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【選挙ウォッチャー】 NHKから国民を守る党・動向チェック(#268)。

 先日、週刊誌の「FLASH」が、NHKから国民を守る党、改め、NHK受信料を支払わない方法を教える党の上杉隆幹事長に関する、さまざまな疑惑を報じた。その中身は、「開発したAIが使い物にならず、結果として人力で分析したものを番組で使っていた」とか、「複数の女性を妊娠させてトラブルになっていた」とか、「80代の母を恫喝していた」とか、聞けば聞くほどゲスい話のオンパレード。当然、党首の立花孝志は、幹事長の上杉隆を擁護するため、YouTubeに弁明動画をアップしていた。ただし、擁護と言っても、立花孝志は上杉隆が認めていないことまで勝手に認め、「上杉隆が会社にキックバックしろと弟に言ったのは事実だ」とか「上杉隆は複数の女性を同時に妊娠させた」とか、週刊誌が書いていないような内容まで暴露しており、擁護というよりは背中から撃っているに等しい状態だった。
 3月3日には、週刊誌報道を受け、緊急の記者会見を開くと言ってマスコミを呼び出し、上杉隆の釈明が聞けるのかと思いきや、肝心の上杉隆本人は不在。立花孝志と浜田聡の二人が、かつての秘書で、今回、週刊誌に実情を語った上杉隆の弟に対し、「ポンコツ」だの「仕事ができない」だの、罵詈雑言を浴びせるだけだった。空振りを喰らった記者たちが気の毒である。
 ところが、3月5日になって事態は一転する。なんと、立花孝志が上杉隆幹事長に対し、毎月支払っている240万円の報酬を止めると言い出したのである。一体、何があったのか。


■ 上杉隆の背中を堂々と撃ち始めた立花孝志

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 普通、自分の政党の幹事長にスキャンダルが発生した場合、党として、どのように対処をすれば傷口が浅く済むのかを考えるものだが、立花孝志の場合、スクープとあれば身内であっても背中から撃つ。
 これは「NHK受信料を支払わない方法を教える党」という国政政党の記者会見だが、この記者会見の席で、立花孝志は「森友学園」の籠池家の娘を妊娠させたのは上杉隆ではないかと言い出したのである。いくつか心当たりがあるにせよ、憶測でしかない話を国政政党の記者会見の場に持ち出してしまうのは異常である。ちなみに、籠池家の娘が上杉隆の子供を妊娠しているのではないかと疑うに至った理由は、これまた衝撃である。

① 立花孝志が金返せと言っても応じず、上杉隆の説得には応じた。
② 立花孝志の電話には出ないのに、上杉隆の電話には出た。
③ 上杉隆の奥さんがそう疑っている。(なお、その上杉隆の奥さんも立花孝志の電話に出てくれない)

 この程度の根拠でよく記者会見の場で「不倫の疑いがある」と発表できたものだが、立花孝志が上杉隆や籠池家の娘さんに「不倫しているだろう」と問いただしたところ、両者とも否定したという。それでも疑惑は晴れないと言い出した立花孝志は、この疑惑が解消されるまで上杉隆に支払っている毎月240万円の報酬を止めるとまで言い出している。
 いくら上杉隆が女性関係にだらしがない人間だと言われていても、よりによって籠池家の娘さんを妊娠させるだろうか。いくら上杉隆の会社が「NO BORDER」だからと言って、それはさすがにボーダーがなさすぎるのではないだろうか。オフレコの場なのだから、もし本当に不倫しているのだとすれば、党首の立花孝志にだけは認めても良さそうなのに、そこは両者とも否定しているというところから考えても、この3つのポイントから言えることは一つではないだろうか。
 『立花孝志は、めちゃくちゃ嫌われている』
 立花孝志の電話には、籠池家の娘さんも出たくないし、上杉隆の奥さんも出たくない。上杉隆の話は聞いてもいいけど、立花孝志の話なんて聞きたくもない。ただそれだけのことではないだろうか。それがどうして「不倫をしている」という話になるのかは、まったくわからない。だいたい上杉隆の奥さんが電話に出ないのに、どうして奥さんが疑っていると言えるのか。
 ただでもゲスいスキャンダルが報じられ、必死になってYouTubeで言い訳をかましているところなのに、そんなタイミングで「籠池家の娘さんと不倫した末に子供を孕ませただろ!」と参議院会館で行われる国政政党の記者会見の場で、党首から言われてしまう上杉隆。百歩譲って、上杉隆は国政政党の幹事長という立場であり、「公人」であることに加え、「身内」であるということで許されるとしても、一般人である籠池家の娘さんは、それが仮に事実だったとしても可哀想でしかないし、生まれてくる赤ちゃんはもっと可哀想である。しかし、立花孝志にこれから生まれてくる赤ちゃんのことなんて考えられるはずがない。なぜなら、「無能」だからだ。

