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【選挙ウォッチャー】 中野区議補選2022・分析レポート。

 5月15日告示、5月22日投票で、東京都の中野区議補選が行われました。昨年の東京都議選に自民党の出井良輔さんが立候補したため、空いた穴を埋めるための「欠員1」の選挙でしたが、6人が立候補する大激戦。しかも、自民党、生活者ネットワーク(立憲推薦)、都民ファーストの会、共産党、日本維新の会と、元日本第一党と役者が揃い、なかなか面白そうな選挙になりました。
 中野区は、都民ファーストの会の荒木千陽代表が選出されているエリアなので、都民ファーストの会がどこまで票を取るのか。さらに、参院選に向けて日本維新の会がどこまで票を取るのか。このあたりが見どころになろうかと思います。

生藤 健人  32 新 自民党
斎藤 慶太  39 新 日本維新の会
黒沢 結香  33 新 都民ファーストの会
広川 雅規  41 元 日本共産党
細野 かよ子 59 元 中野・生活者ネットワーク
大木 慶一  55 新 無所属(隠れ日本第一党)

 それぞれの候補者のキャラが濃く、「選挙をウォッチングすること」を趣味にしている人たちにとっては、そこそこ面白いレポートに仕上がっているのではないかと思います。
 さらに、「中野区議補選」と言いながら、実際には「夏の参院選に向けた宣伝選挙」でもあるため、各候補の選挙ポスターに東京都選挙区から立候補する人たちの顔写真があり、少しでもアピールしておこうという意気込みを感じます。


■ 大木慶一候補の主張

 大木慶一さんは、そこそこ爽やかな感じの選挙ポスターに仕上がっていますが、実際には「日本第一党」にいた人です。「日本第一党」は、桜井誠さんのスキャンダルが大々的に報じられたこともあり、半ば空中分解していますが、このたび大木慶一さんは無所属で立候補し、「増税を許さない」と言っています。中野区議になったところで増税を食い止められるのかという話でしかありません。選挙公報を見ると、やっぱり「日本第一党」だと思ってしまうのは、増税を許さない理由は「武漢肺炎」で店舗の閉鎖や失業者が増えていて、これ以上悪化を避けるために増税を許さないということだそうです。きょうび、新型コロナウイルスのことを「武漢肺炎」と言ってしまう奴は、ゴリゴリのネトウヨしかいません。まだ中国が仕掛けたウイルスだと思っているのでしょうか。

無所属で立候補しても、押さえきれない「日本第一党」の主張

 その他にも、「祖国教育」「外国人の生活保護の中止」を訴え、外国人労働者の受け入れにも制限をするというのが大木慶一さんの主張です。
 中野区長選に立候補した稲垣淳子さんもそうですし、ヘイト系ネトウヨ議員の吉田康一郎がいまだに区議会議員として生活していたり、N国党のアホが議員をしているのが中野区ですが、隣の杉並区と同じで、なかなかカオスなことになっています。
 ただ、ネトウヨは数字を持っていませんので、今回、組織があるわけでもないということで、共産党に4倍近くの差をつけられて負けました。


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