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【選挙ウォッチャー】 東京五輪と新型コロナウイルス(#9)。

 今日も読んでくださり、ありがとうございます。
 一人でも多くの方に、今、日本で何が起こっているのかを知っていただくことで、少しでもその人の行動が変われば、1人でも2人でも感染者を減らすことができるという気持ちで、今日も新型コロナウイルスに関する情報を無料で集中連載しております。
 僕の本職は「選挙ウォッチャー」なので、本当は東京都議選に関するレポートをどんどん出さなければならないのですが、みんなの命がかかった重要な局面を迎えていますので、「災害情報」の一環として、皆さんに情報を共有したいと思っています。おそらく8月10日頃からワイドショーも新型コロナウイルスの話ばかりになると思いますので、その頃には危機感が伝わるのではないかと思います。


■ 「自宅療養」がどれだけ愚かな政策なのか

 菅義偉政権は、8月2日に「中等症までは自宅療養」を基本とすると発表し、その後、「この方針は撤回しない」とまで明言しました。つまり、新型コロナウイルスに感染した場合、ホテルに隔離をすることもなく、家族がいても「自宅にいろ」という方針を固めたのです。
 実は、こうなってしまった理由はいくつもあって、まずホテルを借り上げようにも、既に東京五輪の関係者のためにホテルを借り上げていたため、感染者が増えたからといって、東京五輪の関係者様をホテルから追い出すわけにもいかず、リアルに新型コロナウイルスよりも東京五輪が優先されているという話が一点。
 さらに、感染者のためにホテルを借り上げるとなると、そこに看護師さんを置くなり、スタッフを置くなりしなければならず、やらなければならないことがたくさんありすぎて、オペレーションが面倒臭いことが一点。もちろん、ホテルを借り上げるからにはお金がかかることが一点。
 自宅療養ということにすれば、ホテルの確保、人材の確保、輸送の確保などの一切合切を考えなくても良くなるため、政府や自治体のやるべき仕事がなくなって、だいぶ楽になるということが一点。皆さん、こんな時代でも頑張って働いて税金を払っているわけですが、こういう肝心な時に政府が何も仕事をしないという現象が起こっているのです。
 ただ、この「自宅療養」という方法は、何も仕事をしない以上に「最悪な結果をもたらす」ということが、世界の経験からわかっています。感染が始まったばかりの頃に、中国やイタリアで「自宅療養」を採用したことがありますが、家族間で感染し、余計に感染者を増やしてしまうという逆効果が確認されたため、中国はすぐに「野戦病院」を展開しました。ネトウヨは「イギリスは自宅療養を採用している」と言っていますが、イギリスではワクチン接種が進んでおり、死者や重傷者は少ないものの、感染者は大爆発しているということを付け加えておきます。日本のような狭い住環境では、感染者とトイレを分けることもできないため、これまで以上に「家族間感染」が拡大します。つまり、自宅療養を原則にしたことで、余計に感染を広げる結果になりかねないのです。
 さらに、モノクローナル抗体カクテルを投与したり、あるいは、北里大学での治験レベルではありますが、イベルメクチンを投与したり、軽症の間にやっておくべきことがたくさんあると思いますが、自宅に放置することによって、軽症の間にどうにかするという方法が取れないため、病院で診るよりずっと「悪化する可能性が高くなる」というデメリットもあります。自宅療養をしている限り、次から次へと重症化がやってくるシステムを自分たちで作り出しているというわけです。
 また、8月5日にフジテレビ先生が報じたところによれば、8月に入ってから自宅療養中の感染者が8人も亡くなっていることがわかりました。8月5日の午前11時35分に報じているので、おそらく8月1日から8月4日までの間で8人ということになろうかと思います。
 8人は全員男性で、30代が1人、40代が1人、50代が6人。ちなみに、2020年12月から2021年7月までの8ヶ月の間に自宅で死亡した人が11人。8月だけでどれだけ亡くなっているのかという話になってきます。
 そして、例えば乳幼児を抱えるシングルマザーが感染し、もしお母さんが気を失ってしまった場合、小さなお子さんがお亡くなりになるということも十分に考えられます。本来は、あらゆるケースを想定し、シングルマザーだけは子どもと一緒に入院できるようにするなどのケアが必要ですが、政府も自治体も、細かい例をいちいち考えていったらキリがないということで、ろくすっぽ仕事をしないため、これからとんでもない悲劇が各地で起こってしまうかもしれないのです。
 今、日本政府がやらなければならないことは「野戦病院」の拡充です。こうなってしまった以上、それこそ東京五輪のオリンピック選手が使っているような段ボールのベッドでもいいから、自衛隊が見るのでもいいから、とにかく病院の代わりになるようなものを用意すること。自宅でそのまま人を殺すようなことがないように、万が一の時にはすぐに酸素を投与できる体制を整えること。ありとあらゆる手を尽くさなければ、下手をするとインドより酷いことになります。


