見出し画像

【選挙ウォッチャー】 東京五輪と新型コロナウイルス(#1)。

 言うまでもありませんが、今回の東京五輪の強行開催は、日本に最悪の事態を招くことになります。おそらくデルタ株の蔓延によって、東京の医療崩壊は避けられない状態になり、第4波の大阪よりも酷いことになることは確実だとみられます。ワクチン接種によって65歳以上の高齢者の感染は少なくなるかもしれませんが、40代から50代の重症患者は増えるし、デルタ株の重症率の高さを考えると、20代や30代でも重症化し、亡くなる方は続出するだろうと見ています。
 僕は「選挙ウォッチャー」をしていますが、国民の多くが「中止か延期にするべきだ」と考えていた東京五輪を強行開催したことは、自民党を壊滅に追い込んでも不思議ではないほど、国民に大きな不満をもたらす可能性があり、今後の衆院選に大きな影響を与えることになるだろうと考えています。なので、東京五輪がどのように失敗し、何が起こっていたのかを記録として残しておくことが必要だと考えました。あとで振り返った時に、菅義偉政権をはじめ、日本の政治家たちがどれだけバカだったのかを知っていただきたいと思います。


■ 小山田圭吾の炎上問題について考える

 東京五輪の開幕まで1週間に迫った段階で、聖火の火よりも燃えていたのが、開会式の音楽などを担当していた小山田圭吾さんです。
 1994年の雑誌のインタビューで、それはそれはえげつないほどのイジメをしていたことを笑いながら告白。障碍者の同級生を全裸にさせて自慰を強要したり、ウンコを食わせたり、バックドロップをしてやったと武勇伝のように語り、当時から多くの人をドン引かせていました。しかし、小山田圭吾さんの「コーネリアス」は、B’zやサザンオールスターズのような国民的ミュージシャンではなく、どちらかと言えば、知る人ぞ知るシャレオツな音楽をやる人だったため、このインタビューそのものは、音楽業界では広く知られていたものの、一般の人には全然知られていないエピソードでした。
 ところが、東京五輪の開会式の音楽を担当することになり、さらにはパラリンピックの音楽も担当することがわかり、「障碍者をイジメていた男がパラリンピックの音楽を担当するなんて、頭が悪すぎるだろ!」ということになって、消せないほどの大きな火となって燃え上がり、最終的には辞任に追い込まれることに。「まぁまぁ、昔の話なんだから」と擁護した人たちももれなく炎上することになり、本人も「深く反省しています」と声明を出したものの、雑誌のインタビューでは「反省してます(笑)」だったため、本当に反省しているのかどうかがわからないということで、謝罪しても炎上の火は衰えることがなく、辞任する以外に収める方法がなくなってしまったというわけです。
 ただ、障碍者の同級生にウンコ食わせていたという話は、あまりにショッキングすぎるため、世界のメディアも報じるようになってしまい、また日本のイメージを損なうことになりました。
 今から思えば、東京五輪のロゴマークを決める時にも「パクリ疑惑」が浮上し、大きな問題になりました。どうしてこんなことが起こるのかと言ったら、せっかくの東京五輪なんだから、日本の最高を世界にお届けしようという発想ではなく、お友達同士でオリンピックマネーにあやかろうとしていたことが問題だったのではないかと思います。そして、オリンピックマネーにあやかろうとする奴なんて、最初からろくな奴がいないので、こうやって次から次へと問題が発覚してしまうのではないかと思います。


■ オリンピック選手が次々と感染している

 オリンピックに向けて頑張ってきたアスリートたちが、最後の最後に新型コロナウイルスに感染して出場できなくなるという事態が続出していることを記録しておかなければなりません。このレポートをアップしている時点で発見されているアスリートの感染は、以下の通りです。

画像4

 このうち、南アフリカ代表選手とビーチバレーの選手は、選手村で陽性が発覚した人で、選手村では「PCR検査」ではなく「抗原定量検査」が採用されているため、無症状の感染者を見つけることが難しく、今後、さらに感染が広がるのではないかという懸念があります。
 この「PCR検査」ではなく「抗原定量検査」が採用されてしまう背景には、手を洗うヤブ医者のバカをはじめ、PCR検査のことをよく知らなかったアホの医療クラスタが「PCR検査抑制論」を展開したために、本邦だけで出回る「PCR検査は偽陽性がたくさん出る」などのデマなどにより、精度の低い「抗原定量検査」が正当化されてしまい、選手村で余計に感染者を増やすアホアホ大作戦が展開されていることに大きな理由があります。
 選手村で「抗原定量検査」が採用されている以上、これからますます感染者が増えると考えられるため、『チダイズム』では、今後も選手の感染状況をチェックし、まとめていくことにいたします。


