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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#323)。

 実は今、「NHK党」というワードが何度もTwitterのトレンドに上がるようになっていて、久しぶりに彼らの炎上芸が「ポジティブに成功」しています。
 一体、何が起こっているのか。
 尊師・立花孝志と陰謀論幹事長の黒川敦彦は、今、「NHK党を介して中国のスパイが国会に入り込もうとしている!」と大騒ぎをしています。本当は尊師・立花孝志が繰り広げている、ただの与太話に過ぎませんが、中国や韓国の陰謀論だったら何でも信じてしまうアホのネトウヨが大騒ぎ。久しぶりに盛り上がっています。
 はっきり言って、スパイかどうかなんて確かめようがなく、善良に暮らしている市民に向かって「オマエ、スパイだろ!」と言いがかりをつけているようなものですが、仮にスパイだったとしても「ご名答! 実は、スパイでしたー!」と言ってくれるはずもなく、この話には着地するところがありません。
 しかし、久しぶりにポジティブにバズっているので、この話をやめるつもりはないでしょう。弱火になってきたら、尊師の顔がついたウチワで一生懸命煽いで火を大きくするだけです。
 まずは、どうしてこんなことになっているのかということを、構造から丸ごと理解しましょう。


■ NHK党は、政界のセキュリティーホール

中国帰化人がNHK党に公認申請してきたと大騒ぎする尊師・立花孝志(引用元リンク

 尊師・立花孝志は勝手にスパイ扱いしていますが、そもそもどうして中国から帰化された方が「NHK党から立候補させてくれないか」という流れになったのでしょうか。
 中国から帰化した2人の方を「NHK党」に紹介したのは、日本維新の会の池畑浩太朗さんと、自民党の藤末健三さんだといいます。自民党も日本維新の会も、「公認してくれ」と言われて、誰でも公認しているわけではありません。中国から帰化された方だと、公認のハードルはさらに高くなってしまうことでしょう。そんな中、国政政党で唯一、「お金さえ用意してくれれば、誰でも公認する」と公言していたアホの政党がありました。それが「NHK党」です。
 当選する確率は極めて低く、立候補すること自体が「ウンコしている瞬間を全世界に生配信される」ぐらいの黒歴史になりますが、情弱はそんなことを知りませんので、「国政政党から公認をもらう」という目的だけは達成できます。だから、よりによって「NHK党」なんていう反社会的カルト政党を紹介したのでしょう。
 一番悪いのは、日本維新の会の池畑浩太朗さんと、自民党の藤末健三さんです。もし「公認してほしい」と言ってきた人に対し、親身になってアドバイスするのであれば、「N国党だったら公認をもらえるだろうけど、そこだけは絶対にやめた方がいい」となるだろうに、「うちはダメだけど、公認もらえるところがあるから紹介してやるわ」で、反社のN国党を紹介しているのですから、こんなふうに面倒事に巻き込まれているのは自業自得です。善良に生きてきた中国出身の方が、まるで「スパイ」のように扱われ、酷い誹謗中傷を浴びるようになってしまった責任の一端は、日本維新の会の池畑浩太朗さんと、自民党の藤末健三にもあります。もちろん、「NHK党」というアホの政党は、もっと悪いですが・・・。

齊藤健一郎:ノーマスクで餃子屋を潰した堀江貴文の秘書。
 黒川敦彦:ユダヤ陰謀論とコロナ陰謀論にどっぷりのN国党幹事長。
 山本太郎:れいわ新選組の山本太郎代表と偶然にも同姓同名の男。
 久保田学:居住実態がほとんどない元AV男優のニコ生主→裁判認定。
  西村齊:元在特会幹部、様々な極右団体に携わるネトウヨ界のドン。
 ガーシー:BTSに会わせる詐欺で海外逃亡中の暴露系YouTuber。
 油山真也:元暴力団の組長であることを公言する、元組長YouTuber。
 

 これは、今度の参院選で「比例区(全国比例)」から立候補してくるNHK党の候補者一覧です。見てもらったら分かりますが、「珍獣博覧会」でも開催しているのかというメンバー構成です。このメンバーの中に入って選挙を戦おうというのです。「情弱」以外のナニモノでもありません。

