【選挙ウォッチャー】 沖縄県知事選&沖縄統一地方選・取材メモ(前編)。
9月11日投票で、沖縄県知事選と沖縄統一地方選が行われますが、どうしても新型コロナウイルスに感染したくない僕は、取材をするかどうかをギリギリまで悩みました。当初はフェリーで行くことも考えましたが、フェリーが満席のため、やむを得ず飛行機で行くことになり、その飛行機も混雑していて、感染のリスクは非常に高いです。しかし、歴史的な選挙の記録を残さないわけにもいかず、加えて、「選挙ウォッチャー」としての収入を考えると、生活のためには背に腹は変えられない部分もあり、9月1日から9月11日までの日程で沖縄を取材することになりました。
沖縄にも僕のことを支援してくださる方がたくさんいて、久しぶりに皆さんに会いたい気持ちではあるのですが、大変申し訳ありませんが、新型コロナウイルス感染防止のため、人との接触を最小限に抑え、外食も自粛しております。なので、ひっそりと取材をしておりますので、どうか見かけても声をかけず、遠くから見守っていただければ幸いです。
■ 今回の沖縄取材のポイント
今回の見どころは、何と言っても、玉城デニー知事の再選なるかという沖縄県知事選と、那覇市長選に立候補する翁長雄治さんが抜ける穴を埋めるための沖縄県議補選です。どちらも白熱した戦いになると予想され、レポートは非常に面白くなると思います。
今のところ、9月2日と3日で沖縄県知事選と沖縄県議補選を取材し、4日から各地で始まる市長選や市議選の取材をしたいと考えております。
また、N国党が2人、参政党が4人以上の候補者を擁立する動きを見せていて、こうした新興勢力の沖縄県進出も追いかけたいと思います。このレポートでは、誰をどのような日程で取材するのかを明確にするため、自分用のメモと見どころの紹介を兼ねて、記事にします。
■ 印の見方
今回、つけている印は、あくまで取材メモであり、当落の予測ではありません。取材の優先順位を表していて、[◎]となっている候補は、ぜひとも取材がしたいと考えています。
まだ選挙が始まっていない段階でまとめているので、今後、候補者がわかり次第、追加していく可能性があります。1週間で撮るべきものをすべて撮らなければならないので、かなりハードスケジュールです。
① 沖縄県知事選の取材
沖縄県知事選は、今回の取材のメインディッシュです。現職の玉城デニーさんが2期目を決めるのか、それとも、自民・公明推薦の佐喜真淳さんがリベンジを果たすのか。実質的には、この一騎打ちとなっており、下地幹郎さんが玉城デニーさんや佐喜真淳さんの票をどれくらい削るのかが注目されています。
これまで名護市長選、石垣市長選、南城市長選、沖縄市長選など、主要な自治体の市長選はすべて自民・公明推薦の候補が勝っていることから、オール沖縄に逆風が吹いていることは間違いなく、沖縄経済界が佐喜眞淳さんに回っているとの噂もあり、今後の情勢から目が離せません。
選挙戦に突入し、新型コロナウイルスの新規感染者数もギリギリで落ち着いてきたことから、玉城デニーさんが存在感を示し、選挙序盤の情勢調査では、玉城デニーさんが先行していると伝えられています。ただし、佐喜眞淳さんが本気を出すのは、沖縄統一地方選が始まってからだと思います。
前回は単独で沖縄県知事選が行われましたが、今年は沖縄統一地方選とのセットになっており、各地の市議選や町議選に立候補する自民・公明系の候補者たちが、「地元は自分、知事は佐喜眞でお願いします」という活動をすると思われ、そうなった時から猛烈な追い上げを見せ、情勢が一気に逆転する可能性があると見ています。
ただし、佐喜眞淳さんの足元には「統一教会との関係」が転がっていることから、ネガティブなイメージを払拭できず、どこまで票を伸ばせるのかが微妙になりつつあります。いずれにしても、前回同様、かなり激しい戦いが予想され、全国的にはあまり盛り上がっていませんが、沖縄県民の人たちにとっては、投票日が近付くにつれ、熱が帯びてくるのではないかと思っています。
② 沖縄県議補選(那覇市・南部離島)
沖縄県議補選は、10月23日の那覇市長選に立候補する翁長雄治さんが辞職したため、欠員1を争う白熱した戦いになりそうです。いわゆる「革新分裂」状態となっており、沖縄社会大衆党の中で分裂しています。
今回、翁長雄治さんが後継指名しているのが、沖縄社会大衆党の副書記長をしている上原快佐さんで、まだ42歳です。しかし、そこにイメージの良い糸数慶子さんの娘が立候補したことで、面白いことになりました。
自民党は、いろいろな調整の末にネトウヨの大沢孝夫さんを擁立する計画でしたが、急遽、ミスター金城の社長役でエステサロン経営の下地ななえさんを擁立することに決めました。土壇場で「うっそーん!」という展開を迎えていますが、今から準備して勝てるものなのでしょうか。そこに参政党も立候補してきて、自民党の票を喰う可能性もあり、超カオスです。