■ 菅義偉総理大臣には出口が見えている

 感染者はこれからどんどん増えそうなのに、菅義偉総理大臣はIOC(国際オリンピック委員会)の総会に出席し、冒頭の挨拶で「新型コロナ感染拡大は世界中で一進一退を繰り返しているが、ワクチン接種も始まり、長いトンネルにようやく出口が見え始めている」と述べたといいます。

画像2

 現在、日本でワクチンの2回接種を終えた人は、国民全体の約20%に過ぎません。しかも、そのほとんどは65歳以上の高齢者となっており、輸送を手伝うバスやタクシーの運転手やボランティアスタッフ、ガードマン、あるいは、コンビニやホテルの従業員などはワクチン接種が終わっていない人がほとんどです。
 今回の東京五輪は、若い人たちを中心に、まったくワクチン接種が進んでいない状態で迎えることになっており、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県では病床が埋まりかけている状態です。もし、このままのペースで感染者が増え続けた場合、医療崩壊は避けられないため、「出口」どころか「地獄の入口」に差し掛かっていると言った方が適切です。菅義偉総理大臣は、何を見てそう言っているのでしょうか。


■ 埼玉県の大規模接種が突然の中止になった

 埼玉県が実施しているワクチンの大規模接種が、8月1日から15日にかけて中止になることが明らかになりました。中止になった理由は、国から何の説明もなくワクチンが供給できなくなったと伝えられたから。政府から19日になって、モデルナ製のワクチン1万4000回分を配送できなくなったと一方的に連絡があり、説明はなかったそうです。
 埼玉県では、8月から学校の先生、高齢者施設の職員、警察官などのエッセンシャルワーカー向けのワクチン接種を実施する計画でしたが、これによって先延ばしになってしまい、東京都の隣でエッセンシャルワーカーの命が守られない状態になっています。
 ここでワクチン接種をできていれば、せめてパラリンピックの後半ぐらいには抗体を獲得できたと思うのですが、これでオリンピックやパラリンピックの期間中に抗体を獲得することはできなくなりましたので、準備不足としか言いようがありません。
 ちなみに、神奈川県でも同様のことが起こっていて、26日の週に届く横浜市分の180箱(1万8000回分)と、川崎市分2箱(200回分)の配送がなくなると19日に連絡が入ったといいます。モデルナのワクチンがどんどん供給されなくなり、現場は大混乱です。
 なお、この状況に自民党の下村博文政調会長は、「ワクチンが不足しているという風評が広がっている」とコメントしています。ワクチンが不足していないなら、どうして供給されないんだという話なので、政府の要人たちがどいつもこいつもホゲホゲしたことを言っています。


■ 緊急事態宣言に効果がなくなっている問題

 東京では4回目の緊急事態宣言が発令されているのですが、3回目の緊急事態宣言の時に比べ、日中・夜間ともに人出は増加傾向にあり、国民があまり自粛してくれなくなっていることが、NHKの報道でわかりました。
 例えば、渋谷のスクランブル交差点付近の人出は、3回目の緊急事態宣言の時と比べると、日中で37%、夜間で31%増加。東京駅付近では日中が30%、夜間が31%の増加となっており、それぞれ3割ぐらいは増えていると言えます。一方、沖縄では緊急事態宣言が延長されていますが、こちらは那覇市の県庁前付近で日中が15%、夜間が26%の減少となっているそうで、感染を防止するために自粛する傾向にあることがわかります。
 「緊急事態宣言」の効果がなくなってしまうのは当然のことで、政府はまったく自粛することなく東京五輪を強行開催しているのに、僕たちが自粛する意味って何なのだろうということになってしまいます。国民には自粛を押し付けるけれど、金儲けしたい人たちの権利は守る。こんなことをしていて国民の理解を得られるはずがないので、東京を中心とした新型コロナウイルスの蔓延は、いよいよ入院したくても入院できなくなり、自宅で亡くなる人が増え、救急車が患者の搬送に数時間かかるようになって、初めて自粛が始まるのだろうと予測しています。これから東京に地獄が広がることは避けられない状態です。


■ ボランティアや陸上自衛隊が感染し始めている

 東京五輪の警備などの支援をしている陸上自衛隊の部隊の50代の隊員が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。東京五輪では約8500人の自衛隊員が警備や会場での救護支援にあたることになり、18日に部隊が発足。ところが、18日にさっそく体調不良を訴え、PCR検査を受けた結果、19日に感染が確認されたということです。現在、陸上自衛隊では保健所と連携して、濃厚接触者がいるかなどを詳しく調べることにしていると言いますが、さっそく感染が広がっていることを示しています。
 また、7月20日には国内在住のボランティアが感染していることを確認しており、わざわざ無償で東京五輪を手伝っているのに、感染して帰るという悲惨なことが起こっています。