 はっきり言いますが、この本は1月20日に発売されているので、事前に読んでおけば、こんなことにはならなかったのではないでしょうか。自分が立候補しようとしている政党のことすら勉強しないで「公認してくれ」と言ってしまう人も情弱を極めています。
 そして、こうしたメンバーの中に加わって参院選を戦おうとしている話をしているのですから、どう考えても「情弱」です。中国のスパイがこれほどまでに「情弱」でしょうか。僕にはただの「ホゲホゲした人」にしか見えません。
 そもそも、どうしてこういう話が「NHK党」に来るのかということで言えば、それはオマエたちが「お金さえ出せば、誰でも公認する」と公言しているばっかりに、「それなら金を出すから公認してくれ」という人が来ているだけです。政界のセキュリティーホールを作っているのは、他ならぬ自分たちなのだという自覚もなく、すべてを他人のせいにしているのは、相当に頭が悪いとしか言いようがありません。


■ 登場人物全員無能の顛末

こうした黒川敦彦のツイートを鵜呑みにする奴は、だいたい情弱のネトウヨ(引用元リンク

 この1つのツイートに、登場人物が全員無能だということが滲み出ていますので、皆さんには冷静に見ていただきたいと思います。
 まず、藤末健三さんの話によれば、帰化された中国出身の方は、浜田聡を通じて立花孝志に紹介されたとしています。この時点で、浜田聡にチェック機能がなかったことを示しています。おそらく浜田聡は、来た話を右から左に流し、「とりあえず」で、尊師・立花孝志につないだのでしょう。
 逆に、自民党は岸田文雄総裁まで行きません。岸田文雄総裁まで届くはるか手前の末端のところでN国党に投げられているからです。N国党は下が無能なので、すぐさまワンマン社長のところまで行きます。
 尊師・立花孝志と面会した際、どうやら幹事長の黒川敦彦も同席していたようです。そこで「お金を出すから公認候補として立候補させてほしい」とお願いされたのでしょう。そりゃそうです。オマエの所は尊師が「諸派党構想」と言い出し、600万円の供託金さえ用意してくれれば誰でも公認すると宣言しているのですから、「お金を出すから立候補させてくれ」とお願いするのは、何もおかしいことではありません。逆に、お金を出すことがオマエの所から立候補する条件でしょうが!
 そして、お金で解決するなら話は早いです。お金を出すので、より当選確率の高い「特定枠」で立候補させてくれないかという話になるに決まっています。なのに、「紹介業務に奥様を連れてきたからスパイだ!」という謎のロジックをかます黒川敦彦。登場人物があまりにアホすぎて、話になりません。こんなマヌケな話に脳味噌をアハつかせて、「やっぱりNHK党しか信用できない」とホザいているネトウヨは、とてつもなくチョロいです。


■ 中国陰謀論とロシアのプロパガンダ

ロシア側の主張を一方的に垂れ流し、ロシアのプロパガンダに加担する黒川敦彦(引用元リンク

 ネトウヨが喜ぶので、日本に帰化された中国出身の方には「スパイだ」と大騒ぎする一方で、よりによって、その日のうちにロシア大使館の参事官を招いてYouTubeで対談し、「ロシアを悪者にしているのは、メディアによるプロパガンダだ!」と言い出しています。

