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【選挙ウォッチャー】 河内町長選2021・分析レポート。

5月11日告示、5月16日投開票で、河内町長選が行われました。河内町は、千葉県成田市の北、龍ケ崎市の南東にあり、人口約8000人ほどの小さな町です。4年前は現職の雑賀正光さんが無投票当選を果たしていたのですが、当初から2期までと決めていたらしく、今年は不出馬。そのため、新人同士の争いが起こりました。立候補しているのは自民党が推薦しているベテラン町議の野沢良治さんと、立憲民主党と茨城維新の会が推薦している小更雅之さんの2人です。ポイントとなるのは、自民党に対抗するために立憲民主党と日本維新の会がタッグを組んでいるというところです。易々と日本維新の会と手を組んでしまうあたりが、とっても立憲民主党です。

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野沢 良治 62 新 自民・公明・現町長推薦
小更 雅之 50 新 立憲・維新・前町長推薦

今期限りでの引退を表明している現職の雑賀正光さんは、5期にわたって町議をしてきたベテランの野沢良治さんを後継指名しており、前町長の野高貴雄さんは町議2期の小更雅之さんを推薦しています。野高貴雄さんは2013年の河内町長選で、現職の雑賀正光さんに敗れ、政治の世界から引退した人物ですが、選挙で負けた人はいつまでも怨念を持ち続けるため、「前町長vs現町長」の代理戦争のような構図になってしまいました。本当はこういうドロドロした選挙こそ地元の人から話を聞くと面白いのですが、コロナ禍で思うように話を聞けないので、コロナが明けたら地元の人の話を充実させたいと思います。


■ 大井川和彦知事が五輪批判を始める

今年9月頃に茨城県知事選が行われる予定の茨城県ですが、早くも大井川和彦知事が再選に向けて動き出しており、世論の動きを見ながら、オリンピックに対する批判を強めています。驚くべきニュースは、東京五輪の選手や関係者に新型コロナウイルスに感染した人が出た場合、茨城県は「受け入れない」ということを五輪組織委員会に申し出たという話です。これは「県民の命よりオリンピック選手の命を優先するということはできない」ということを形で示したものですが、山本一太先生のようなコバンザメタイプの知事にはできない荒技で、自民党の重鎮たちに「テメエ、何言ってんだよ!」と目をつけられるようなパフォーマンスです。しかし、どうしてこんなことができるのかと言ったら、大井川和彦知事は保守分裂の中で誕生した知事で、どっぷりと自民党の湯に浸かってきたタイプではなく、若手の市長らに担ぎ上げられて知事になったタイプなので、政府と軋轢が生じるようなことをしても、ガタガタ言われることがないという強みの部分です。だいたいガタガタ言ってくる自民党のジジィたちは、フジテレビの報道番組で居眠りや読書が報じられたように非常にホゲホゲしたザコどもなので、ゴリゴリのビジネスマンだった大井川和彦さんにとっては片手で捻られるぐらいに能力の差が歴然。そもそも「知事」という仕事は、県民の命を守ることを最優先に考えるべき職業であるため、県民の命よりオリンピック選手の命が優先されるようなことがあってはなりません。このパフォーマンスは好意的に受け取られているため、多くの県民に支持され、大井川和彦知事への追い風となることでしょう。9月の茨城県知事選は、現職の大井川和彦さんが強そうです。


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