■ 経済界の重鎮たちが東京五輪の開会式をボイコット

 東京五輪のスポンサー企業たちが、お金は払うけどCMは流さないという究極の損切りを始めています。その筆頭となるのが「トヨタ自動車」で、国内の放送は中止。豊田章男社長は開会式にも不参加。これに続き、パナソニックの楠見雄規社長も開会式には不参加を表明しました。
 この動きは経団連にも及び、十倉雅和会長(住友化学会長)は、東京五輪組織委員会から参加の要請があったそうですが、「国民の一人として、家で家族と見ることにした」と語り、不参加を表明。日本商工会議所の三村明夫会頭、経済同友会の桜田謙悟代表幹事も不参加を表明。なんと、経済界がことごとくボイコットを始めるようになってしまいました。


■ 選手村の部屋が酷すぎると話題に

 かつて滝川クリステルさんが「お・も・て・な・し」と言って、東京五輪の開催が決まったわけですが、東京五輪の選手村の部屋が酷すぎるということが、海外のメディアでも少しずつ紹介され始めており、日本でオリンピックをやらせてもらえることは二度とないんじゃないかという感じになってきました。
 そもそも選手村は、オリンピックが終わった後にそのままマンションとして転売する予定となっているため、基本的な構造は、そのまんまマンションです。そこにダンボール製のベッドが置かれているだけで、選手たちは最大8人ぐらいでマンションの一室に押し込められることになります。
 ホテルと違って「マンション」なので、1人ずつにトイレが割り当てられているわけではなく、4人で1つのトイレを使うことになり、新型コロナウイルス対策という意味では最悪。さらに、このマンションの部屋には冷蔵庫が置かれておらず、テレビも1つ設置されているだけ。海外の選手が「冷蔵庫もないのかよ!」とぶったまげたわけですが、橋本聖子会長も、武藤敏郎事務総長も「今のようなお話を初めて聞いた」とホザく始末。ちっとも「おもてなし」なんかできていなかったのです。
 これに加えて、密かに問題になっているのがダンボール製のベッド。海外では「アンチセックスベッド」と呼ばれ、ベッドでセックスでもしようものならぶっ壊れると話題に。もはや何から何まで酷すぎて、日本は先進国どころか、三流国家の仲間入りです。


■ 高速道路は五輪専用レーンで大渋滞

画像3

 7月19日から首都高の料金が1000円上乗せになり、さらに、常磐道などは3車線のうちの1車線を「五輪専用レーン」としているため、首都高はガラガラなのに、そこまで行く道が鬼のように渋滞する現象が起こっています。特に初日は、首都高の料金上乗せを回避するため、多くの車が外環道に流れたため、こちらも大渋滞。また、時間帯によっては下道も渋滞していました。渋滞を回避するために料金を高くしたはずなのに、追加で車線規制をしているので、普段より渋滞が酷くなってしまうというクソ現象が起こっているのです。
 この写真は、僕が渋滞で停車している車から撮影したものですが、柏ICでは料金所の手前から渋滞しており、通常より30分ほど多くの時間がかかりました。せっかく追加料金を払うのに、その手前が鬼のように渋滞しているので、まったく意味がありません。こんなことなら、渋滞している時にパトカーが路肩を誘導してワープしてくれた方がよっぽどマシではないかと思ってしまいます。これにより、荷物の遅延などが生じているため、経済損失も大きいと見られ、バカには何をやらせてもダメだということを証明しているに過ぎませんでした。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

画像4

 新型コロナウイルスは、年末年始の第3波、4月頃の第4波と来て、この7月から8月にかけて第5波が来ています。この第5波は、東京五輪の強行開催により、第3波や第4波よりも大きな山になってしまう可能性が非常に高くなっています。
 第3波や第4波と違うのは、介護施設などに入所している高齢者のほとんどがワクチンを打っているため、こうした場所でのクラスターで死亡する人は少ないと予想されること。しかし、65歳未満の人たちは、医療従事者などの特殊な人でない限り、80%近い人がワクチンを接種しておらず、デルタ株は重症化率や死亡率も高いので、20代や30代の若い人であっても亡くなるケースが増えてくるとみられます。
 一方で、軽度や中度の患者向けの「抗体カクテル療法」が認められつつあり、早期に対応できれば命を落とさずに済む可能性も出てきました。早期に対応するためにはPCR検査の拡充と早期の検査が必要になりますので、やはりPCR検査は鬼のように回していかなければなりません。アホの理屈でPCR検査抑制論を展開してきた人たちは、責任を取ってもらわなければならないと考えています。

いつもサポートをいただき、ありがとうございます。サポートいただいたお金は、衆院選の取材の赤字分の補填に使わせていただきます。