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【選挙ウォッチャー】 衆院補選2020・静岡4区レポート。

とうとう「スーパーに行くのは3日以上間隔を開けてほしい」というお達しが出るほど自粛要請が強まる中、4月14日告示、26日投開票というスケジュールで、静岡4区で衆議院議員補欠選挙が行われることになりました。補欠選挙が行われる理由は、ここを地盤にしていた自民党の重鎮・望月義夫さんがお亡くなりになったからなのですが、弔い選挙を落とすわけにはいかないため、自民党と公明党はしっかり引き締め、当選を目指しました。

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深沢 陽一 43 新 自民・公明推薦
田中 健  42 新 立憲・国民・共産・社民推薦
山口 健三 72 新 無所属
田中 健  54 新 NHKから国民を守る党

自民党が望月義夫さんの後継として立てたのは、元静岡県議の深沢陽一さんでした。一方、国民・立憲・共産・社民の野党統一候補として立候補したのは、2017年の衆院選で希望の党から立候補した国民民主党系の田中健さん。完全無所属の山口健三さんと、反知性派カルト集団の「NHKから国民を守る党」から立候補した田中健さんは、事前の情勢調査でも勝負のフィールドには立っていませんでした。選挙はかなり序盤から、深沢陽一さんの優勢が続き、「おそらくゼロ打ちだろう」と予想されるぐらいに差が広がっていて、逆転の可能性はほぼゼロでした。


■ 国民&立憲の縄張り争いは国民の勝利

実は、最初に静岡4区から立候補しようとしたのは、2019年の参院選で静岡県選挙区から立候補した徳川家広さんでした。国会議員の椅子を狙っている「殿」が、参院選の雪辱を果たすべく静岡4区からの立候補を表明していたのですが、これに待ったをかけたというのが国民民主党の榛葉賀津也さんだと言われています。榛葉賀津也さんは国民民主党の重鎮で、2019年の参院選で徳川家広さんを直接戦い、勝っている人物です。2017年の衆院選で希望の党(現・国民民主党)から立候補し、落選してしまったために浪人生活を送っている田中健さんを立候補させようと思っていたのに、徳川家広さんが立候補するからって譲るわけにはいきません。結局、徳川家広さんは出馬を断念し、田中健さんが立候補することになったのですが、まさか反知性派カルト集団の「NHKから国民を守る党」が、意味もなく同姓同名の候補を出してくるとは思わず、田中健さんにとってはかなり不運な選挙になってしまいました。あみだくじで投票する人を決めるような、とりあえずその場のノリで投票する人を決めるような人たちは、「田中健」は2人いてややこしいので、どうしても深沢陽一さんの名前を書いてしまうと思うのです。票が按分されるというより、深沢陽一さんに流れる票の方が多くなってしまうのではないかと思われるため、田中健さんに対する嫌がらせとしては一定の効果があった可能性があります。ただ、こんな嫌がらせをするからには「何か恨みでもあるんかいな?」という話になるかと思いますが、NHKから国民を守る党は、恨みがあるわけでもなければ、狙いがあるわけでもありません。ただ約9分間の政見放送を流したいだけで、立花孝志代表が立候補するわけでもなければ、籠池泰典理事長が立候補するわけでもなくなった時に、なんとなく戦略があるっぽく見せるために起用されたのが田中健さんであり、立花孝志代表が「田中健を出す」と記者会見をするまで、田中健さんは自分が立候補することを知らなかったほどです。そんな反知性派カルト集団のとばっちりを受け、無駄に票を減らしている現実。もはや民主主義の破壊だと言っても過言ではありません。こんな反知性派カルト集団はとっとと解散に追い込むべきです。


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