取材の勝負は2日間で、9月2日と3日で終わらせなければ、次なる選挙に行けません。ただ、沖縄県知事選はあまり熱心に追いかけなくても、途中で必ず遭遇すると思いますので、まずは最初の2日間で、どこまで「沖縄県議補選」の取材を進められるかが、取材のポイントになると思います。
③ 名護市議選(定数26)
今年の「名護市議選」は、めちゃくちゃ面白いです。
かなり取材したい注目の候補がいて、特に取材したいのは、26歳新人の嘉陽宗一郎さんです。嘉陽宗一郎さんは、2018年の名護市長選で、渡具知武豊さんが稲嶺進さんを破った時、若者を取りまとめる中心的存在となっていた人物です。その後の沖縄県知事選でも、佐喜眞淳さんの選対本部に入って活動しており、このたび、満を持して自分が「市議」になるために立候補してまいりました。当時はウェイウェイ系の大学生でしたが、あれから4年が経ち、どのように成長しているのかを見たい人もいるのではないでしょうか。友達が多く、自民党系のコネクションもありそうなので、新人ながらに有力候補です。
一方、リベラル系で注目なのは、多嘉山侑三さんです。「うちなーありんくりん」という沖縄デマを撲滅するための発信をしている人物で、沖縄にはボギーてどこん、依田啓示、我那覇真子に代表される「沖縄ネトウヨのデマアカウント」が複数存在し、これらのファクトチェックをして、情報を発信していたのが多嘉山侑三さんです。一部の界隈では有名ではないかと思いますが、なんと、このたびの名護市議選に立候補を表明していましたので、どのような戦いをするのかが気になります。
名護市は「辺野古基地」の建設の是非をめぐって重要な自治体であることから、基地推進派と基地反対派が拮抗しており、議会のバランスがとても重要です。市長の渡具知武豊さんは「推進派」なので、議会の「反対派」が少しでも多いことが重要になります。
自民党系から若い候補がたくさん出る中、共産党の現職で29歳の吉居俊平さんも注目です。さらに、5児の母の「参政党」の新人・饒波優美さんがこの地でどれくらい票を取るのかにも注目です。
④ 沖縄市議選(定数30)
沖縄市議選は、反社会的カルト政党の「NHK党」や、参政党といった新興勢力が攻めてくるほか、統一教会との繋がりが疑われている候補など、なかなか香ばしい人がたくさん立候補してきます。
個人的には、前回の沖縄市議選で意気投合した自民党の大城隼さんに再会できたらいいと思っており、沖縄市は何かと通り道なので、あんまり会いに行く人を決めなくても、有力候補には出会えるのではないかと思っているところです。
今のところ、沖縄市でNHK党の候補が勝ってしまう可能性は低いのではないかと見ていますが、選挙は何が起こるか分かりません。選挙カーなどを用意するようにも思えず、おそらく選挙らしい選挙をできないのではないかと見ていますので、より厳しくなるのではないかと見ています。
参政党から立候補する予定の新里和也さんは、31歳で地元の不動産会社の役員をしているそうです。NHK党から立候補する崎原慎吾も不動産会社を経営しており、沖縄市で不動産会社をやっている人は、だいたいこんな感じなのかもしれません。直前まで無所属で立候補しようとしていたようですが、「参政党」から立候補したら当選できるかもしれないということで、急遽、参加を決めたようなので、どこまで「参政党」の思想が脳味噌をグニャグニャにしているかは不明です。
⑤ 南城市議選
南城市議選は、立憲民主党から独立して「沖縄農民党」なるものを立ち上げた大城竜男さんが面白そうです。しかし、やはり一番の注目は、瑞慶覧長敏さんの息子の瑞慶覧長風さんが29歳にして新人で立候補してくることです。新人ながら、高身長でシュッとした雰囲気であることもあり、元市長の人気ぶりから察するに、当選はほぼ確実ではないかと思われ、ここはサムネイル的にもぜひ取材したいところです。
南城市は、再びネトウヨ市長になって、どう変わったのかを知りたいと思っていて、本当はいろんな市民の方々と居酒屋で飲みながら話を聞きたかったのですが、今年はコロナ禍なので断念せざるを得ません。あんまり面白いレポートにはならないかもしれませんが、現状は伝えたいと思います。
⑥ 宜野湾市長選
宜野湾市長選は、前回と同じ顔ぶれで行われることになり、前回の市長選ではそこそこの差がついていたので、逆転が見込めるかどうかは、かなり怪しいところがあります。致命的な何かをやらかしたというニュースもありませんし、もしかすると、選挙はやる前から結果が決まっているような形になっているのかもしれません。ただ、ワンチャンあるという話を聞いたので、もしかしたら取材するかもしれません。
前回は仲西さんを取材したのですが、今回は松川正則さんの顔写真さえ撮れればサムネイルのルールは心配ないと思われ、3期目を目指す松川正則さんの写真を是が非でも撮りたいと思います。
