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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#328)。

 連日、非常に頭の悪い騒動を起こしている「NHK党」なので、こちらも筆の休まる時間がありません。参院選を目前に控え、各局で党首討論の場が設けられることになり、そこに「NHK党」の党首である立花孝志が出演することになるわけですが、そこで政治的な議論ではなく、綾野剛さんに対する名誉毀損をしようと企てていたのですから、テレビ局に止められるのは当然です。政治的公平性を担保するため、9つある国政政党すべての党首を呼んだものの、テレビ局が名誉毀損に加担するわけにはいきません。
 6月16日に放送された生放送の「報道ステーション」で、尊師・立花孝志が「党首討論」の場からつまみ出された騒動について、わかりやすく解説いたします。


■ 党首討論をつまみ出されるのは「当たり前」

 6月16日に生放送された「報道ステーション」で、党首討論の場が用意され、自民党の岸田文雄さん、立憲民主党の泉健太さん、公明党の山口那津男さん、日本共産党の志位和夫さんなど、まさに党の代表者たちが、日本が抱える問題についてコメントをしました。
 もちろん、反社会的カルト集団とはいえ、「NHK党」にも平等に発言の機会が与えられ、国防や経済についての政策を聞くはずだったのですが、立花孝志がテーマから逸脱し、綾野剛さんに対する名誉毀損をかましそうになったため、司会の大越健介アナが制止し、立花孝志は退場となりました。
 これを一部のアホが「言論統制だ!」と言うようになってしまったのですが、ちっとも言論統制には当たらないので、どうして言論統制ではないのかを解説したいと思います。

立花孝志は「言論統制」だと主張しているが、そんなものではない(引用元リンク

 まず、テレビ朝日からは事前に、テーマから逸脱する発言は控えてほしいという旨の説明をしていました。その理由は、立花孝志が事前にYouTubeなどで「綾野剛さんの淫行について、実名を出して糾弾する」という予告をしていたからです。テーマに関係なくても、それを放り込むんだと言っていました。
 しかし、テレビ局としては、事実かどうかも分からないものを堂々と語らせて、名誉毀損の一翼を担うわけにはいきません。生放送ということもあるため、事前に「その話はしないでください」と了解を得る努力をしたに過ぎません。
 尊師・立花孝志いわく「他の党には、こんな同意書がなかった」そうですが、それは当たり前の話で、他の政党はいちいち同意を得なくても、ちゃんと政治の話をしてくれます。テーマと関係なく、芸能人の名誉毀損をしてやろうと考える頭の悪い奴は、立花孝志ぐらいしかいないのです。
 党首討論に出演した尊師・立花孝志と大越健介アナとのやり取りは、以下の通りです。

大越:NHK党の立花さんにも聞きましょう。

立花:はい。テレビをご覧の皆さん、テレビは核兵器に勝る武器です。テレビは国民を洗脳する装置です。テレビは国民が知るべき真実を隠しています。本日お昼過ぎ、テレビ朝日のプロデューサーの方からお手紙を頂戴しました。このお手紙には、テーマから逸脱する発言は控えていただくよう、お願いいたします。万が一、そのような発言があった場合は然るべき対応があることをご承知置きください。

