【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#267)。
今、NHKから国民を守る党、改め、NHK受信料を支払わない方法を教える党の上杉隆幹事長が、「FLASH」のスクープ記事を喰らい、いつになく炎上している。党首の立花孝志は炎上しすぎて「ただの灰」になっているので、代わりに幹事長が燃える作戦なのだろうか。詳しくはぜひ「FLASH」の記事を読んでいただきたいのだが、親族がこぞって上杉隆幹事長の悪行を訴えているのだから、燃料は無限にあると言ってもいいだろう。親族さえも、今の上杉隆に対して、黙っちゃおられんというわけだ。
■ FLASHのスクープと上杉隆のリアクション
まず、「FLASH」の記事であるが、ざっくりと内容を説明すると、上杉隆の会社はAIをウリにしていたが、そのAIがあまりに使い物にならないポンコツだったので、実際は人力で検索していたとか、「ニュースオプエド」に出演した女性たちを妊娠させてトラブルになっていたとか、弟を「N教党」の公設秘書に起用し、10万円のキックバックをするように強要してきたとか、数々の倫理観に欠けた人間性が浮き彫りにされている。
これに対して、上杉隆はYouTubeで反論。「自分はニューヨークタイムズで3年働き、日本に世界標準のリテラシーを定着させるために奮闘してきたが、ダメだった」と述べている。多くの方がお気づきだと思うが、これではまったく反論になっておらず、報じられている自分の行動を棚に上げ、なぜか「FLASH」の取材方法が悪い、もっと言えば、これだから日本のメディアにはリテラシーがないという話になっているのだ。しかも「FLASHにはニューヨークタイムズのようなリテラシーがない」とまで言っているのだから、いまや上杉隆の言葉に騙される人もいないだろう。なぜグラビア交じりの週刊誌に、ニューヨークタイムズと同じものを求めるのだろうか。
上杉隆は、反論のYouTubeの中で、タイトルの「弟妹」という漢字は、普通は妹を先に書くはずだなどと、どうでもいい話をグダグダしながら、3つの見出しについて反論している。
1つ目の「AIの中身は人力」に関しては、NECを独立した優秀な3人から技術を買い取り、一緒に共同開発したものなので、この記事はNECのような立派な会社を使い物にならないと言っているようなものと反論。しかし、NECから独立しているのであれば、その人はNECの人間ではないわけで、NECを批判していることにはならならないのではないだろうか。
さらに、上杉隆はこうしたAI技術から生まれたものは「物」ではないので、記事にあるように「国民民主党に売ることはできない」と反論した。
だが、肝心の国民民主党・玉木雄一郎代表は、AIによって提供されたものだと認識し、十分に価値のあるものだと判断したので、お金を支払ったことに何の問題もないとしている。つまり、売買が成立していることを認めているのだ。実際、N教党に遊びに来たナースコスプレの女性を代表取締役に据えた「AI SOLUTION KYOTO」にお金が支払われていたことは、国民民主党の収支報告書からも明らかである。物として存在しなくても、サービスとして提供されてお金が支払われているのなら、それを「売った」と表現することは何もおかしくない。
2つ目の「女性3人を妊娠」に関しては、プライベートに関することは一切答えないフランス型のジャーナリズムを踏襲しているので、これからも一切答えるつもりはないという話で終了。
3つ目の「80代実母を恫喝」に関しては、これまで母の面倒を見てきたのは長男の自分だと主張。お金の面倒はすべて自分が見ているとして、自分が恫喝することはあり得ないとキッパリ否定。この日も、母のために「正泰苑」という知る人ぞ知る名店のお弁当を買ってきたと言い出し、ご丁寧に弁当を見せるアピールをしていたのだが、デジタル時計を見せながら放送する立花孝志スタイルでお届けするため、示された時刻は20時24分。これからYouTubeを撮り終え、母ちゃんに弁当を届ける頃には21時を過ぎているだろうし、そこに来ての焼肉弁当である。いくら名店の焼肉とはいえ、85歳の母ちゃんに21時を過ぎての焼肉弁当は、とてつもなくヘビーではなかろうか。これで「恫喝なんかするわけない」と言われても、ただただ母ちゃんの体が心配になる。
