見出し画像

【選挙ウォッチャー】 東京都議選2021・南多摩選挙区レポート。

6月25日告示、7月4日投開票で、東京都議選が行われました。南多摩選挙区は、多摩市と稲城市のエリアです。4年前は都民ファーストの会が2議席を獲得したのですが、斉藤礼伊奈さんが立憲民主党に移籍した関係で、自民党と都民ファーストの会が1議席ずつを分け合いそうだという情勢になっています。斉藤礼伊奈さんは当時、小池百合子旋風に乗って当選を果たしたものの、その後、お騒がせのイメージがついてしまい、今は真面目に働く議員になったものの、その評価が市民に伝わっていない感じがあります。石川良一さんは元稲城市長、小礒明さんはベテランの都議。それぞれに昔から持っている固い票田があり、根なし草の斉藤礼伊奈さんは苦戦が予想されていました。

画像1

斉藤 礼伊奈 42 現 立憲民主党(都会都整委員)
石川 良一  68 現 都民ファーストの会(都会議長)
小礒 明   69 元 自民党(元多摩市議)
上杉 直   41 新 共産党(党地域都政委長)

選挙をやる前から、ベテラン勢の石川良一さんと小礒明さんで決まっているムードがあり、立憲民主党の斉藤礼伊奈さん、共産党の上杉直さんは、かなりの苦戦が予想されていました。実際にその通りの結果になってしまったわけですが、驚くべきは票の推移です。あとで解説しますが、自民党は票を増やし、都民ファーストの会の石川良一さんも4年前とほとんど変わらない数字を叩き出しています。30%以上も票を減らしたのは、斉藤礼伊奈さんと上杉直さんの方なのです。


■ 上杉直候補の主張

画像2

独特なメガネをしている共産党の上杉直さんは、「今夏の五輪は中止し、コロナ対策に集中を!」という、極めて真っ当な共産党の主張をしている候補です。N国党とゴリゴリにやり合っている僕なので、N国党の元幹事長である上杉隆と1文字違いなので、縁起でもない名前に見えてしまいますが、上杉直さんからしたら、とんだ「とばっちり」です。コロナ封じ込めのためにワクチン接種と合わせ、学校や保育園などの定期的なPCR検査をするべきだと主張していますが、情弱のネトウヨたちには「定期的なPCR検査」にどんな意味があるのかがわかりません。おそらくネトウヨのみならず、一般の人にも分からないのでしょう。だから、何一つ間違ったことを言っていないのに、「何を言っているんだ?」というテンションで迎えられ、まったく票が伸びないのです。

画像3

新型コロナウイルスによって減収になっている病院に補填をするべきだという主張も、どうしてこんなことになっているのかが伝わっていません。多摩市や稲城市にそれぞれ保健所が必要だという主張も、一般人にはさっぱり伝わっていないのです。これは日頃から政治的な話題に触れているかどうかが大きいと思います。ちなみに、「菅政権に多摩・稲城から『ノー!」を」と訴えていますが、上杉直さんに投票したところで、「ノー」ということにはならないので、まだ41歳ですし、もっと積極的にSNSを活用して、多くの人に主張を知ってもらった方がいいでしょう。


ここから先は

4,204字 / 12画像

¥ 160

いつもサポートをいただき、ありがとうございます。サポートいただいたお金は、衆院選の取材の赤字分の補填に使わせていただきます。