【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#313)。
4月17日に春日部市議選が行われ、「NHKから国民を守る党」が約2年ぶりに当選を果たしました。2020年4月の志木市議選で無投票当選して以来、すっかり「迷惑系ユーチューバー」として認知されるようになったこともあり、最近まで「92連敗」していましたが、久しぶりに公認候補が勝ったことで、今、N国信者たちがフル勃起しています。
尊師・立花孝志はさっそく動画を発信し、当選の報告をするとともに、アンチや離党した人たちが相当悔しがっているだろうとドヤ顔を見せていましたが、アンチの筆頭格であろう僕が考えていたことは、「ワンチャン、当選した方が面白いのでは?」でした。理由はもちろん、公選法違反の疑惑がよりクローズアップされるのではないかと考えるからです。
尊師・立花孝志が春日部市内に流していたとされる動画には「公職選挙法違反」の疑いが強いことを選挙期間中にスクープしましたが、実は、この疑惑には、候補者である酒谷和秀も関わっている可能性があります。
動画の中で有権者に利益供与を呼び掛けたのは立花孝志ですが、その動画を流すことに候補者の酒谷和秀自身が関わっていなかったのかを検証する必要があります。
■ 立花孝志は動画を流すように指示を出していた
この公選法違反の疑惑がある動画を春日部市内に流す契約をしていたのは誰なのか。何でも自分からゲロるタイプの尊師・立花孝志は、3月16日の総会で、とても重大な発言をしていました。以下、記録として書き起こしておきます。7分40秒からをご覧ください。
立花孝志は、広告の話を酒谷和秀にしています。つまり、酒谷和秀の与り知らないところで勝手にやっているのではなく、候補者の酒谷和秀には十分に情報共有されているということになります。続いて、8分13秒から。
ここで言うところの「あいつ」というのは、文脈の流れから、酒谷和秀のことではないかと考えられます。おそらく立花孝志のことなので、こういうことだけには知恵が回るので、あの公選法違反の動画だけは立花孝志が契約している可能性は十分にありますが、そもそも「政治活動の一環」として流されたのであれば、立花孝志と酒谷和秀は広告を巡って、常に情報共有されていたと考えるのは、当たり前の感覚ではないかと思います。なにしろ、広告費に300万円使えという指示が出ていて、酒谷和秀はそれを実行してきたとみられるからです。
少なくとも、これらの広告について立花孝志が指示を出していたことは紛れもない事実ということになろうかと思いますので、この時点で、酒谷和秀はともかく、立花孝志の関与は否定できないと思います。そして、動画の9分30秒くらいのところで、酒谷和秀についても言及しています。
立花孝志からネットの広告をどんどん打つようにと立花孝志から支持が出されていました。公選法違反疑惑のある立花孝志の動画については立花孝志が流していたとしても、候補者の酒谷和秀と立花孝志がネット広告において情報を共有し、立花孝志から指示が出されていた。もっと言うと、これらの広告費は酒谷和秀が支出している可能性があります。
酒谷和秀が流していた広告については、多くの人が「NHKから国民を守る党」の宣伝動画だとは認識しておらず、「酒谷さんの広告」と認識していることも、立花孝志の発言から読み取れます。このあたりは公職選挙法の定義が曖昧であることもあって、これもまたグレーです。
■ お金を出すと約束しただけでアウトの判例
立花孝志は、公選法違反疑惑になっている問題の動画で、NHKから訴えられた際の裁判費用と受信料を肩代わりすることを明言しています。これが公選法違反になってしまうのではないかということは、実は、計画の段階から著書でも指摘をしてまいりました。
次点となった共産党の皆さんには、「しんぶん赤旗」にも書評を書いていただいたことがありますので、ぜひ読んでいただきたいと思いますが、この手の公選法違反には既に似たような事件の「判例」があり、今回が初めてではありません。共産党系の弁護士の方もいらっしゃると思うので、ぜひ参考にしていただきたいのが「昭和31年(あ)第724号」という最高裁の判決です。
これは実際に金銭を支払わなくても、お金を払うと言ってしまった時点でアウトになってしまうという判例です。事件は高岡市議が選挙演説で「自分が当選すれば、A町B丁目の道路を舗装する」と約束したものです。この時に候補者は「市の予算で舗装するように努力をするが、これが不可能な場合には『私財を投じてでも舗装する』」と言ってしまってアウトでした。この判決文には、ちょっと興味深い記述があります。
