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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#246)。

 当初は10本保証だった「N国マガジン・12月号」だが、自分なりに納得のいくものをお届けしようと思った結果、12本のレポートをお届けさせていただくことになった。これにより、1本あたりの単価は445円から370円に値下がり、裁判の訴状まで公開していることを考えれば、読者の皆さんに納得していただける内容だったのではないかと考えている。
 当初の計画では、今月のマガジンが実質的な最終回となる予定だった。皆さんに朗報をお伝えし、晴れて美酒を味わう予定だったのだが、意外としぶとく、現在も「終焉の時を迎えた」とは言えない。佳境に差し掛かっていることは間違いないが、予想外に時間がかかっている。朗報は来月号に持ち越されることとなった。


■ 精度の高い選挙情勢分析で悲惨な数字が出ている

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 振り返れば、2020年のNHKから国民を守る党の地方選挙における当落予想は、的中率が100%となった。落選者が少なく、ヒリヒリするような選挙でも、きっちりと「落選」を予測し、その通りの結果となっているのだから、そこそこの信頼度は保っていると思う。
 ちなみに、これが最新の地方選挙の予測だが、2021年にNHKから国民を守る党から立候補して当選する人は「0人」という非常にシビアな予測になっている。また、戸田市、伊賀市、あきる野市、魚沼市では供託金没収になるという予測も出ている。
 特に、戸田市で供託金没収と予測されているのは、N国信者にとっては衝撃だろう。戸田市では半年近く前からコツコツと駅前に立ち続けており、どんなに悲惨な結果になったとしても、供託金が没収されるくらいに悲惨なことになるとは思わないだろう。しかし、ここまで完璧な予測を見せつけてきた『チダイズム』の調査・分析によれば、供託金没収は免れないと見る。

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 N国信者たちは「選挙のプロ」「選挙の専門家」「選挙界の秋元康」である立花孝志のことを信じているので、私のような三流の情勢分析には微塵も興味がないと思うが、現在、NHKから国民を守る党のポジションは、幸福実現党の少し上にある。2020年12月時点でNHKから国民を守る党が獲得できるのは、約40万前後(±3万票)だと予測され、来年秋に衆院選が行われる頃には、立花孝志は収監されていると思われるため、全国の比例ブロックに11人の候補者を立てるという計画も白紙に戻されるのではないかと見ている。
 もし立花孝志の計画通りに進められた場合、供託金や選挙にかかる費用を回収しようと思ったら、社民党より多くの票を獲得しなければならない。いくら死にかけている政党とはいえ、それでもNHKから国民を守る党より支持されていて、各地に細々と組織を持つのが社民党だ。悪評だらけのNHKから国民を守る党が社民党を超える日は永久に来ない。この無謀な挑戦が大赤字になることは目に見えているのだ。
 なお、立花孝志は来年の夏までには高い壁の向こう側にいるのではないかと考えられることから、その後のN国党は、上杉隆幹事長を中心に、浜田聡新代表という体制で引き継がれ、細々と政党を維持していくのではないかと思っている。そして、立花孝志が抜けたあたりが人気低迷の底で、そこから緩やかに人気を回復していくと予測している。これはこれで厄介だが、あまりお金を使わず、解党もせず、どこまで低空飛行を続けられるのか。まるで鳥人間コンテストのようにギリギリのところで粘ると見ている。


■ 令和元年分の政治資金収支報告書・検証(#2)

 さて、ここからは昨日に続き、NHKから国民を守る党の令和元年分の政治資金収支報告書を検証していく。この報告書にはいろいろな問題があるのだが、あまりに量が多すぎるので、検証するメディアも手を焼いているかもしれない。

