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【選挙ウォッチャー】 参院補選2021・静岡県選挙区レポート。

今年6月の静岡県知事選に、自民党の参議院議員で国土交通副大臣の岩井茂樹さんが立候補したため、その穴を埋めるための参院補選が、10月7日告示、10月24日投開票で行われました。この選挙は、1週間後に行われる衆院選の前哨戦となり、この静岡県の参院補選で自民系が勝つのか、野党系が勝つのかは非常に重要でした。この選挙の結果次第では、その後の衆院選にものすごい勢いがつく可能性があるからです。そういう意味では、どの候補も負けられない戦いをしているということになります。

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若林 洋平  49 新 自民公認・公明推薦
山崎 真之輔 40 新 立憲・国民推薦
鈴木 千佳  50 新 共産公認

立候補しているのは3人です。元御殿場市長の若林洋平さんと、元静岡県議の山崎真之輔さん、2019年の参院選にも立候補していた共産党の鈴木千佳さんの3人。山崎真之輔さんは、静岡県知事の川勝平太さんが応援しており、これはこれで心強いバックアップだと思います。自民党にも追い風が吹いていて、ちょうど選挙の直前に総裁の顔が変わり、みんなで岸田文雄新総理のもとで頑張ろうという雰囲気に包まれています。どちらが勝つのか。非常に見逃せない選挙となっております。


■ 鈴木千佳候補の主張

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スケジュールの兼ね合いの中で、やむを得ず、取材を断念せざるを得なかったのですが、今回も共産党から鈴木千佳さんが立候補していました。その主張は真っ当で、浜岡原発の再稼働反対、新型コロナウイルス対策最優先、リニア中央新幹線の工事中止。いつも真っ当なことを訴えていながら、共産党の党勢は衰えるばかりなので、年々、獲得できる票数は確実に落ちていっています。2016年は17万票、2019年は13万票、そして今回、2021年は11万票になってしまいました。他の候補が特別に魅力的だというわけでもないはずなので、単純に共産党が票を取れなくなっているということだと思いますが、日本維新の会が多くの票を取り、日本共産党が票を取れなくなっているのは、単純に「イメージ」の問題だと思います。ただ、この結果をポジティブに考えるのであれば、今回は実質的に「自民vs無所属」の一騎打ち的な構造になっており、どうしても自民党に勝たせたくない人は山崎真之輔さんに戦略的投票をした可能性があります。なので、今回の参院補選だけで共産党の当選が落ちていると判断するのは早計かもしれないのですが、数字だけを見れば、前回よりも票を取れていません。


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