公選法違反の根拠の一つに、「市一般の政策に関するもの」ではないということが書かれていますが、まさにNHKから訴えられた裁判の費用や受信料を肩代わりするというのは「市一般の政策に関するもの」とは言えないと思います。こうした過去の判例からも、立花孝志の動画は「公選法違反に該当する」と考えざるを得ず、これに酒谷和秀が関わっていなかったかどうかを検証する必要があると思います。
少なくとも、立花孝志と酒谷和秀が「一緒に選挙運動をしていた」という客観的事実はたくさん残っていますので、あとは司法がどのように判断するのかが問われています。
ここまで二人三脚でやっている人物の公選法違反が、酒谷和秀だけ無関係だったと言えるのかどうか。これは非常に怪しいところがあり、これでも公選法違反に問われないのだとすると、これから同じような形を取ってくる候補が現れる可能性は高いです。というのも、立花孝志の選挙スタイルは全国のアホに勇気を与え、模倣されているからです。
■ 俳優の綾野剛さんを訴えるアホさ加減
先日、深刻な名誉毀損を繰り返す尊師・立花孝志に、とうとう綾野剛さんの所属事務所から「警告書」が届いたそうです。連日、国政政党の党首という身分でありながら、あまりにも事実無根の噂話を広めるもので、速やかに動画を削除するように警告をしてきたのですが、「このままだと訴えられてしまう」と思った立花孝志は、逆に綾野剛さんを訴えることにしました。
人気者の綾野剛さんの事務所から訴えられる。これでは、まるで尊師・立花孝志が悪いことをしているみたいに見えてしまいます。だから、訴えられて自分が悪者にされる前に相手を訴えることで、「原告」と「被告」を逆転させ、まるで相手が悪いように印象操作をしようという、いつもの立花孝志の手口です。そのため、わざわざ芸能の仕事をしている綾野剛さんを「綾野剛被告」と呼んでイメージを下げる作戦を展開しています。
かねてから言っていますが、民事裁判でも「被告」という言葉はありますが、「原告・立花孝志」「被告・綾野剛」という言い方こそすれど、人の名前の後に「被告」とつけるのは「刑事被告人」の場合です。綾野剛さんは刑事事件に問われているわけではなく、立花孝志が訴える事実無根の噂話を流布した後に「綾野剛被告」と言ってしまうと、まるで綾野剛さんが法に触れることをしたかのような印象を与えることになります。つまり、名誉毀損を拡大していると言えます。
今回、綾野剛さんの所属事務所から訴えられるかもしれない立場になって尊師・立花孝志が頼ったのは、「日本一稼ぐ弁護士(笑)」の福永活也弁護士でした。これまで名誉毀損に関する裁判をいくつも請け負うも、N国党の選挙並みに負けまくっている男。こんな気が狂った裁判を受任してしまうのですから、湯水のごとく裁判に金を使う立花孝志は「上客」なのでしょう。
ちなみに、この裁判の費用は「税金」と「借金」であるということも言っておかなければなりません。綾野剛さんと裁判で戦ったところで、NHKには何一つダメージは与えられません。はよ豚箱に入れ、立花!
尊師・立花孝志は、綾野剛さんの事務所が喧嘩を売ってきたと言っていますが、逆です。立花孝志が「ガーシー」にハマり、国政政党の党首でありながら名誉毀損をかましてきたから警告書が届いただけです。そもそもオマエが名誉毀損をしなければ何も始まりませんでした。
また、綾野剛さんが自分で説明をしないで、事務所が警告書を送ってきたとホザいていますが、それがマネジメントを請け負う芸能事務所の仕事なので、立花孝志の妄言に俳優さんがいちいち付き合わされ、変な形で巻き込まれないように対処しているだけです。いくらテレビドラマに出演しているからといって、立花孝志や「手配師」をしていたオッサンの噂話に説明をする必要はありません。それより「税金」でメシを食っているアホの立花孝志が公選法違反疑惑や、ポンジ・スキームに陥っていると指摘されている党の金銭事情を説明するべきでしょう。
いまだ立花孝志の発言だけを信じ、「綾野剛の事務所はケンカを売る相手を間違えたな!」なんてコメントを書いている新たなN国信者たちが湧いていますが、だいたいいつもケンカを売る相手を間違えてしまうのは尊師・立花孝志の方です。立花孝志がお勤めを果たすその日まで、しっかり見守りたいと思います。
■ 選挙ウォッチャーの分析&考察
立花孝志の周辺に問題が多くなってまいりましたので、久しぶりにマガジンを作ることになりました。5本保証で1235円です。内容は、綾野剛さんの裁判にも役立つ資料の提供、春日部市議選での公選法違反疑惑の進捗などになる予定です。収益は、立花孝志との裁判費用に使わせていただく予定です。よろしくお願いします。
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