ママやお友達だち、先生と二人三脚すればいいんだよ。

そうしたら生きづらさはいつのまに

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『教え込む』から『引き出す』へ
〜過去の自作教材からハテナ(❓)図工を考える〜

『教え込む』から『引き出す』へ 〜過去の自作教材からハテナ(❓)図工を考える〜

●はじめに

 学習指導要領の改定により新たな図工のミカタ(見方・観方・鑑方)が明確に示されています。
 2020年4月より子ども達の教科書は以前よりサイズが大きくなりました。
三年生の息子の図工の教科書を開くと、出来上がった作品よりも制作過程が大きく載せられています。まるでリアルタイムでお友達と制作しているような愛らしい写真の数々。
子ども達の意欲や探究心へと導いてくれるような彩り溢れる編集。

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大人の造形遊び 【Vol.2 徹底分解…で、どうする?】

大人の造形遊び 【Vol.2 徹底分解…で、どうする?】

大人の造形遊び
【Vol.2 徹底分解…で、どうする?】 
●日時 2020年2月22日(土)
13:00-16:30
●会場 芦屋市立精道小学校体育館
「主催 ANCS (創造性が社会と出会う美術教育)
 研究会・岡山大学教育学部美術教育講座」
 
 造形遊びの発案•助言 
 大阪教育大学附属平野小学校 城野知佐先生
 会場提供•助言
 芦屋市立精道小学校 秋山道広先生
 

『捨ててしまう

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表現者である子ども達を守り抜く支援。居場所。

表現者である子ども達を守り抜く支援。居場所。

4年前に勤めていたアトリエに戻ってまいりました☺️
ハピネスキッズアート。
代表のもりもとさゆり先生との出会いは7年前。

まだ1歳だった息子を連れて、
先生の自宅アトリエを訪ねたのがきっかけでした。
日々刻々と過ぎていく我が子との尊い時間をどう過ごすか。
そう模索していた時に出会ったお教室でした。

初めての育児に悩む私の価値観や性格に
彩りを添えてくれたのがもりもとさゆり先生でした。

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『絵から見える心のサイン』
〜娘の絵からの問いかけと気づき〜

『絵から見える心のサイン』 〜娘の絵からの問いかけと気づき〜

長女。6歳。
反抗期真っ盛り。
女は女に厳しいとは言うけれど、
こんなにも早い段階から激しい表出をするものだろうかと頭を抱えながらも歩み寄ってきました。

母親に見ていてほしい。
認めてもらいたい。 
自分でやりきりたい。
でも甘えてみたい。 
さらには、
父親と母親の身体つきや
リアクションの違いを
6歳なりに見極めては、
〝どちらの片割れでもある自分〟は
〝一体何者であるか〟を探っています。

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その子が見ている世界とパニックについて

その子が見ている世界とパニックについて

この絵は何の絵でしょう?

はい。目玉焼きです。
黄色いものが真ん中にあり、お皿の上に柄が描いてあり、水玉模様の背景はランチョンマットです。
小学四年生の女の子の描いた絵です。

しかし目玉焼きに見えない人はもいたはずです。目玉焼きの全景が描かれておらず、もしかしたら目玉焼きよりもお皿の柄に目がいった人も多いのではないでしょうか。

この女の子は〝細部・パーツ〟に注目する特性をもっています。

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