おばあちゃんの畑の思い出。
祖母はずっと畑仕事をしていた人だった。
母が仕事に行く関係で、私は3歳が終わるまで祖母に預けられていた。平日のほとんどは祖母に育てられていた事になる。寂しい思いもなく、祖母の背中を追いかけて自由にのびのびと育った。初孫だったので存分に甘やかされた。笑。
祖母は午前中に必ず近所の畑に出掛けた。腰が曲がっているのに颯爽と自転車にまたがった。時にはリアカー。荷台には私が乗っていた。
畑にはさまざまな野菜が育てられており、とにかく採れたての野菜をいつも食べていた。捥いですぐに食べる感じだ。井戸水を手漕ぎポンプで汲み上げ、野菜を洗って沢山冷やした。
いつの季節も旬の野菜が実り、それがとても美味しかった。あまりに鮮明で忘れられない。
畑以外も、イナゴを取ったり蜂の子を取ったり…餅米を蒸し餅を突いたり凝った漬物を漬けたりお酒を作ったり…ザ・田舎暮らし的な事は全てしたように思う。祖母は料理が上手だった。祖母の手にかかると何でも美味しくなった。台所に付いていき、野菜の下処理の手伝いなんかをして子供ながらちゃんとした食べ方を覚えた。それらをたらふく食べて丸々した女の子だった。今は笑える。
現在、その畑は売りに出され「立ち入り禁止」のでっかい看板が立っている。結構、大きな土地だ。
久しぶりに降り立つと不思議と涙がでてしまった。泣くととても疲れる…。
荒地になったその土地には所々と緑が生えている。畦道の跡に。
畦道は耕した畑ではないので、自然と緑が戻って生えてくるようだ。畦に沿って綺麗に緑が顔を出しているのだ。
感慨深くなる。
かつて祖母や祖父が育てた畑の跡。畦道ははっきりとその姿を残していた。
ここが売れて畑の姿が消えてしまっても、私の記憶には鮮明にその姿が残っていると思う。
新天地ではぜひ畑の仕事も出来ればと思っている。
息子にも植物の事を教えたい。
本格的な土いじり…とても楽しみだ!!
今日もお疲れ様でした。
Hasta mañana!!
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