大越:はい。立花さん、今の発言は討論のテーマに沿ったものとは、おっしゃる通り、認められません。

立花:スタジオから追い出されますと言われましたので、追い出される前に自らやめますので、YouTubeで発言をさせていただきます。

大越:いや、発言を止めていただきましょう。趣旨に則った発言をしてください。

立花:はい。あの、政治家の発言をテレビ局の方が事前にあれをするな、これをするなというような・・・

大越:申し訳ありません。その発言は認められませんので、ここで打ち切らせていただきます。

 テレビが偏向していることはあるし、嘘を流すこともあるし、ろくでもないことは多々ありますが、それでも「洗脳装置」だと言い出し、特定の芸能人の名誉毀損をすることは許されません。立花孝志に政治的な主張を述べるチャンスは与えるものの、名誉毀損をさせるために出演させているわけではありませんので、テーマから逸脱した場合につまみ出すというのは、当たり前の行動です。これはまさに、テレビでチンチンを出すのと同じです。いくら表現の自由があっても、テレビでチンチンを出そうとする奴は、出す前につまみ出すのは当たり前なのです。
 これが言論弾圧に当たらないのは、今回、立花孝志がつまみ出された際のテーマは「国防」についてですが、もし立花孝志が「核兵器を持て」「核兵器を撃て」「核兵器で世界中の国々を殲滅せよ」と言ったとしても、それは思想信条の自由ということで保障されます。「そんな過激なことをテレビで言っちゃいけない!」とはならないのです。でも、チンチンを出したらいけませんし、テレビを使って名誉毀損をしてもいけないのです。


■ つまみ出される立花孝志に大喜びの信者たち

立花孝志の行動を「堀江貴文を超えた」と絶賛する斉藤健一郎(引用元リンク

 いまや立花孝志の周りにいるのは、頭のおかしな人間ばかり。
 N国信者の中でも、まともな考えができる人間は離党し始め、純度の高い人間ばかりが残るようになりました。その筆頭格が、堀江貴文の秘書をしていて、今年の参院選では比例区(全国比例)で立候補する「ギョーザクラッシャー」こと斉藤健一郎です。
 覚えているか分かりませんが、かつて堀江貴文が広島の餃子屋を訪れた際に、店主からマスクの着用を求められたところ、それにムカついた堀江貴文が店を吊し上げ、店に嫌がらせが殺到して、その餃子屋が潰れてしまったという事件がありました。その時にマスクをつけていなかったのが斉藤健一郎で、この男が堀江貴文と立花孝志を結び付けている張本人ということになりますが、今回の退場劇を大絶賛。黒川敦彦と並ぶ生粋の「N国党員」です。

本質を見抜ける方の支持を得たと評価する長野県選挙区のN国党員(引用元リンク

 今度の参院選で、長野県選挙区から立候補する日高千穂は、「本質を見抜ける方の支持をいただけた」と大絶賛。それは本質を見抜けているのではなく、ホームラン級のアホに過ぎませんが、他の党首の内容を忘れるくらいの衝撃だったと大喜びです。それは完全に他の党首たちに迷惑がかかっているので、自己中心的な思考しかできないということだと思います。

立花孝志の弟子である国民主権党のロリコン党首・平塚正幸も大絶賛(引用元リンク

 平塚正幸は、N国党が議席を獲得した2019年の参院選で、千葉県選挙区から立候補し、その後、熱心なN国信者として活動した後、「コロナはただの風邪」と訴える「国民主権党」を設立。その活動に参加した中学生を妊娠・出産させていた事実が発覚した本物のロリコンです。「中学生の割には大人びていたから好きになった」と言い訳をしていましたが、大人びていていても中学生は中学生です。

 ということで、ご覧いただければ分かるように、本当は「ただ名誉毀損をしようとしたから強制終了させられた」というシンプルな話ですが、言論弾圧だったとか、テレビが洗脳装置である証拠だと大騒ぎしているネット上のアホは、その知性がご覧の面々と同じだということです。
 今回、ネットの一部で称賛の声が相次いでいることを受け、尊師・立花孝志は行動をエスカレートさせることでしょう。しかし、まったく面識のない立花孝志から、これだけ狙い撃ちをされる綾野剛さんは、まさに通り魔に狙われてしまったようなもので、理不尽な仕打ちに晒され続けています。これは「国政政党によるテロ行為」だと言ってもいいのではないでしょうか。綾野剛さんがあまりに可哀想です。