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 19ページからは、NHKから国民を守る党に寄付をした人たちの金額と内訳である。一応、議員の事務所や住所は公開情報であるが、ここではあえてモザイクをかける。
 NHKから国民を守る党が統一地方選で躍進したのは、この年の4月の出来事である。それまで同党にコツコツと12万5000円を寄付していた議員は、中村典子、武原正二、久保田学、酒谷和秀の4名。それ以外は免除されていたと考えられる。
 このページには明らかに不自然なポイントがある。それは3月7日に払ったとされる久保田学の寄付金が12万4352円と非常に中途半端な金額になっていることである。これまで12万5000円をキッチリ払ってきた人間が、なぜこの日に限って12万4352円という中途半端な金額を払うことになったのかという点である。当時、消費税が8%だったことから欠けている数字が648円(600円+税)であることは推測できるが、寄付をするのに648円を差し引くということがあるのだろうか。
 4月に入ってからは130万円の寄付が相次いでいるが、これは参院選に挑戦するための準備金である。この時は年利15%を約束し、1億円近い借金をしていたはずだが、このお金は「立花孝志ひとり放送局」の借入金として計上されているのか、とにかく「NHKから国民を守る党」の政治資金収支報告書には計上されていない。

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 帳尻を合わせるように、5月12日には122万0648円を支払っていることになっている。しかし、この日に久保田学がアップしていた動画では130万円と毎月の12万5000円の合わせて142万5000円を支払っていたはずだ。
 なぜ、これを私が覚えているかと言うと、5月12日は私の誕生日で、立花孝志はこの日の動画でご丁寧に私に仕掛けた裁判が「スラップ裁判」であると明言していたからである。お金を数えながら「お金は信用だ」と偉そうに御託を並べている様子を見て、詐欺師みたいだと感じたことをよく覚えている。何よりも生配信の場で「スラップ裁判」だと明言したことは私への誕生日プレゼントなのかと思ったほどである。それがなぜか帳簿の上では122万0648円という実に中途半端なお金を払ったことになっている。

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 今でも炎上系ニコ生主として活動する久保田学は、党にお金を上納する様子をコンテンツとして生配信していたため、実際に支払った金額と帳簿にギャップがあることが明らかになっている。ただ、あくまで帳簿の上では、久保田学や酒谷和秀は、政治団体(参議院で国政政党になる前)の寄付の上限である150万円の枠を守っていることになっている。
 うっかり150万円の枠を超えていることを示してしまったのが中村典子である。中村典子は6月28日に98万5000円を払ったと申告されかけたが、これでは上限の150万円を超えてしまうため、立花孝志の修正印が押され、86万円に下方修正されている。上限を超えて振り込まれてしまったのだが、これ以上は受け取れないので返金したということだろうか。
 NHKから国民を守る党が国政政党になってから寄付をしたのは、遠藤信一、大橋昌信、久保田学、百合ゆり恵、浜田聡の5名だけである。

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 気になる点はいくつもある。
 まず、参議院議員の浜田聡が党に300万円を寄付している点である。浜田聡は600万円を党に貸し付け、その上で300万円を寄付している。
 実は、ほぼすべての議員が各地に支部を持ち、衆議院議員の丸山穂高でさえ「近畿支部」を持っているのに、浜田聡は支部を持っていない。地方議員は党に寄付したお金が、政党交付金を通じて各支部に返還されているが、浜田聡にお金が返還されている様子はないのである。
 さらに、尾崎全紀や服部修など、各都道府県の選挙区に立候補し、自腹で300万円の供託金を用意した人たちは「借入金」という形にもなっていなければ、党に寄付したことにもなっていない。長野市議選に立候補した百合ゆり恵の上納金30万円は確認できるが、それ以外の候補者たちがお金を支払った形跡はなく、どのように処理されているのかが気になるところだ。
 最終的にどのような約束になっていたのかについては現在調査中だが、当初の話では、300万円の供託金を用意した人は、毎年300万円ずつ、3年間で900万円にして返済するという話になっていたはずだ。人によって話が違うのか、服部修の場合は、党が900万円分の選挙資金を用意してくれるという話になっていたようで、東京都知事選や箕面市長選などに挑戦できたのは、こうしたお金を活用してのことだと見ている。ある時から領収書や請求書を出しての精算制になったようなことも言っていた。このあたりは解明していきたいと考えているので、コロナが明ける頃に服部修や尾崎全紀を取材する日が来るかもしれない。
 最後に、大橋昌信についても触れておきたい。大橋昌信は古参のメンバーとして党に上納金を納めることを宣言していた。朝霞市議を任期途中で放り投げ、給料の高い柏市議になった時も「より高い議員報酬の自治体に行くことで党に上納金を納めたい」と語っていたほどである。ところが、大橋昌信がどれだけの上納金を払ったのかと言えば、たった一度、30万円を寄付しただけである。つまり、大橋昌信は「党のため」と言いながら、実際のところは私腹を肥やすために柏市議になったに過ぎない。口だけ野郎である。

