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そしれのそしての「そして」

2022年12月、個人的には久しぶりにバンド編成でのライヴを、しかもライヴハウスで開催し、心配なことだらけでしたが、東京だけでなく遠方からも満員のお客さんに来場いただき、内容についてもたくさんお褒めの言葉をいただきました。
その第2弾、というか2年目のイベントを同じ会場、同じメンバーで開催します。リハーサルでは、昨年より明快にアンサンブルを整えたい部分、遊びたい部分が見えて、更に良いライヴができそうな予感にワクワクしてます。しかし、一番の心配はやっぱりどうしても集客です。残すところ1週間を切り、現状はっきりと厳しい申し込み数…閑散とした会場でお客さんをモジモジさせてしまうような、悪い想像ばかりしてしまう自分がいます。
もちろん赤字になることの痛手もあるけれど、ライヴが良い形で迎えられないことのほうがもっともっと恐怖心があります。

一体どうしたら来てもらえるだろうか!…
それは、精一杯宣伝するしかないのだけれど、そもそも、この企画には対バンも、出店も無い。ものすごくシンプルで、お客さんにとっての「楽しそう!」という取っ掛かりが足りないのかもしれない。“特別”さが無いのかもしれない。うーん、だけど…わかるんだけど…この自主企画で、僕の描いている目標と願いのようなものがありまして…
それは、もっと独力の、『小田晃生の音楽』で成せるものを増やし、確認したいということなのです。

「企画やるなら、なにか“特別”なウリが無くちゃダメだよ」
と、誰にでも言われます。僕もかつて、そうかもな、と努力したこともありました。対バンや出店があると、その掛け算が「楽しそう!」を数倍にしてくれるのが良いところだと思います。だけど、なんだか釈然としない。フェアじゃないことに関わらせてしまっているような…なかなかはっきりした言葉にならなかったけれど、とにかく自分の至らなさに対しての気持ちが募る。のちに、このアンフェアさ、至らなさは、僕の頭のなかでこんな言葉になりました。
「僕はこの掛け算に“×1”しか出来ていない」
うん、そんな感じ。(これはあくまで僕の主観であり、かつメチャクチャ感覚的な話なので、「そこで算数はおかしい」とか、そういうことはご容赦くださいませ。)

対バンや出店の素敵さに頼らず、良い曲を作って、まぐれじゃない演奏を届けられるようになって、その音楽を求めてファンがライヴに足を運んでくれる関係性が作れたなら、やっと“×2”や“×3”の自分で、対バンや出店の皆さんを迎えてイベントが組める。そうしたい。そういう自分でありたい。

だから、今ここで企画するならば、直球、自分の音楽だけ。これの為にみんな来てください、お願いします。
…そういう形でやるべきだ、と考えたのでした。
昨年は、それを幸せな結果で終えることができたのだと思います。もちろん、バンドメンバーの翔くん、啓太くん、キノピー、それぞれの家族友人知人。撮影のバームクーヘンの生んでくれた縁。会場のLIVE HAUSの宣伝。さらにフライヤーやグッズなど、キノピーの咄嗟の力添えもありましたが、実質、ひとつのバンドの演奏の為に来場してもらえたのは、そんな内心の願いもあったため、最高にありがたく、嬉しかったのでした。

昨年の企画は、コロナ明けでもあり、久しぶりのバンド編成でもあり、僕ができる精一杯の“特別”でもありました。だから、この2回目は粘りどころだと思っています。どうにか同じ形で信じてもらえるか、興味を持ってもらえるのか。中身については、より良いものを目指す。けれど、ライヴの宣伝からそんな事まではわからないですからね。
いやぁしかし…今年一年は思い返すと、とにかく東京でのライヴはお客さんが呼べずにほんとに苦心しました。単純に「予約をしてライヴに行く」ということに慎重になったり、ハードルに感じる人が増えてるのかな、とか、思ったりもしますけれど。

あまりネガティブなことを書くべきじゃないのかもしれませんが、ここでやせ我慢をしても仕方がないレベルで、ほんとに限界を感じつつあります。来年以降の自分のライヴをどうしていくべきか、特に、最も研鑽を積んでいるはずの弾き語りが、もう商品になってないという現実を認めなくてはならないことにショックを受けていますが、だったらこのバンド編成という方法が、もうちょっとでも求められてほしい。絶望したくない、という願いもあります。

と、いうことで、ぜひライヴ来てください!
…って気持ちになる文章かどうか、わかりませんが…
僕なりに、真剣な狙いを持ってこの取っ掛かりの少ないイベントを企画しています。なかなか理解されませんし、全然賢くないなと思います。プライドとか、劣等感とか、そういうものが堅くしてしまっている部分があるのは確かです。だけど、そういう曲を作って歌ってるのも僕です。
まだ僕は、自分の音楽家としての在りようが許せない、というか、腑に落ちない。だからといって辞められない。どうすりゃいいのかわからないけど、好きを伝えてくれる人も常に居て、諦めるほど負けてもいない。自分が心から嬉しいことで他人を喜ばせたい。
なりたい自分になるべく、努めたいのです。

ふと聴いた1曲から、どこかで観た1回のライヴから、何年も前だとしても、僕の音楽のなにかが好きになってくれたことがある方。どうか生身の僕を、今のうちに観て聴いてやってください。よろしくお願いします。



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