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【選挙ウォッチャー】 東京五輪と新型コロナウイルス(#12)。

 東京は今、完全なる「医療崩壊」の状態にあります。
 入院したくても入院できない。明らかに肺炎の症状があっても、明らかに重症化しているように見えても、病院で治療してもらうことができないのですから、このままでは死なずに済んだ人まで死んでしまうかもしれません。いや、もう死んでいるかもしれません。
 どうしてこんなことになったのかと言えば、新型コロナウイルスは「指数関数的に増える」と何度も口を酸っぱく言ってきたのに、「まだ大丈夫」とタカをくくった結果、完全に大丈夫じゃないところまで来てしまったからです。そして、ここまで感染者が増えてしまうと、実は、どうすることもできなくなってしまいます。悲劇が起こるのを静かに待つしかありません。
 最近、僕も少しずつ有名になってきたのか、いろいろな情弱さんにカラまれることが多くなり、こういうアホがカラんでくるから、人々が大切な発信をしなくなってしまうんだということで、今日まで一つずつ丁寧にウンコを投げ返していたのですが、あんまりにも多すぎるので、noteでしっかりと解説することにしました。皆さんもうっかり何かを発言して、面倒臭い情弱さんにカラまれることはあると思いますので、そんな時には、ぜひこちらのページを参考に使ってください。情弱へのわかりやすい説明を目指して、記事にしました。


■ なぜスポーツ大会だけ中止を求められるのか

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 デルタ株における第5波では、スポーツ大会に限らず、すべての活動を自粛するべきだというのが、新型コロナウイルスの感染爆発を封じ込めたいと考えている人たちの基本的なスタンスです。なので、通勤や選挙、ショッピングモールでのお買い物も、可能な限り自粛をするべきだというのが答えになります。スポーツ大会だけが中止を求められているのではなく、夏の音楽イベント「夏フェス」みたいなものだって、本来は中止にしなければなりません。実は、音楽イベントやコミケのようなイベントであっても「中止にするべきだ」という声はたくさんあります。なので、オリンピックやパラリンピックばっかりが中止にするべきだと言われているような気になっているのは、単純に「情弱だから」だと言えるでしょう。
 ちなみに、こういうことを書くと「通勤を自粛しろなんて無理だと思います!」と言ってくる情弱が必ずいます。確かに、すべてがすべてリモートで仕事をできるはずもありませんから、やむを得ず、通勤している人というのはたくさんいます。しかし、そういう人たちも感染しないように気を付けなければなりません。機能性の高いマスクをするなり、なるべく電車の窓を開けるなり、通勤時間をズラすなり、電車ではなく「自転車」で通勤するなりの工夫をして、なるべく感染しないように気を付ける。できることには限界があるとしても、その中で可能な限り、なるべく身を守る行動を取ってほしいというのが、我々のスタンスです。


■ オリンピックが原因で何人が死ぬのか

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 今回、「オリンピックでどれだけの人が死んだのか教えろ」と言ってくる情弱がそれなりにいましたので、これから情弱の皆さんと一緒に指折り数えてまいりたいと思います。
 まず大前提として、滝川クリステル先生が「お・も・て・な・し」と言って、東京での開催が決まったのが2013年の出来事。つまり、今から8年前に東京五輪の開催が決まりました。当時、東京五輪の開催は、たった1人の議員を除いて、共産党も含め、全員が賛成していました。2013年の時点では、たった1人を除き、誰もが「東京五輪の開催を喜んだ」のです。
 しかし、2019年末に武漢で新型コロナウイルスが発生。2020年初頭には、日本も無関係ではなくなり、3月24日に東京五輪の延期が決まりました。2021年夏に延期すると決まったのは、3月30日です。
 つまり、7月23日の開会式までには、約1年3ヶ月以上の「時間」があったのです。本来であれば、東京五輪を開催するために、この時間を利用して「感染者をなくす」ということをしなければなりませんでした。