上杉隆の主張は、この動画のタイトルにもある通り、「徹頭徹尾の創作記事」だということである。すべては捏造だと言いたいようなのだが、この騒動について、立花孝志が擁護するために立ち上がった。
■ 上杉隆の報道を勝手に認める立花孝志
かねてから言っていることだが、「無能」というのは、動けば動くほどマイナス方向に力が働く。悲しいかな、こんなことなら何もしない方がマシだったという結果に落ち着くのが「無能」という生き物である。
立花孝志は、「ダブルたかし」の上杉隆幹事長が、けっしてクソ人間なんかではないとエクストリーム擁護をかますため、わざわざYouTubeをアップした。ところが、立花孝志は上杉隆が認めていないことまで勝手に認め、結果として、上杉隆幹事長のクソさ加減が補強される始末だ。例えば、かつて立花孝志の公設第一秘書を務め、「部下中の部下だった」と認める上杉隆の弟を「ポンコツ」呼ばわりしたあげく、披露したポンコツエピソードがコチラである。
「僕のね、背広をコロコロ転がして行ってくれるのはいいですけど、僕の背広を引きずって穴を開けたりとかですね、そんなもう平気でポンコツ第1号とか、そんなレベルです。で、それは僕もまあいいよいいよって感じで、僕のスーツが1枚穴が開けられたぐらいで当然、文句は言ってないし、今も文句を言うつもりはないんだけど、ポンコツ度が激しいんですよ」
上杉隆の弟がポンコツである根拠は、「スーツに穴を開けたから」。立花孝志としては、スーツに穴を開けられたぐらいでガタガタ文句を言うような小さい人間ではないということをアピールしたつもりで、一生懸命「スーツ1着ぐらいで文句はない」と言っていたが、かつて部下だった人間にスーツに穴が開いたぐらいで、全世界に向けて実名を挙げ、YouTubeで発信してポンコツ呼ばわりなので、本人にクレームをつけるよりも器が小さい。
そして、上杉隆が貝のように黙っている女性問題についてだが、上杉隆の弟は上司である立花孝志に内部告発をしたようなのだが、立花孝志のような人間に内部告発をしても、ただ暴露されて終わるだけなので、結果、このように述べている。
「話があるということで、あ、っていうか、メールが来たんだ。その慶太君があちこちにお兄ちゃんの悪口を書いているメールが来て、で、2通目が来たのかな。で、ちょっと話をしようって言って、彼と参議院会館の1階にある、あ、地下1階にある喫茶店で2人で話をしたんです。そうすると慶太君は、お兄さんに子供がいると。隠し子が3人いるという話をした。ここは記事のところで幹事長も否定もしていないし、プライベートは答えないと言っているんで、まあべつにこれは3人子供がいることについても、何ら問題ない。それはいいでしょうと」
せっかく上杉隆が「プライベートは答えない」と言って、肯定も否定もしていないのに、「確かに弟は隠し子がいると言っていた」と全世界に発信する立花孝志。立花孝志には倫理観が欠如しているので「問題ない」と言っているが、複数の女性と関係を持ち、それぞれの女性との間に子供が生まれているのだとすると、そこに責任が発生するのは当然である。しかも、立花孝志はFLASHにも載っていないような情報を暴露する。
「問題は、それこそね、2人同時に妊娠してるって言うんですよ。このAさんとBさん、簡単に言うと、今、結婚して調停中となっているBさんとAさん、2人妊娠させているって言ってきたんです、僕に。で、僕はその時に当然、弟が言うことだから、『そんな状態なの?』っていうことで」
上杉隆が「徹頭徹尾の創作記事」と主張しているもの、上杉隆の弟から同じ話を聞いていたとゲロってしまう立花孝志。だとすると、記事の内容が徹頭徹尾の創作とは言えなくなる。立花孝志が創作ではないと認めているようなものだ。
しかも、この時に立花孝志は「上杉隆から弟にパワハラがある」と感じたそうで、立花孝志いわく、パワハラについては「インプットした」そうなのだが、いかんせん無能なので、上杉隆の目の前で弟に「こういう話をしたよな?」と問い詰めたところ、上杉隆の弟は「そんなこと言ってません」と否定したという。それで、この表情で「はぁ?」である。