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「公党の幹事長としては、不倫っていうのは、やはりダメです。違法行為にあたりますから。あの池田信夫さんっていう人が、なんか不倫は違法じゃないとか、テレビで平気でなんか言ってましたけど、違法ですからね。犯罪じゃないだけでね。そういうことを疑いがあるっていう状況で、僕がなぜこんなことを言ってるかというと、ちょっと情報があったら、本当欲しいんですよ、僕も」

 日頃から「違法行為」と「犯罪」は違うと言って、NHKに受信料を支払わなくても「犯罪」じゃないからセーフだと主張している人間が、上杉隆の不倫については「ダメ」だと言ってしまうダブルスタンダード。しかも、証拠がないので証拠が欲しいと言ってしまうマヌケぶり。これから証拠を集めようというのに、国政政党の代表が、この段階で「不倫している」と言い出しているのだから、名誉毀損で訴えられたらよろしいのではないだろうか。
 それにしても、立花孝志はなぜ上杉隆を背中から撃ち始めたのか。
 長年にわたってN国ウォッチングを続けてきた私の見立てでは、籠池家の娘さんと立花孝志は、お金ではない何か別のことでモメているのではないだろうか。登場人物が誰一人信用ならない人間たちなので、誰の言葉を信じたらいいのかがわからないが、籠池泰典夫妻は「立花孝志から娘との偽装結婚を持ちかけられた」と述べており、今後、籠池家からとてつもない衝撃的な発言が飛び出してくる可能性もゼロではないと見ている。


■ N教党推薦を立花孝志と話し合った男

 とうとう上杉隆幹事長のことも背中から撃ち始め、党内はかなりゴタゴタしているようだが、このタイミングで、3月21日投開票の千葉県知事選に立候補している泡沫候補の一人が、N教党の記者会見に出席し、N教党からの推薦や支持をもらうことについて、立花孝志と直接話し合いをした。それが、河合悠祐である。

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 河合悠祐は、顔面白塗りのピエロのような風貌で、「千葉県全体を夢と魔法の国にする党」なるものを立ち上げて立候補している。立花孝志を尊敬していると公言しており、立花孝志やスーパークレイジー君が東京都知事選を利用して知名度を上げている様子を見て、今回の千葉県知事選に立候補することを決意したのだという。
 今回の千葉県知事選に、立花孝志の姿はなかった。4月25日に行われる予定の衆参補選には、北海道2区、長野県、広島県の各選挙区に候補者を立てる計画が進んでいるが、千葉県知事選は見送られた。昔なら確実に立候補してきたと思われるが、現在26連敗中ということもあって、選挙に対するモチベーションは上がらなくなっているのではないだろうか。かつては「選挙」に立候補することを何よりも重視していたN教党だが、無投票当選を除けば、1年以上も当選から遠ざかり、戸田市議選や和泉市議選のように、かなり力の入れた選挙でも落選。これでは選挙にやる気が出ないのは当然である。
 しかし、そこに来てピエロ男が現れてしまった。選挙のお手本が「立花孝志」なので、YouTubeを使って知名度アップを図っているのだが、炎上させることが狙いなので、「コロナはただの風邪」と主張する国民主権党の平塚正幸のことを「まーくん」などと呼び、小バカにしながら、ウザガラみをする動画をアップしている。しかし、河合悠祐は人材派遣会社の社長であるはずだ。こんなに頭の悪い社長の下で働きたい人材がどれだけいるのかも分からないし、誰がこんな会社に発注するのだろう。これでは知名度は上がっても、最終的に収益が下がるような結果にしかならないのではないだろうか。