■ 沖縄の感染者を止める方法は「鎖国」しかない

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 東京も大変なことになっているのですが、地味にメチャクチャ大変なことになっているのが「沖縄」です。8月4日は新規感染者数としては最多となる602人を記録。その内訳をみると、10代未満が64人、10代が83人、20代が157人、30代が101人となっており、30代未満の若い世代だけで全体の67%を占めていることがわかりました。
 かねてから警鐘を鳴らしている通り、デルタ株においては「若いから大丈夫だ」ということはなく、若い人ほど気を付けなければならず、もっと言うと、10歳未満(0歳~9歳)の感染者が64人もいるところに、事態の深刻さが窺えます。
 沖縄の感染者が広がっている原因と考えられるのが、「東京や大阪などからやって来る観光客」です。いまや602人まで広がってしまうと、県内在住者同士の感染ということも十分に考えられるのですが、事態を深刻にしないためにもやるべきことは、「鎖国」です。
 現在、沖縄の実効再生産数は1.6前後と推算され、今は夏休みということもあって、どうせ東京五輪も開催していることだし、去年の夏は思い出を作ることもできなかったので、今年は沖縄に行こうという人も少なからずいるのです。また、沖縄の実家に帰省する学生もいることでしょう。
 なので、沖縄はまだまだ感染者が増えるトレンドにあり、これを減らすためには「本州と沖縄本島への往来の強い自粛」を求めるしかありません。旅行会社への払い戻しなどは、また沖縄に来てもらうためのクーポン券をつけて全額補償するなど、とにかく「沖縄に来ないでくれ」と強いメッセージを発する以外にありません。