 黒川敦彦の脳味噌が沸いていることは、「コロナの治療や感染防御に関して研究している科学者チームの方々が有効だと情報提供してくれたもの」と前フリをした後に、「マスクの裏にワサビを塗ればコロナに効く」とホザいていた時点でお察しいただけるものと思いますが、ロシア大使館の人間を連れてきて、「ウクライナが悪いんだ!」という話をさせて、「やっぱりロシアが悪者になっているのはプロパガンダだ!」と言っているのは、まだまだワサビの量が足らないとしか思えません。
 ロシアの政府側の人間を連れてきて、「ロシアが悪い」なんて言うはずがありません。そんなもの、N国信者を連れてきて「尊師が悪い」なんて言わないのと同じです。先日、N国信者の黒瀬信明に、NHKの持っている個人情報を人質に取り、NHK会長と面談してくれないと個人情報をネット上にばら撒くと脅し、実際に個人情報を垂れ流し、不正競争防止法違反や威力業務妨害などに問われ、懲役2年6ヶ月・執行猶予4年という判決を受けたことについてどう思うんだと聞いたら、「立花さんにしかできない立派なことだと思います」と言っていたので、それと同じです。その話を聞いて「立花孝志のやった犯罪は、立派な犯罪なんだ!」と皆さんに垂れ流したら、おかしなことになるでしょう。
 そんなこともわからないアホが、国政政党の幹事長という立場を利用してロシア大使館とコンタクトを取り、こういうYouTubeを流し、皆さんに大きな声で「ロシアは悪くない!」と言っているのですから、これこそ政界のセキュリティーホール以外のナニモノでもないのです。

 僕はこれまでずっと同じことを言い続けているのですが、「バカを政治家にすると日本が滅びる」のです。物の善悪すら客観的に判断できないようなバカが、ましてや選挙で選ばれているわけでもない黒川敦彦みたいな奴がやってきて、こうして国政政党をコントロールしていること自体、いくら尊師がアホとはいえ、これは大変危険なことだと言えます。


■ 帰化中国人に対するヘイトが始まった

公認した中国出身の方の会社の前で迷惑な街宣活動をする黒川敦彦ら(筆者撮影)

 もともとは「供託金さえ払ってくれるのなら誰でも公認する」と宣言したばかりか、政党交付金をキックバックすることを約束していたのが「NHK党」なので、「供託金を払うから公認してください」とお願いされるのは当然ですが、そう言ってきた人を「中国帰化人=スパイ」という安易な考えでフルボッコにしているNHK党。
 これがまたネトウヨにウケるもので、「中国から帰化した人は日本人であっても日本人ではない」という風潮を作り出し、幹事長の黒川敦彦に至っては、一度は公認した中国出身の女性(帰化しているので日本人)の会社まで行って、大音量で「スパイの疑いがある!」と騒ぐ始末です。もはや威力業務妨害としか呼べません。

右翼団体も同調して「帰化一世に被選挙権は与えるべきではない」と主張(筆者撮影)

 しかし、こうした話はネトウヨ同士で共有され、中国から日本に帰化した人たちを「中国帰化人」と名付け、こうした人たちに「スパイかもしれないから被選挙権を与えるべきではない」と主張しています。
 よく考えてもらいたいのですが、もし本当に日本で何らかの工作活動をしようとしているのだとすれば、よりによって「NHK党」などというアホの政党から立候補するでしょうか。もう言っていることが「さっきからステージで歌っているアイドルの女の子がチラチラと僕に目を合わせてくるのは僕のことを好きだからではないか」と同じです。「その後の握手会で、彼女は僕に両手で握手をしてきたんですよ。他の人は片手でした。だけど、僕の時だけは両手だったんです。これはかなりの確率で、僕のことが好きです」を言っているオジサンなので、「何はともあれ、犯罪だけはするなよ!」しかかける言葉がありません。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

黒川敦彦の頭がオーバーヒートしているのは、今に始まったことではない(引用元リンク

 自分たちが「供託金を用意してくれれば誰でも公認する」と宣言しているくせに、「それなら金を出すので立候補させてくれ」と言ってきた人が中国出身の方で、「母国で表彰されたことがあること」などを理由に、勝手にスパイ認定したあげく、わざわざ会社の前で威力業務妨害をかまし、ネット上にヘイトを撒き散らしたあげく、「命の危険の水域に入ってる」と被害妄想をこじらせ、最終的に「頭がオーバーヒート気味」だそうです。
 黒川敦彦の頭がオーバーヒートを起こし、エンストしているのは、今に始まったことではありません。いつもです。多くの人は「NHK党」が何なのかを知らないので、たいそうなことが起こっているような気になるかもしれませんが、すべては「中二病のオジサンたちの妄言」です。

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