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 これは、1年後に北京五輪を控える中国と、今年の夏に東京五輪を控えていた日本の新規感染者数を示したグラフです。青が日本、緑が中国となっています。
 中国は、武漢での感染爆発により、最初に大きな山ができてしまいましたが、そこから先はずっと感染者を抑えることに成功しています。一方の日本は1年後に東京五輪を控えているというのに、第2波、第3波、第4波を迎え、東京五輪の真っ最中に迎えた第5波はご覧の通りです。実は、武漢で大騒ぎになっていた時よりも、今の日本の方がずっとずっと深刻だということです。
 どうして中国には感染が抑えられて、日本で感染が抑えられなかったのかという点については、中国が一党独裁の強権政治をしているからではありません。中国以外にも新型コロナウイルスの制圧に成功している国や地域があって、こうした国々は普通の民主主義国家だからです。では、どうやって封じ込めることができたのかと言うと、「めちゃくちゃたくさんPCR検査をやりまくったから」でした。
 日本でも新型コロナウイルスの封じ込めに成功している国々の例に倣って同じことをしていれば、きっと今頃、誰も「東京五輪を中止しろ!」なんて言わなかったと思うのですが、日本はPCR検査抑制論のデマゴークたちの大活躍により、今も「PCR検査は無駄だ」という意見が横行しているせいで、封じ込めに失敗してしまいました。1年以上も時間があったのに、科学的な封じ込め作戦を一切展開できなかったせいで、第5波はとんでもない地獄が広がってしまったというわけです。
 そして、この爆発的な感染が起こっている中で東京五輪を強行開催してしまった結果、「せっかくなんだから東京五輪を楽しみたい」「暗いニュースばかりだったんだから、せめて東京五輪の間だけは金メダルに酔いしれようじゃないか」いう人がたくさん生まれ、新国立競技場のまわりには、せめて入場できなくても「気分を味わいたい」という人が集まり、密を作っていました。これだけ我慢を強いられる生活をしてきたんだから、せめて東京五輪ぐらいは楽しみたいというのは当然の心理です。こうして人々から新型コロナウイルスに対する警戒心を奪い、まさに今、血中酸素飽和度が90を下回るような重症の患者が救急車で搬送できず、それでも自宅療養を余儀なくされてしまい、下手をすると亡くなるかもしれないところまで来てしまっているわけですが、そんな時に情弱は何と言っているのか。

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 もし、オリンピックをちゃんと楽しめるぐらいに新型コロナウイルスの封じ込めに成功していたならば、オリンピックで死ぬ人は「0人」だったと言えるでしょう。しかし、オリンピックを安全に楽しめる環境を一切整えることなく、ましてや感染力の非常に強いデルタ株による第5波が来ているにもかかわらず、人々から警戒心を奪い、緊急事態宣言の効力を薄くしてしまったということを考えれば、これから亡くなる人はすべて「東京五輪の強行開催による犠牲者」としてカウントされます。

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 もう一度、このグラフを見てください。もし、みんなで楽しく東京五輪を迎えるために、科学的な手順に従って封じ込めに成功していたならば、立憲民主党も、日本共産党も、たった1人の議員を除いて全員が東京五輪の開催を喜んでいたことでしょう。「これが日本の底力だ!」と、世界に誇れる東京五輪が開催できたのではないかと思います。

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 しかし、現実は今日の今日まで、東京五輪の日程が早々に決まっていたにもかかわらず、ろくすっぽ手を打つことなく、強行開催したあげくに感染を大爆発させて、医療崩壊まで起こしているのです。やはり、これから亡くなる方は全員が「東京五輪強行開催の犠牲者」ということになります。
 これから我々は、見たくもない数字を目にすることになります。これはもう避けられない運命です。なので、僕は情弱の皆さんと一緒に、毎日、新型コロナウイルスの死者数をチェックしていきたいと思います。