■ 「デキサメタゾン」は素人判断で飲んではいけない

 菅義偉総理大臣や小池百合子都知事が「自宅療養を基本とする」というクソ政策を打ちだしてしまったせいで、「いざ新型コロナウイルスに感染したら自分でどうにかするしかない」と考える人が急増。世の中では「イベルメクチンがコロナに効く!」なんて話が出回っているので、個人輸入で「イベルメクチンを買おう」とする人が続出。ところが、「イベルメクチン」はあまりに人気すぎて、どこでも品切れを起こしているので、代わりに何かないのかということで売れているのが「デキサメタゾン」です。
 実はこの薬、ステロイド系の抗炎症薬で、新型コロナウイルスの治療に使われることもあるため、「治療で使われるっていうことは、それを飲めば治るんじゃないか」という素人考えで買う人が多いのですが、この薬を投与する一番のポイントは「タイミング」で、軽症のタイミングで飲むとリスクしかなく、投与すべき適切なタイミングは「中等症Ⅱ~重症」のあたり。あくまで炎症を抑えるための薬であって、ウイルスを抑制するための薬ではないので、軽症のタイミングで飲むのは逆効果な上に、深刻な副反応が懸念されるため、自宅療養の素人が絶対に手を出してはいけない薬なのです。
 もしかすると、「それでも飲まないよりは飲んだ方がマシでしょう」という救いようのない素人考えをする人が現れるかもしれないのですが、インドでは処方のタイミングを間違えた影響で、真菌で失明をしたり、死んだりする「ムコール症」の人が続出。コロナによる一命は取り留めたものの、一生目が見えなくなる人がたくさん出て、コロナでは死ななかったけど、ムコール症で死ぬという人がたくさん出ているのです。
 これと同様なのが、トランプ大統領がデマをぶっこき、アメリカでたくさんの被害者を生み出しているという、抗マラリア薬の「ヒドロキシクロロキン」です。この薬に至っては、WHOが「まったく効果なし」と断言している薬で、ちっとも効かない上に失明の危険があります。
 そんなわけで、「ルル」「コンタック」を飲むのとはワケが違いますので、ネット上で話題になっている薬に手を出すのは、本当に危険です。自宅療養にするというなら、せめて「こういうものに手を出さないでくれ」と呼び掛けるべきだと思いますが、政府を信用できないというのは、新たな被害を生み出す可能性があるのです。月並みのことを言って申し訳ありませんけど、こういう耳慣れない薬を飲む時には、やっぱり医師や薬剤師の先生に話を聞いてみることをオススメします。とりあえず、ヤバいってことだけは認識しておいてください。


■ 今からできる最も簡単でオススメの感染対策

 新型コロナウイルスは「空気感染」をします。なので、スーパーやコンビニといった日常的な買い物でも感染リスクが発生します。先程も書きましたが、「若い人ほど注意が必要」というのがデルタ株なので、若い人にぜひともやってほしいことがあります。

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「ウレタンマスクと不織布マスクのダブルマスク着用」

 今、若者にはウレタンマスクが流行っています。今回の東京五輪では、金メダリストたちがことごとくスポーツマスクを着けているため、これから若い人たちの間でスポーツマスクが流行りかねないと懸念しています。
 しかし、これはCDCでも検証されている効果の高い感染防止策で、マスクがなかった時代と違って、そんなにお金がかからずにできると思いますので、ぜひやってみていただきたいのです。
 これには順番があって、まずは不織布マスク(コンビニやドラッグストアで売っている、ごくごく普通のマスク)をつけます。そして、その上から普段使っているウレタンマスクをつけるのです。
 マスクには「自分が感染しない効果」「他人に感染させない効果」の両方があり、実は、ウレタンマスクにはその効果が薄く、不織布マスクをつけた方が断然効果が高いです。ただ、不織布マスクにウレタンマスクを組み合わせるという方法をすると、さらに防御力が上がり、感染リスクを大きく抑えることができるのです。
 どうしてこうなるのかというメカニズムなんですが、不織布マスクにはもともと防御力があるのですが、その上からウレタンマスクをすると「蓋」の役割を果たし、不織布マスクの隙間がなくなるので、不織布マスクのポテンシャルを最大限に引き出すことができるというわけです。
 もちろん、「KF94マスク」「KN95マスク」といった高性能なマスクを使う方法もあるのですが、最も安くオシャレにキメられて、かつ、感染防止能力が高いということでは、このダブルマスクがオススメです。
 そして、一番やってはいけないのは、「ウレタンマスクだけ」です。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 先日、「ロックダウンするしか道がない」という話をしたところ、ネトウヨがプギャーと言いながら発狂していたので、とにかくネトウヨには「ロックダウン」という言葉が、刺激が強すぎてプギャってしまう原因なんだと思い、ネトウヨにも馴染みがあるように「みんなで引きこもり」という言葉に変えてあげたところ、「みんなで引きこもるのは悪くない」みたいな感じになってしまい、言っていることは同じなのに、誰も噛みついてこなくなりました。
 なので、『チダイズム』では、ネトウヨぐらいのバカでも理解できるように「ロックダウン」のことは「みんなで引きこもり」と置き換えることにしましたので、よろしくお願いします。

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