【選挙ウォッチャー】 新宿区長選2022・分析レポート。
11月6日告示、11月13日投票で、東京都の新宿区長選が行われました。今年は、圧倒的に人気の高い現職に対し、今年7月の参院選で「れいわ新選組」の比例区で立候補した元新宿区議の依田花蓮さんが立候補し、それなりに盛り上げました。
しかし、現職が圧倒的に強いので、ある意味、選挙をやる前から結果が決まっているような選挙と言っても過言ではなく、依田花蓮さんを応援している人たちの感触とは裏腹に、前回を1万票ぐらい上回れたら御の字という感じになるのではないかと思っていました。
現職の吉住健一さんは、明らかに「余裕」という感じで、あまり一生懸命に選挙をやっている雰囲気はありませんでした。なにしろ、新宿区は「創価学会」の総本山である信濃町を有しており、公明党がバックについている以上、負けようがありません。
一方、依田花蓮さんは「れいわ新選組」の出身とはいえ、選挙を取り仕切っているのは共産党なので、「いつもの共産党の選挙」が展開され、無党派層に風を吹かせることもありませんでしたので、気づいたら告示になっていて、気づいたら投票日を迎えていました。選挙のレポートとしては、まったく面白みに欠けるものとなっております。
■ 「トー横キッズ」という新たな問題
いまや社会現象になりつつあるのが、「トー横キッズ」と呼ばれるホームレス状態の子どもたちです。以前、渋谷区が非人道的な仕打ちをして「美竹公園」から追い出そうとしていた話をお届けしましたが、その時に多かったのは「ホームレスであろうと公園を占拠するのは不法行為なんだから、どっかに行け!」という声でした。まるでホームレスになるのは自業自得だと言わんばかりです。
しかし、新宿区が抱える問題は、渋谷区よりも深刻です。
日本を代表するビッグシティである渋谷にも新宿にもホームレスは溢れていますが、新宿のホームレスは「トー横キッズ」と呼ばれ、彼らは居場所を求めて歌舞伎町にやってきます。未成年も多く、多くはネグレクトを受けて居場所を失った子たちです。
ここに集まる子どもたちが犯罪に巻き込まれる(被害者になる場合もあるが、振り込め詐欺の構成員になるなど、加害者になる場合もある)懸念も指摘されており、彼らをどう守るのかというのは、新宿区においても喫緊の課題です。コロナ禍に加え、物価高となっているところに、岸田政権は増税を検討しているというのですから、これから「トー横キッズ」のような現象が全国に生まれる可能性があります。
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