玉城デニーさんとともに「オール沖縄」を演出している仲西春雅さんですが、今年は前回にも増して厳しい戦いになるのではないかと推測され、選挙レポートが面白くなる予感は全然しないので、とりあえず記録として残すだけの100円前後のレポートになるのではないかと思います。
⑦ 宜野湾市議選(定数26)
宜野湾市議選は、何と言っても「れいわ新選組」が初めて地方で議席を獲得するかもしれないので、今度という今度は見守りたいと思っている選挙です。以前、同じように「れいわ新選組」が初めて地方議会で議席を持つかもしれないと期待された日光市議選は、まったく票が取れずに大惨敗。今回こそはネットにも勢いがあることから、沖縄県知事選との相乗効果もあり、期待できるのではないかと思います。
63歳の宮城千恵さんは「プリティーちえ」の愛称で親しまれているといい、この愛称を聞いた瞬間に「大丈夫か?」とは思いましたが、沖縄は特殊な地なので、これでも当選できる可能性があるのではないかという予感はしています。「れいわ新選組」も、かつてないほど力を入れていて、大石晃子さんが沖縄入りしていることなどから、取材はしたいと思います。
宜野湾市は、返還されるはずの「普天間基地」があり、返還後の土地の活用をどのように考えているのかを見比べるのも面白いと思います。
メンバーを見る限り、立憲民主党や共産党、れいわ新選組といったリベラル系勢力も元気に活動していることから、もともと自民党が強い土地柄とはいえ、リベラル系勢力がどこまで伸ばすのかが、注目すべきポイントです。
⑧ 本部町長選
本部町長選は、2期目を目指す現職と、41歳と若くして「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を訴えている自民党推薦の新人との戦いです。本部町といえば「美ら海水族館」が有名ですが、なかなかの田舎であることもあって、現職が優勢ではないかと思います。しかし、最近は自民党に勢いがあることから、若さもあって、元町議という実績もあれば、ひょっとすると勝てる可能性もあるのかもしれません。これはこれで、なかなか面白いレポートにはなりそうです。
自民党の真部卓也さんは、島尻安伊子さんの全面バックアップを受け、そこそこ組織的に戦おうとしているので、そこまで悲惨な結果になることはないと思っています。サムネイルのことを考えると、両方とも取材しないわけにはいかず、それなりに時間がかかりそうです。
⑨ 東村議選
東村は、かなり少ない得票数が決まるため、親戚や集落の票をどれだけ集められるかで勝負が決まります。非常に排他的な村でもあり、本土から引っ越してきた人が気軽に選挙に立候補して当選できるような土地でもありません。
ここは高江の米軍演習場をめぐり、村が二分されるような議論もありました。前回のレポートで詳しく紹介したため、今年は高江のヘリパッド計画のその後など、あまり社会的な話を中心にお届けするのではなく、あくまで東村でどんな感じの選挙が行われたのかを伝えることに終始したいと思っています。
土地が広大であり、ほとんど集落の票で決まってしまうことから、街頭演説をして村民に訴えるような選挙ではなく、そもそも候補者に会えるのかという部分が一番の問題ですが、頑張って会いたいと思っています。あまり観光客がウェイウェイするところではありませんが、沖縄の感染者数を見る限り、「あまり観光客に来てほしくない」という雰囲気でもないと思いますので、可能な限り、取材をしたいと思います。
⑩ 国頭村議選
国頭村は、沖縄の北半分という非常に広大な土地ですが、やんばるの森がほとんどを占めていて、あまり人が住んでいません。ただ国頭村のサンゴでできた海岸から見る夕陽は、これ以上ないほどの絶景で、人生で一度見るべき場所です。ぜひ好きな人と一緒に見てみたい絶景中の絶景。今年こそは皆様にライブ配信でお届けしたいと思います。
今回、取材をする選挙の前半は、台風が来て天気が悪いようですが、台風が過ぎ去った後には、この絶景を拝めるチャンスがあるかもしれません。とにかく天気の良いタイミングを見計らって、しっかり国頭村を取材したいと思っております。辿り着くためには、名護から3時間ぐらいかかってしまいますが、うまいこと時間を活用しながら、国頭村を取材したいと思います。
■ 選挙ウォッチャーの分析&考察
ここから先の有料部分は、僕の選挙の取材を円滑に進めるために、選挙事務所の場所やスケジュールを発表するであろうSNSのリンクなどをまとめてあるだけです。一般の方には役に立ちませんので、買っても無駄です。
一応、念のために覗けるようになっているだけなので、必要な情報はすべて無料部分で書いてあります。あとは台風がどうなるかだけです。
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