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【選挙ウォッチャー】 北茨城市議選2021・分析レポート。

3月14日告示、3月21日投開票で、北茨城市議選が行われました。定数19に対し、21人しか立候補しませんでしたので、ほとんど無投票当選に近い状態です。そんな中、今年に入って3戦3勝とノリにノッている幸福実現党が、北茨城市の議席を維持する戦いに挑みました。実は、4年前の選挙では定数19に対して20人しか立候補しなかったため、ギリギリのところで幸福実現党が競り勝ち、議席を獲得していたのです。今回は現職の市議として戦いを挑むことになったのですが、今年も2人しか落選しないショボめの選挙になってしまったため、再び当選のチャンスが巡ってきたと言えそうです。

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北茨城市は、福島第一原発、福島第二原発にも近く、さらに、東海第二原発にも近いという原発に囲まれた独特の自治体となっていて、ひとたび原発が事故を起こせば無傷ではいられません。さらに、「トリチウム汚染水」という名のベータ線核種で汚染された水を海洋放出するようなことがあれば、北茨城市周辺の海産物にも大きな影響を及ぼすことでしょう。その上で人口減少や過疎化が著しく進んでいるので、抱えきれないほどたくさんの問題を抱えている街であることは間違いないのですが、市民の半分くらいは選挙に無関心です。本当は市議会こそ大切なのですが、立候補している人をよく知らないという理由で、しっかり吟味して投票するような人はごく少数。ここでもビックリする結果になっています。地方議会がどれだけカルトに侵食されているのかを知っていただきたいと思います。


■ 東海第二原発の再稼働を認めない判決

まさに選挙が行われている真っ最中に、水戸地裁で、東海第二原発の再稼働を認めない判決が下されました。判決では、原子力規制委員会の判断に見過ごせない誤りや欠陥があるとまで認められないとしながらも、原発から30キロ圏内に住む住民が避難できる避難計画と体制が整っていなければ、重大事故に対して安全を確保できる防護レベルが達成されているとは言えないと指摘。東海第二原発の30キロ圏内には94万人が暮らしていて、避難計画を策定しているのは14市町村のうち、人口が少ない5つの自治体にとどまっていて、人口の多い水戸市などでは策定できていないと指摘。策定された計画でも、地震などの自然災害による住宅や道路の被害も想定した複数の避難経路を設定しておらず、実現可能な避難計画や実行できる体制が整えられていると言うにはほど遠い状態だとして、日本原電に再稼働を認めない判決を言い渡しました。ちなみに、北茨城市はギリギリで30キロ圏内には入っていない自治体なので、避難計画は立てていませんが、福島第一原発事故の時にそうだったように、避難民を受け入れる側の自治体として、今のところは高萩市の人たちを受け入れる計画になっているようです。


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