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【選挙ウォッチャー】 龍ケ崎市長選2021・分析レポート。

12月12日告示、12月19日投開票で、茨城県の龍ケ崎市長選が行われました。4年前は選挙をやる前から結果が決まっているような選挙だったこともあり、Kis-My-Ft2がパーソナリティーをしていたニッポン放送のチャリティーミュージックソンを聴きながら取材をしていたことを思い出しましたが、今年は2日もかけて、じっくりと龍ケ崎市長選を取材することになりました。当時も龍ケ崎市の問題点をたくさん書きましたが、今回はもっとスケールの大きな話になりました。

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中山 一生 59 現 一部議員が応援
萩原 勇  46 新 自民・国民推薦
藤木 妙子 68 新 無所属

中山一生さんは4期目を目指しての立候補。萩原勇さんは地元選出の若手県議ですが、今回は自民・国民推薦のバックアップを受けています。いわゆる保守分裂選挙ではあるのですが、大多数が萩原勇さんを応援する異常事態となっているので、構図の段階で勝負あったのではないかと思われます。藤木妙子さんは4年前も立候補しましたが、独自の戦いを展開しています。


■ 藤木妙子候補の主張

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藤木妙子さんは、市長選に立候補するのが今回で4回目だという地元のお母さんです。可愛いお孫さんとのツーショット写真を選挙ポスターに採用していますが、このままでは龍ケ崎市がダメになってしまうということで、本気で立候補しています。どうせ市長や県議だった人の方が組織力があって、多くの票を積むのかもしれませんが、一度は引退したものの、藤木妙子さんには市議としての経験もあるので、即戦力ではあります。悪しき慣習の談合政治を終わらせ、ろくすっぽ進まない「道の駅計画」は白紙撤回。バカみたいにハコモノを作るのではなく、ちゃんと市民のためにお金を使おうという当たり前で真っ当なことを言っているのが藤木妙子さんです。ホゲホゲしているように見えるかもしれませんが、頭脳明晰。変わり者のお母さんという感じではありますが、最も庶民の感覚を持った人だと思います。

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残念なことに、ほとんど個人戦に等しい戦いになっており、言っていることは真っ当だし、人柄も良いのだけれど、「選挙」という意味では、けっして強くありません。選挙を手伝ってくれる人が少しいますが、萩原勇さんのように次から次へと国会議員や茨城県議がやってきて応援に入るようなことはないし、地元の人から支えられている様子もありません。たまたま藤木妙子さんのお友達らしき同年代のお母さんが歩いてきたのですが、「また出ることになっちゃって!」と話しかけていて、正義感に駆られて「このままではいけない」と思って立候補しているだけで、売名したいわけでも、目立ちたいわけでもなく、「誰もやらないんだったら、誰かがやらなくちゃいけないんだから、自分がやるしかない」という感じです。僕も立候補こそしませんが、N国党に対する追及はほとんど同じような気持ちでやっているので、選挙に立候補する方向へのフットワークは軽い人なのだと思います。

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選挙カーの看板も手作り感満載だし、ホゲホゲしたオバチャンに見えてしまうかもしれないけれど、意外と洋服はオシャレだったりして、これを手作りできるのも地味にスゴいです。選挙ポスターから漂う独特の雰囲気と、何度も挑戦しては落選していることからしても、「泡沫候補」と見られがちかもしれませんが、みんなが選ばないだけで、本当はちゃんとした人が立候補していたということは残しておきたいと思います。ただ、新型コロナウイルス対策という意味では、藤木妙子さんはノーマスクだったので、まったく期待ができません。


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