せっかく勇気を出して立花孝志に内部告発したのに、パワハラを受けていることを把握していながら、そのパワハラ加害者の前で、立花孝志にタレ込んだことを白状しろと言われたら、そりゃ誰でも否定するのではないだろうか。立花孝志は一体、何をインプットしたのだろうか。
もっとタチが悪いのは、上杉隆が否定しているはずの10万円のピンハネについて、立花孝志が認めていることだ。これは重要な証拠になるので、書き起こしておく。
「ここのピンハネのところもね、10万円を会社に入れろと幹事長が慶太君に言ったっていうのは、そりゃ言ってますよ。事実ですよ。なんでピンハネになるんですか。慶太君は、もともと、これ本人と3人で話した時に本人が言ってるんですから。ブラック企業で働いてて給料も非常に安かったと。ところが、国会議員の第一秘書っていうのは年収が800万円ぐらいあるんですよ。800万円ですよ!」
頭の悪いことに、上杉隆が否定していても、立花孝志がそもそも「ピンハネ」だと思っていないので、認めてしまった形だ。よく考えてほしい。公設秘書の給与として支払われているものの中から10万円を会社に入れろというのが、どうしてピンハネにならないのだろうか。幹事長が公設秘書の弟に10万円を会社に入れろと言ったのであれば、人はそれを「ピンハネ」と呼ぶ。
ちなみに、立花孝志は「上杉隆の弟があまりにも無能だから浜田聡が解雇した」と話しているが、かつて上杉隆はN国党との業務契約を変更し、弟を秘書業務から撤退させるように申し入れたと報告している。何が本当なのか分からないのがN教党なので、どっちでもいい話ではあるが・・・。
■ 選挙ウォッチャーの分析&考察
立花孝志は、これだけ上杉隆の週刊誌報道について語った後で、どうしても私のことに触れておきたかったのだろう。刑事告訴やら民事裁判やらの話を出し、「ちだいは刑事事件で追及されるかもしれない人間だ」というイメージをつけようと頑張っていたのだが、不正競争防止法違反をはじめ、3件の刑事裁判が進行中で、4件目の公職選挙法違反が加わるかもしれず、「いざとなったら自首する」と言っている人間に言われる筋合いはない。
そして、私とハーバービジネスオンラインの契約が6月末で切れると豪語していたが、これはまったく不正確な情報である。なぜなら、私はハーバービジネスオンラインと何の契約も結んでいない。連載を持っているわけでもないので、そもそもハーバービジネスオンラインが私の記事を載せないと判断した瞬間、その日から記事は出なくなる。まるで私がポンコツだからクビになるという印象をつけようとしたのだろうが、現実というのは皮肉なもので、クビになるどころか、仕事が増えそうな勢いである。
これまで「N教党」の記事というのは、あまりに端っこの政党なので、自民党や立憲民主党の記事に比べ、ニュースバリューは相当低かった。誰にも興味を持ってもらえないコンテンツだったのだが、最近はN教党があまりにカルト的であることを多くの人が知るようになり、大変よくバズるようになった。昔は「立花孝志に訴えられている」と言えば、大変なことだと思われたものだが、今では「立花孝志に訴えられている」と言うと、喜んでもらえるようになった。「現在進行形で5件も訴えられている」と言うと、手を叩いて喜んでもらえる。それくらい立花孝志の裁判が「ギャグ化」している証拠である。それほどまでにN教党を取り巻く環境は変化しているし、私を取り巻く環境というのも変化しているのだ。
だから、立花孝志が動画で私の名前を出せば出すほど、私は最終的に「N教党をぶっ壊した人」として伝説になることだろう。ペンの力で国政政党をぶっ壊したとあれば、今後、「一流の物書き」として扱われるようになるかもしれない。どうしてこうなったのか。最初の話に戻るが、無能というのは動けば動くほどマイナス方向に力が働くものだ。私を攻撃すれば攻撃するほど、私にとってはプラス方向の力が働く。攻撃されれば攻撃されるほど私の方が強くなってしまうのである。すべては立花孝志が無能だから。