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覚書_52

「台風をなめてた」

約二ヶ月ぶりに直撃すると言われていた台風6号。
その前日の月曜まではスッキリブルースカイで、接近を微塵も感じさせなかった。
眠りにつき、目を覚ました朝6時半。
もう音からして台風が上陸していることをしっかりと感じさせられた。

部屋は薄暗くて、すぐに電気をつけて7時を待って暴風域に入っていることを確認してから二度寝。
台風の中の睡眠は本当にはかどる。
10時過ぎに再び目を覚まして、まだまだ渦中にいることを調べてから三度寝。
まどろんでいるうち、スヤ…とまた眠りに落ちる。
それを繰り返していると、夕方の6時前だった。
胃に何か入れなくちゃ、とカップラーメンのために湯を沸かす。
台風の時は料理をしない言い訳ができていい。
薬を飲んで、のんびりTikTokで時間を溶かす。

いつもの調子だと、翌日には暴風域を抜けるだろうと早めにベットへ行った。そして翌朝水曜日。
まだまだがっつり暴風域じゃねーか。
水曜はいつも買い物をしているスーパーが安い日なのだけど、行けるわけがない。台風でも構わず営業でお馴染みのスーパーのHPを開くと、休業のお知らせが目に飛び込んでくる。
そこでようやくことのヤバさに気づくのだった。

今回の台風はいつもの台風と違う。真面目なやつ。
外を覗く勇気は出なかったけど、玄関に足を伸ばしてみた。
見事に浸水。池が完成している。直置きしていたスニーカー二足はぐっしょり濡れていた。
とりあえず、木曜日は革靴を履こう。そう決めて、また眠りにつく。

木曜の朝。家を出るといつもより明るい。二階に張ってある屋根が暴風で飛ばされていた。
そして人から聞いて驚いたのだが、どうやら台風は週末に戻ってくるらしい。

金曜の今日、一部が暴風域に入ったことにより帰宅命令が出た。
いつもより早く家に帰って、玄関の池をどうにかすることに決めた。
使い終わった洗濯前のバスタオルに水を吸わせ、絞り、また吸わせる。
一時間ほど繰り返しただろうか。ようやく水気がなくなった。

台風の日に家に篭るのは好きだったけれど、ほどほどが一番。
害を被るのはごめんだと、痛感したこの数日だった。

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