■ パラリンピックでは何人死ぬのか

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 オリンピックとパラリンピックは、ワンセットです。なので、もしこのままパラリンピックが開催されれば、今回の第5波で起こっている地獄は、オリンピックのせいであり、パラリンピックのせいでもあります。ただし、もしパラリンピックだけでも中止されるのであれば、それはオリンピックのせいではあるけれど、パラリンピックのせいではなくなります。パラリンピックが放送される時間を新型コロナウイルスの報道に使い、パラリンピックで金メダルを獲ったというワイドショーの時間を新型コロナウイルスの報道に使い、広く国民に新型コロナウイルスが危機的な状況になっていることを知ってもらい、はたまた、パラリンピックの競技のために空けていた体育館などの会場をコロナ感染者のために使えるようになります。
 もし、日本がちゃんとした対応のできる国だったら、病院に行けずに苦しんでいる人たちに、それこそ段ボールベッドでもいいから臨時の病床を作って、少しでも死なないようにケアをすることでしょう。パラリンピックの関係者のために用意していた食事も、コロナ感染者に転用することができるため、メシにも困りません。しかし、目の前で苦しんでいる日本人の感染者がたくさんいる中で、その人たちを自宅で見殺しにして、何事もなくパラリンピックを開催しようというのです。これも「パラリンピックの犠牲者」だと言っていいのではないでしょうか。
 なお、パラリンピックの開催で心配されているのが、ペルーで流行している「ラムダ株」が日本国内に入り込むことです。現在、日本における新型コロナウイルスの致命率は、1.4%です。ラムダ株の致命率は9.3%であることがペルーのデータからわかっていますので、もし日本でもラムダ株が流行するようなことがあると、それはそれは大変なことになります。現在までの累計の感染者数が約106万人。それに対して1.4%、1万5327人がお亡くなりになっているわけですが、もし、これがすべてラムダ株だったら、どうなっていたのか。死者数は9万8580人まで膨れ上がることになります。
 もしかしたら、ラムダ株が入ってこない可能性もゼロではありません。しかし、日本政府はオリンピック前にラムダ株が入っていたのに、それをオリンピックが終わるまで隠蔽していたということを、アメリカのメディアがスッパ抜いて、初めて日本の皆さんが知る始末です。中国共産党もビックリの超隠蔽国家だったわけですが、もはや国内に入り込んでいたことさえ隠蔽されてしまうと、いつ入ったのかもわからなくなり、日本人が大量に死んでから「ラムダだったかも!」なんていうことになってしまうのです。
 そんなわけで、隠蔽国家だと「NO DATA」になってしまい、医学的な説明をするのも難しくなってしまうのですが、想定はいくらでもできます。実際の数字は「死んでからわかる」という性質のため、具体的に見せられる時にはとてつもない悲劇が起こっていることになり、大切なのは最悪も含めた「想定されるシナリオ」をちゃんと出すことだということになります。
 ラムダ株でどれだけ人が死ぬのかをシミュレーションする場合には、今の死者数に、ざっくり「6.43」を掛ければ完成します。ぜひ、さまざまなシミュレーションをしてみてください。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

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 新型コロナウイルスのような「感染症」というのは、「感染の連鎖」によって起こるので、今日の感染が明日の感染、明日の感染が明後日の感染につながっていきます。そして、デルタ株の基本再生産数が「8」となっていますので、1人が8人、8人が64人、64人が512人という形で感染してしまい、取り返しのつかないことになります。
 借金をしてキャバクラで大豪遊をしてしまったと考えてください。両サイドに美女をはべらせ、3時間ばっかりドンペリを入れまくって楽しい時間を過ごし、64万円を使ってしまった。どこかの大金持ちなら、64万円ぐらい余裕かもしれませんが、こちとら借金をして64万円を支払った身なもので、これを返済しようと思ったら、給料のほとんどを借金返済に回す生活を半年ぐらい続けなければなりません。たった3時間の楽しさのために、半年もの地獄が待っています。そして、これが512万円だった時を想像してください。こうなってくるとマグロ漁船に乗るコースです。
 今の日本は、マグロ漁船どころか、腎臓を1個売ってくるぐらいのヤバさになっており、オリンピックという豪遊によって生まれる犠牲は、キャバクラでのお支払いではなく、その後の生活で味わうことになるのです。オリンピック期間中の死者を数えることには何の意味もありません。これからの死者が、すべてオリンピックの犠牲者となるのです。

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