■ 大橋昌信に続き、小野沢健至も離党

N国党の新座市議・小野沢健至が離党を表明した(引用元リンク

 尊師・立花孝志の暴走を生粋のN国信者たちが絶賛する一方、N国党の内部は着実に崩壊しています。元副党首の大橋昌信に続き、新座市議の小野沢健至も離党を表明しました。沈没する船から逃げ出し始めていますが、いよいよ「このままでは2期目はない」という危機感が生まれてしまったのでしょう。
 小野沢健至は、N国党員の中では比較的「普通のオジサン」です。N国党にどっぷりハマっているというより、当時は勢いがあったN国党に乗っかっただけだという印象です。「NHK党」というだけで当選できなくなってしまう昨今の状況を苦々しく思っていたと思われ、積もりに積もった不満がここにきて、プッツンと来たのでしょう。

離党する小野沢健至に牙をむく尊師・立花孝志(引用元リンク

 N国党から離党する人間は、だいたい嫌がらせを受けます。
 相変わらず、尊師・立花孝志の影響力は大きいので、こうして犬笛を吹くことで、電話番号を公開している小野沢健至のところに、イタ電などが殺到します。カルト政党であるN国党の「お約束」みたいなものです。
 しかも、「自分の知性ではN国党についていけなくなってしまった」とでも言って離党すればいいのに、よりによって尊師に「嘘つき」と言ってから離党表明をしたので、「裁判を起こす」と言われる始末です。尊師・立花孝志の場合は、勝敗に関係なく、本当に裁判を起こしてくるものだから、お金が無駄に削られるという話です。とはいえ、僕の読みが正しければ、小野沢健至が裁判を起こされる可能性は低いと思います。それは尊師・立花孝志が物理的に裁判を起こせない環境になるだろうと思うからです。


■ 大橋昌信はネットの世界からも消える

6月末でアカウントを閉鎖することを宣言している大橋昌信(引用元リンク

 とうとう大橋昌信は、アカウントを消し、ついでに柏市議も辞職することになりました。大橋昌信にも家族がいるでしょうから、最初は「正義のためにやっている政党」に属しているということで誇らしい部分もあったかもしれませんが、今となってはただの「反社会的カルト政党」です。
 こうした黒歴史を消し、これからは慎ましく生きていこうということなのかもしれませんが、Twitterのアカウントは消えても、これまでやってきた黒歴史まで消えるわけではありません。これまでにやってきた数々の迷惑行為の代償は、これから払わなければなりません。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

「オウム真理教をベンチマークしている」と公言しているNHK党(筆者撮影)

 これまで何度も警鐘を鳴らしてまいりましたが、「NHKから国民を守る党」は、「反社会的カルト集団」です。計算された炎上ではなく、リアルに炎上することをやり続けている集団に過ぎません。なので、今回の「報道ステーション」をつまみ出された一件をキッカケに、ますます過激な行動に出るだろうと思っています。大きな話題になっていることに味をしめているからです。

 しかし、今回の一連の騒動が「NHK党」にとって、プラスになっているのかと言えば、「確かにテレビは洗脳装置だ」と言ってしまう一部のコアな陰謀論者たちを取り込むことにはなったと思いますが、その代わりに多くの無党派層を離したと思いますので、トータルではマイナスになったと見ています。これでまた一つ、「NHK党」が2%の壁を超えられる確率は少なくなったと見ていいでしょう。
 かねてから指摘していますが、僕は「ガーシーと一緒に暴露系に進むことは、結果としてNHK党の票を減らす」と言ってきました。「天才」を自称する立花孝志は、この路線で議席を獲得できる計算をしていますが、そんなことはありません。この路線を進めば進むほど票を減らしますが、もう尊師を止める人間は誰もいません。周りにいるのは、先程ご紹介したような頭のイカれた人間たちばかりだからです。参院選が終わる頃には、ほとんどの現職議員たちが「離党」を選択し、完全に崩壊することでしょう。
 浜田聡までもがN国党を離党した時には、いよいよN国党は完全に存続できなくなってしまうので、尊師・立花孝志と浜田聡がどこまで関係性を築けるのかがポイントになろうかと思います。僕にはとても悲惨な未来が待っているとしか思えませんが、皆さんにはぜひ「『NHKから国民を守る党』とは何だったのか?」を参院選のお供にしていただければと思います。


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