パジャマで暮らす。

家でごろごろすることをすっかり極めつつある息子は、わたしの仕事部屋へやってくると「パパ、パジャマ着て」ときびしく告げる。「なぜパジャマから私服になんて着替えているのだ。しっかりしろ」とでもいうように。

しかたなくスウェットに着替えると、息子は仕事部屋の電気を消させ、「ベッド、ベッド」とはげしく要求する。

さからうことなく寝室に入ると、息子はベッドの上で「ニャンニャン、ニャンニャン」としばらく猫になってハイハイしたのち、枕のカバーをあけて中に入ろうとしはじめる。自ら猫どころか枕になろうとするとは。まさに究極のごろごろである。

わたしは息子のおもちゃの車に乗せられ、犬のぬいぐるみの「あっくん」をだっこしたまま、ハンドルを左右に動かしつづけることを命じられる。

まさかクライアントもこんな姿で「そちらの件については」などとテキストチャットでやりとりしているとは思わないだろう。

そこで、ためしに「スウェット姿で失礼します」と自分の姿も無駄に伝えてみる。すると、しばらくして「ヒゲ伸び放題の◯◯です」との返信が届き、なんだかリモートがほっこりする。

パジャマで暮らすのも悪くはない。

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