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 河合悠祐は、まさに立花孝志の選挙戦略をそのまま踏襲しているため、わざと届け出を遅らせることで、ポスターの右端の角を狙っていた。今回の千葉県知事選には8人が立候補しているため、8番をゲットする作戦だ。
 ところが、平塚正幸も「元N教党」の人間のため、まったく同じ戦略で8番を狙っており、河合悠祐と平塚正幸がモメたのは、両者が少しでも届け出を遅くしようと思った結果、「オマエが先に行け」ということでモメたようである。そこに来て、嫌がる平塚正幸を追いかけて撮影しようとしているのだから、これもまた立花孝志と同じである。ちなみに、河合悠祐は千葉県知事選だからといって、必ずしも千葉県内で選挙活動をやる必要はないと話しており、秋葉原や渋谷などの人が多いところで選挙運動をすることも検討しているという。これもまた立花孝志の戦略である。
 つまり、今回の千葉県知事選では、純粋なN教党員こそ立候補しなかったものの、立花孝志のDNAをしっかり受け継いだN教信者たちが立候補しており、千葉県知事選をより酷いものにしている。


■ 党の崩壊が近づき、立花孝志の行動は過激化

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 N教党の美人広報官が逃げ出し、N教党を離党した品川区議の国場雄大が立憲民主党に入党届を提出して、立花孝志が上杉隆の背中を撃つぐらいにゴタゴタしているNHK受信料を支払わない方法を教える党。党の崩壊が間近に迫っているからなのか、最近、立花孝志の行動がますます過激になっている。
 何度もNHK会長宅を訪れては、独自の主張を書いた紙をポストに入れているのだ。これまで確認されているだけで、2月25日、3月2日、3月4日にNHK会長宅を訪れている。こうしたパフォーマンスが票につながるはずもなく、支持しているのは一部のN教信者だけで、ほとんどの人は「そのうち逮捕されるんじゃないか」と思って見ている。
 当然、船橋警察署は状況を把握しているだろうし、こんなことを繰り返していれば公安に目をつけられていないはずがないので、ここから先は「黒ひげ危機一髪」をやっているのと変わらない。いつどのタイミングで立花孝志自身が吹っ飛ぶかを見るだけだ。
 立花孝志がNHK会長宅を何度も突撃するのには理由がある。NHKがどのようなアクションを取ったとしても、立花孝志は「NHK会長に影響を与えたのは自分だ」と主張することができる。本当は立花孝志とまったく関係ない次元で行われた改革であっても、すべて「自分が突撃したおかげだ」と言えば、頭の悪いN教信者たちは騙されるのだ。チャンネル登録者数も激減し、立花孝志に声をかける人も少なくなっている今、立花孝志が一縷の望みをかけているのがNHK会長宅への突撃である。しかし、いつまでもこんなことをやって許されるはずがない。


■ 選挙ウォッチャーの分析&考察

 それまで擁護していたはずの上杉隆を、立花孝志が突然、狂ったように撃ち始めたのには、何か理由があるのではないかと見ている。一見、とても小さなことのように思えるかもしれないが、水面下では、立花孝志が上杉隆の背中を撃たざるを得ないぐらい、大きなトラブルが発生していて、本当は上杉隆より立花孝志の方が胃をキリキリ言わせているのかもしれない。
 なにしろ、立花孝志はかねてから籠池家の娘さんのことをボロクソに言っているのだが、いくら条件付きで寄付した8400万円を返してくれなかったとしても、ここまでボロクソに言う必要がどこにあるだろうか。記者会見では、せっかく大阪まで会いに行ったのに当日に無断欠席されたから信用できないと言っているが、その程度のことで、ここまで「信用できない」とアピールする必要があるのだろうか。結果的にお金は返っているし、もし籠池家の娘さんと上杉隆が不倫していたとしても、「上杉隆は暴れん坊だな」で終わらない理由がわからない。もちろん、一般的な社会常識と照らし合わればいけないことではあるが、社会常識の欠片も持ち合わせないタイプの人間が、なぜ今回に限って常識的な発言をしているのだろうか。
 このあたりの不自然なことは、きっと誰かが語り出すことだろう。何はともあれ、生まれてくる赤ちゃんに罪はない。幾多の困難はあれど、元気にスクスク真っ直ぐに育つことを願うばかりだ。


■ 訂正のお知らせ

 元N国党員の国場雄大について、「立憲民主党入りを果たし」と書きましたが、正確には立憲民主党に入党届を提出し、松原仁議員とのツーショットをSNS上にアップしたものの、正式に受理されてはおりませんでした。長妻昭代表代行が「慎重に審査するため、まだ入党届は受理されていないしていない」と異例の発表をしており、立憲民主党に入党できない可能性がありますので、正確性に欠けた表現となっておりました。
 立憲民主党の対応を心配された方もいらっしゃったかもしれませんが、今はまだ受理されておりません。今後の様子を見守りたいと思います。

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