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【選挙ウォッチャー】 大阪府議選2023・大阪市淀川区レポート。

 3月31日告示、4月9日投票で、大阪府議選が行われました。
 淀川区は「定数2」となっており、維新、公明、無所属の3人が立候補しました。無所属と言っても、実質的には「れいわ新選組」なので、あまり勝負になるニオイはしていませんでした。
 大阪府や兵庫県は、俳優・山本太郎さんの人気が高いので、ある意味ではホームタウンみたいなところがあるのですが、実質的に「れいわ」でも、維新でも公明でもない候補がどこまで健闘できるのかは、ひとつのデータとして気になるところです。

山下 昌彦  56 新 大阪維新の会
加治木 一彦 54 現 公明党
前島 一輝  25 新 無所属(れいわ新選組)

 大阪市淀川区は、衆院選における「大阪5区」になります。
 この「大阪5区」は、公明・共産・れいわ・籠池という非常に熱い選挙が行われた場所で、「公明党」「れいわ新選組」が立候補してくるのは、衆院選を見据えれば当然のことと言えます。

 共産党は宮本岳志さん、れいわ新選組は大石晃子さんが当選していることもあって、かなり面白い選挙区です。日本維新の会は、大阪府議会や大阪市議会で単独過半数を取ったことで、公明党との選挙協力の必要がなくなってまいりましたので、もしかすると次の衆院選で公明党が立候補していた選挙区に維新の候補者を立ててくる可能性があります。
 もし「大阪5区」に維新が候補者を立てた場合には、どうなっていくのかをシミュレーションする上でも、この大阪府議選は役立つと思います。公明党の実力も知っておきたいところです。


■ 大阪市淀川区・選挙ボード解説動画


■ 大阪万博の今を伝える(#8)

夢咲トンネルは、ひとたび大雨に見舞われると通行止めになってしまう脆弱な道路である

 大阪万博の会場となる「夢洲」に行くためのアクセスは、夢咲トンネルを通るか、夢舞大橋を通るか。このうち、夢咲トンネルは「雨に弱い」という脆弱性を秘めており、「夢洲」が本当の意味で「孤島」になってしまう可能性があります。大雨が降ると「夢洲」から脱出することが不可能になる可能性があるということです。
 大阪では、6月2日に大雨が降りましたが、夢咲トンネルに雨水と泥が流れ込み、トンネルの通行が不可能になりました。あまり深刻な状態ではなかったらしく、通行止めは半日ほどで解除されることになったようですが、それでも災害時のリスクは高いと言えます。
 万博の開催期間は4月~10月なので、昨今、全国的に問題になっている線状降水帯が発生しやすい期間です。年に数回単位で発生するようになってしまったため、夢洲も他人事ではありません。かねてから指摘しているように、車でのアクセスは2つしかなく、あとは地下鉄での輸送となってしまうため、イベントを開催するには不向きであるという性質があります。お客さんが優先的に脱出させてもらえるとしても、万博会場で働く非正規雇用の職員たちは取り残される可能性があります。

現時点で「夢洲」は、災害が起こることは想定できていない

 大阪市によると、もし南海トラフなどの地震が起こった場合、5mほどの津波に襲われる可能性があるとしています。工事中の「夢洲」は、現時点で高い建物が存在しないため、避難することができず、工事している人たちが舞洲などに脱出することができなければ一網打尽です。
 もし「大阪万博」が開催されている最中に災害が起こった場合に、どのように避難すればいいのかという問題については、おそらく考えられていないのではないかと思います。そこまで緻密な計算をするような組織や団体ではないため、万が一の時には「なるようになる」という非常に頭の悪い設計になっているのではないかと思います。なにしろ、パビリオンの設計すら満足にできていない状態なので、「災害対策」というところにまで頭が回っていないのではないかと思います。


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