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地方への移住を決断するまで

こんにちは。(株)八重コンサルティング代表の鈴木智恵です。
ここ数年は林業や木材産業向けにITコンサルタントのような仕事を中心にしていますが、元々いろんな業種・業態向けにコンサルタントをしてきました。ここではその経験から、日々降りてくるアイデアやシェアすると誰かの役に立ちそうな内容を発信しています。
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noteを始めて6日ほど経ちました。これまで小規模ビジネスを営む方に向けたメッセージをメインに投稿してきたのですが、今日はちょっと趣向を変えて「移住」についてです。昨日投稿したこちら↓の記事に、社会にテレワークが浸透して、今後田舎に移り住みたくなる人が増えるのでは、という内容を記載しました。

実は私も2012年に首都圏→北海道という移住をした経験があり、今日から3回ほどに分けて移住の経緯、進め方、ライフスタイルの変化について体験談を書いてみます。

■ 移住前の状況

私の移住前の状況をザックリまとめると、
 ・東京の大手IT企業のサラリーマン
 ・30代女性、一人暮らし
 ・移住先にツテもコネもなし(親戚や友人はゼロ)
単身移住なので家族全員で移住するのに比べたら調整事は少なかったと思いますが、逆に応援・協力してくれる人もいないので自分の熱意が途切れた瞬間にオワリです。

■ 移住を希望する理由

移住を希望する理由は人それぞれですが、私が移住を希望した理由は
 ・北海道にいると落ち着く、実家に帰ったような感覚
 ・北海道経済に貢献したい(=北海道で消費も納税もしたい)
 ・北海道のIT技術者の契約単価の水準を向上させたい

当時の仕事には一切不満はなくて、希望する仕事をさせてもらっていましたし、人間関係も良好で、同僚や上司は優秀な方ばかりでした。退職することをかなり切り出しづらい状況でした。

移住したいと思ったのは、北海道に訪れた時の居心地の良さが発端でした。首都圏で暮らしていても、北海道物産展や「北海道産○○」という製品を見かける度にトキめいてしまうくらい北海道が大好きでした。

■ 移住を躊躇した理由

「いつかは北海道に住みたい」
いつそう思ったのか正確な記憶は定かではないですが、おそらく27歳くらいの時。そして結局移住したのが34歳だったので、思い立ってから7年間ほどは移住せずに悶々としていました。

そんな私が移住を躊躇していた理由は
 ・実家(岡山)からさらに遠く離れる
 ・移住先に知人など誰もいないために両親に心配される
 ・移住後の給与所得が2/3~1/2くらいに減りそう
 ・職場の人や家族、友人たちから移住したい理由について合意が得られない
などなど。挙げればキリがないです。特に最後に挙げた「周囲の人からの賛同が得られない」というのが大きかったように思います。反対されそうだったので、移住が決定するまで誰にも口外しませんでした。

■ 移住先での仕事

移住先で「心機一転、今までと全く違う仕事をする」というのも一つの選択肢ですが、私はそれまで東京でやっていたITの仕事が好きでしたし、北海道にはまだ少ない技術経験を持っていたので、仕事内容は変えずに転職する道を選びました。

人は変化を無意識に退ける生き物です。私にとっては、住む場所も人間関係も変えて、仕事まで変えるというのは気持ち的にもハードルがありました。今まで身に着けた技術や経験、知識が移住先で役に立つのなら、仕事はそのままで一旦移住してみるのはオススメです。移住先にも歓迎されるはずです。

■ IT技術者の国内格差

IT業界では常識的な話なのですが、2012年頃の当時は地方のIT技術者に仕事を依頼する際、東京の半額近い金額で発注することができました。海外に発注するとさらにその半額くらいになったのですが、言葉の壁や商習慣の違い、情報漏洩リスクなど様々なハードルがあって、ニアショアと呼ばれる国内地方発注が多く行われていました。(2020年現在も同じような状況ですが。)確かに地方に住めばオフィスや人件費などは多少安く済みますが、普通は半額では暮らせません。なのに発注単価は半額近い金額でした。

その理由としては、地方のIT企業は東京のIT企業の下請けがメインだったことです。直接顧客から受注するには物理的にも障壁がありますし、システムを企画・提案できる技術者も少ないためです。このため、地方のIT企業は首都圏のIT企業に比べて利益を出しにくい傾向があります。

■ 移住の大義名分

その一方で私はと言うと、東京の会社でお客様の業務分析やシステム企画、提案などを経験していたので、私が北海道に移住することで北海道内の企業が顧客企業から直接受注する機会を創ることができました。またその知識や経験を他の社員にシェアして、直接受注を常識化していけば、いずれは北海道のIT技術者の単価向上に寄与できると考えていました。

こういう大志を抱いていたので、転職活動をした際に道内のIT企業数社から比較的すんなり内定をもらうことができました。(転職活動の進め方についてはまた明日あたり、別の記事で投稿しますね。)

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私は、生まれて初めて北海道を訪れた時のことをよく憶えています。会社の同期たちとスキー旅行で来た時、間もなく千歳に着陸するという時に機内から窓の外を見た瞬間、なぜか懐かしいような地元に帰って来たような感覚を感じました。ちょうどこの記事の写真のような景色でした。その時の感覚を頼りに移住したのかもしれません。

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