イスラム教の断食月、横で見ていて思ったこと
イスラム教徒は「断食」をします。一体どんな感じなのか?私はインドネシアで断食月を過ごしました。横で見ていて思ったことをまとめます。
ムスリムから聞いた「断食」
太陽が出ている間は食べない
断食って、「1日何も食べない」イメージがありますよね。ムスリムの断食は宗教的なものなので、太陽と関係があります。日が出てから沈むまで食べません。つまり、太陽が出ていない時に食べます。
最初の1〜2週間がきつい
ムスリムに話を聞いてみると、最初の1週間は大変で、次の1週間でなれるようです。ムスリムだから、毎年やっているから簡単、というわけではないようです。そうですよね。だってそれ以外の期間は普通に食べているから。
子どもの頃から練習する
ムスリムは、子どもの頃から少しずつ断食の練習をするそうです。そりゃ、子どもはすぐにはできないよな…逆に、大人は断食しているのに、子どものご飯を用意するって大変…
断食明けのご飯はみんなで
断食明けの晩ごはんは、家族や友達と盛大に食べるのだそうです。急に食べるとお腹がびっくりするので、水を飲んだり甘いものを少し食べたりして、お腹を慣らしてから食べるそう。
朝ごはんは日の出前に食べる
朝ご飯はいつ食べるの?ということになりますが、日の出前に食べるそうです。食べてからもう一度寝る人もいるそう。(ちなみに、日の出前に食べるご飯は「朝ごはん」という感覚はないようです)
ムスリムと一緒に働く断食月
では、ムスリムが多い国や、ムスリムがマジョリティの職場で働くノンムスリムはどうでしょうか?
水飲みにくいし、お昼食べにくい
本人たちは気にしていないと言いますが、それでもなんだかお水は飲みにくいし、お昼も別室で食べることが多いです。匂いの強いものをお昼に持っていかないとか。私の会社なら、日本人が多いこともあって理解もありますが、外では気を使います。
「お昼食べた」ではなく、「休憩した?」
「お昼休憩=昼ごはん」という感覚でいると、昼休みを取ったかどうかの質問で「お昼食べた?」と聞くことがありますよね。でも、断食中は昼ごはんを食べないので、「お昼食べた?」というよりは「休憩した?」の方がいいみたいです。
私は、昼休憩になっても働いているスタッフに「休みますよ〜」と声をかけるようにしています。断食期間中以外にも、1日単位で断食をするスタッフ(女性は生理中断食ができないので、他の日に振り替えて断食することが多い)がいるので、「休憩しましょう」の方が普遍的ですね。
お店がやってないor混む
大都市やムスリムが少ない地域は昼間も飲食店は空いていますが、それでもガラガラです。ムスリムが多い地域は飲食店を閉めてしまうところもあるそうです。私はいつもお弁当を持っていっていますが、断食期間中はお昼も持っていくのがいいようです。ノンムスリムが多い地域(ジャカルタとかね)で、お昼に営業しているお店はラマダン中混んだりします。
そして、飲食店は夕方になると断食明けのご飯を食べる人で混み出します。
断食が終わる頃に仕事を入れない
断食が終わる時間帯には仕事を入れないように気をつけます。また、断食が終わる時間帯には家に帰れるよう早めに仕事を終わらせたり、出勤時間を調整する会社もあります。
ゆるやかな気持ちで
ムスリムは断食期間中、急に生活のリズムが変わり長い時間飲み食いしないわけですから、頭もぼーっとするし眠くなりますよね(現に、昼休みは寝て過ごすスタッフが多発します)。それは前提の上で、仕事をお願いしたり働き方に気をつけたりしたいなと思います。
苦行ではなく一大イベント
断食って、大変なことで苦しいことだと思っていました。仏教の影響なんでしょうか、断食=修行、みたいな連想ですね。でも、実際に横で見ていてイメージが変わりました。断食はムスリムにとっては一大イベントで、断食月が終わった後はお祭り(日本でいうお正月のような感じ)が待っています。また、一人ではなく世界中のムスリムが同じように断食しているというのも励みになるんだとか。
私も3回目の断食期間でやっと慣れ、雰囲気もわかってきました。文化や習慣の違いに驚きつつも、尊重することも学びました。
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