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 さて、一番のお楽しみは、このページである。
 まず、人件費があまりに少ないという点である。NHKから国民を守る党は、私設秘書をそれなりに雇っていたはずだが、党が支払っていないのだとすると、一体、誰が給料を払っているのだろうか。今となっては無職の立花孝志も、高額の報酬が発生していると噂される上杉隆幹事長も、この政治資金収支報告書が正しいとするならば、ほとんどお金をもらっていないということになる。なにしろ、人件費が381万5000円しかかかっていないので、これを12ヶ月で換算すると月31万7916円。ざっくり1人分の人件費しか計上されていないと見るのが自然である。
 国政政党を回しているのに、備品・消耗品費は1万9999円となっており、こちらも極端に少ない。事務所のコピー用紙にしろ、トイレットペーパーにしろ、かかる経費はたくさんありそうだが、2万円未満に収まってしまうということは、私より働いていないことになる。
 さらに、選挙関係費が5611万円となっているのに、組織活動費は182万円と少ない。宣伝にも9万3500円しか使っていないことになっている。一方で、「その他の経費」が1億3331万円となっており、こんなにバランスの悪いお金の使い方をしている政党は他にない。

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 25ページは、このメルマガを読んでいる人だけが爆笑するページだ。
 私が書いた「久保田学には居住実態がほとんどない」という告発記事に対し、名誉毀損で訴えたものの、逆に「スラップ裁判である」と認められ、原告が被告にお金を払わなければならなくなった例の裁判。地裁では立花孝志が裁判資料を作っていたが、高裁では弁護士に任せていた。時期と金額から考えて、これは私との裁判の高裁分ではないかと推測される。
 結局、例の裁判は、地裁では78万円の支払い命令が下されたが、高裁ではさらに金額が乗り、94万円の支払い命令が下されている。これこそ立花孝志が自腹を切るべきお金だと思うが、NHKから国民を守る党はこの年の10月と12月に約6000万円の政党交付金が支払われているため、税金で弁護士費用の穴埋めが行われたと言ってもいい。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

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 この時期、マブダチの堀江貴文のミュージカルにゲスト出演するのが毎年恒例になっているが、美女に囲まれている立花孝志を見て、もうシャバの世界に思い残すことはないだろうと思った。思う存分、刑務所に「行ってらっしゃい!」である。
 そんなことより心配されるのは、NHKから国民を守る党の資金繰りはかなり厳しいものと見られることだ。「何でもオープンにする」ことをウリにしていたはずのNHKから国民を守る党が、次の党総会に限っては非公開で行うことを宣言しているので、何か一般には知られたくない話を切り出さなければならないのだろう。それは明らかに「党名変更」の件ではないと考えている。
 そろそろお金の話が切り出されてもおかしくない頃だと思うので、非公開になっている次回の党総会こそ注目である。内容をうっかりゲロる党員もいるだろう。週末はN国党から目が離せない。(追記:どうやらパンフレット事件の話が大々的に話し合われるようだという情報も入っている。)

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